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道に迷っている?近畿自然歩道。

更新日:


たつの市の的場山に登ると、
「近畿自然歩道」という文字の入った標識を目にする。
要所、要所に立っていて、
分かれ道での行き先や、次の目的地までの距離などが
指し示されている。

「自然歩道」などと書くと、
きっちりと整備された、
歩きやすい道をイメージするかもしれないが、
実際に歩いてみると、
意外に手入れの行き届いていない道である。
特に、的場山を通っている「近畿自然歩道」は、
もともとあった登山道を、そのまま転用したような道だ。
それもその筈で、これは新しく作られた道ではなく、
もともとあった遊歩道などに、
案内看板や標識を設置しただけのものだ。
だから、看板や標識などはきれいなものが立っているが、
道自体は古くから使われている、山道である。

この「近畿自然歩道」、
もともと環境省が設定した、
長距離自然歩道計画のひとつして整備された。
新しい道路を作ることなく、
既存の道に標識などを設置することで、
全国の景勝地を結ぼうという計画である。
計画の上では、総延長距離は27000kmに及ぶ。
1970年の東海自然歩道の整備に始まり、
2003年には近畿自然歩道が整備された。
この計画は現在も進行中で、
東北と北海道で、整備が進められている。
「近畿自然歩道」だけでも、
総延長距離は3258kmに及び、
このうち兵庫県内を通っている分が、約600km。
これが65コースに分けられている。

兵庫県内では、「近畿自然歩道」は
4つのルートに分けられている。

瀬戸内海に沿うようにして進む、山陽路ルート。
日本海沿いに進む、日本海沿岸ルート。
明石から子午線に沿って北上する、子午線円山川ルート。
淡路島を巡る、淡路島ルート。

冒頭に書いた、たつの市の的場山は、
山陽路ルートの一部分だ。
山陽路ルートは、
川西市の妙見山上バス停から、
佐用町の岡山県との県境まで、東西に続いていて、
全長は220kmを超える。
22のコースに分けられていて、最短で5kmほど、
最長で17kmほどになる。
この道を川西市からこつこつと歩いていけば、
兵庫県を東西に横断でき、……ない。
え?できないの?と驚かれるだろうが、
実はこの山陽路ルートは、途中、
途切れ途切れになっている箇所があり、
そこの部分をどうにかしない限りは、
歩いて兵庫県を横断することはできない。

自分の住んでいるたつの市から、
もっとも近い「近畿自然歩道」は、
たつの市の「実校前バス停」から
的場山、亀山、菖蒲谷を経て、
相生市の「森バス停」までのコースだ。
全長は16.9kmで、
山陽路ルートの22コースの中では、
もっとも長距離コースとなっている。
「近畿自然歩道」のホームページでは、
「自然満喫 菖蒲谷への道」となっている。
高低差もあり、距離も長く、健脚向けコースだ。
ちょうどこのコースから東側が、
「近畿自然歩道」の途切れている箇所で、
ここから書写山の西、姫路市「刀出バス停」まで、
コースが設定されていない。

このコースは、自分の家からもっとも近いこともあり、
一度、歩いてみたことがある。

早朝に起き出し、まだ日も明けないうちから
「実校前バス停」から歩き始めた。
歩き始めから、いきなりの的場山登山になる。
かなりキツい登りで、一気に標高394mまで登る。
そこから稜線沿いに北上していき、亀山を越え、
亀池の辺りから西へとコースを曲げる。
ここから高低差の少ない山道を歩き、
やがて菖蒲谷森林公園に到る。
菖蒲谷森林公園の中を、大きく北回りでまわると、
途中、釜出へと下る道が見つかる。
かなり荒れた道だが、これが「近畿自然歩道」だ。
北へ向かって下っていくと、やがて釜出集落へと出る。
ここから「森バス停」までは、
舗装された道路をずっと歩くことになる。

夜明け前に「実校前バス停」を出発し、
昼過ぎには「森バス停」に着くことが出来た。
この「森バス停」からは、
さらに「近畿自然歩道」が続いているが、
こちらの方は、まだ歩いたことがない。

健脚向けコースとされているだけあって、
前半はかなりのアップダウンがある。
が、そこだけ乗り切ってしまえば、
残りは比較的、なだらかなコースだ。
ほとんど手づかずの自然の中を歩くだけあって、
その景色はなかなかのものである。

ただ、結構深刻な問題が、
スタート地点までのアクセスと、
ゴール地点から自宅に戻る際の手段が、
バスに頼り切りなところだ。
田舎のバスというのは、待ち時間が長い。
2~3時間待ちは当たり前、
下手をすれば、朝と夕方にしかバスがない所もある。
これでは、計画が立て辛いこと、この上ない。
いっそのこと、家族や友人に頼んで、
スタート地点と、ゴール地点までの送迎をしてもらう方が
いいだろう。

四季を通じて、手軽に、楽しく、安全に、
自らの足で歩くことを通じて、
豊かな自然や歴史・文化とふれあい、
心身ともにリフレッシュし、
自然保護に対する理解を深める、というのは
環境省のホームページに載っている、
「長距離自然歩道」の理念だ。

まことに結構な理念だとは思うが、
兵庫県内の「近畿自然歩道」の地図を見ていると、
そのあまりのブツ切れっぷりに、笑いがこみ上げてくる。
兵庫県の地図上に、
イトミミズがのたくっているようにしか見えない。

とりあえず、ルートを設定したから終わり、ではなく、
空白を埋めるコースを探す努力は、
続けてもらいたいものだ。

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