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あの3文字の意味〜その2

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By: Joe Wu

我々が(?)子供のころから慣れ親しんで来た「ウルトラ」シリーズ。

このシリーズの1つのお約束として、番組の中には
怪獣と戦う防衛チームが存在しており、
主人公はそのチームに所属しているというものがある。
この設定は、主人公を無理なく怪獣と関連づけることが出来るため、
第1作の「ウルトラマン」から、連綿と受け継がれ続けて来た。
そして、この防衛チームの名前であるが、
その大半はアルファベットで表記されたチーム名になっており、
(しかも、そのほとんどがアルファベット3文字で表記されている)
番組を見ていた子供達には、その意味が分からなかった。

今回は、このアルファベット3文字のチーム名について、
色々詳しく書いていこう、という趣旨の話である。
ただ、そうした場合、「ウルトラマン」に登場した「科学特捜隊」と、
「ウルトラセブン」に登場した「ウルトラ警備隊」の2つは、
この趣旨に反しているということになってしまう。
さすがにそれだけで、この2つの組織を省いてしまうのはもったいなく、
同一の世界観を有する番組間でのことでもあるので、
前回はいきなりこの趣旨を曲げて、
「科学特捜隊」と「ウルトラ警備隊」を取り上げてみた。
今回は「帰ってきたウルトラマン」に登場した「MAT」から、
話を始めていくことになるが、ある意味では、
今回からが、この趣旨の本番であるといえる。

シリーズ第3作「帰ってきたウルトラマン」に登場するのが「MAT」。
読みはそのまま「マット」となる。
防衛チームの名前がアルファベット3文字になった、
ターニングポイントともいえるチームである。
子供のころは、何の疑いも無く「マット」を普通に受け入れていたが、
そもそも良く考えてみれば「マット」とは何ぞや?
単純に「MAT」で英和辞典を引いてみると、
その意味は「むしろ、ござ、畳」となっている。
要は、体育の時間に使っていた「マット」の意味である。
防衛チームの名前が「むしろ」?
これでは全くの意味不明である。
もちろん「MAT」の意味は「むしろ」ではない。
「マット」の正式名称は「Monster Attack Team」であり、
「MAT」というのは、その頭文字を集めたものである。
つまり日本語でいえば「怪獣攻撃部隊」とでもなろうか?
直訳すれば、ひどく攻撃的なチーム名である。
この「MAT」は、国際平和機構の地球防衛庁に属している。
ニューヨークに本部が置かれ、世界各国に支部があり、
宇宙ステーションも有しているという設定である。
セブンの時の地球防衛軍とは別組織なのだろうか?
ひょっとすると、地球防衛軍も地球防衛庁の管轄なのかも知れない。
少なくとも、その攻撃的なチーム名から察するに、
警察や軍というよりは、有害鳥獣専門の駆除チームとした方が、
チームの立ち位置を、正確に表しているかも知れない。
この「MAT」は、作中、何度も解散を示唆されており、
組織内の立場はかなり弱いようである。

第4作「ウルトラマンA」に登場するのは「TAC」である。
読み方は「タック」である。
このチームも正式名称は「Terrible monster Attacking Crew」となる。
「Terrible monster」というのは、
この番組での怪獣の呼び名である「超獣」のことである。
「Terrible」は直訳すれば「ひどい、恐ろしい」という意味になるので、
「超獣」とは「恐ろしい怪獣」ということになる。
「怪獣」なんて、もともと恐ろしいもんだろ、
という気もしないではないが、そこから「TAC」は
「超獣攻撃隊」という様な意味になる。
やはり、凄く攻撃的なチーム名である。
どうして「TMAC」ではなく「TAC」なのか疑問も残るが、
「ティマック」や「トマック」では、
チーム名として締まらないということだろうか?
ともかく、この「TAC」は、「ウルトラマンA」第1話に登場した
超獣ベロクロンによって全滅させられた地球防衛軍に代わり、
新たに組織された地球防衛機構によって、結成された。
ここで、「ウルトラセブン」のときに出てきた地球防衛軍の名前が
再び出てきたことは驚きである。
「帰ってきたウルトラマン」の地球防衛庁が、これと同一なのかは
はっきりしなかったが、少なくとも地球防衛軍は
ここで全滅しているのである。
地球各地に支部のある大組織が、日本に現れた1匹の超獣によって
全滅させられるというのは実に不可解であるが、
ひょっとしたらベロクロンは、日本に出現する前に
世界中の支部に現れ、これを壊滅させたのかも知れない。
だとすれば、これは今までに登場したどんな怪獣・宇宙人よりも
恐ろしい被害を出していることになる。
さすが超獣、さすが異次元人ヤプールといった所か。
地球防衛軍に所属していた「ウルトラ警備隊」の面々がどうなったのか、
非常に気になる所ではあるし、「MAT」の面々がどうなったか、
これまた気になる所ではある。
さて、この新たな組織「地球防衛機構」だが、
本部はニューヨークに置かれており、その他、ヨーロッパ、アフリカ、
極東に支部が置かれているという。
本部の所在地だけはキチンとした地名が判明しているが、
それ以外の支部の所在地については、非常にアバウトだ。
案外、秘密性の高い組織で、現場でもある各支部については
その存在場所を秘匿されているのかも知れない。
まあ、あんまりオープンにしていると、地球防衛軍の様に
襲撃されて潰されてしまうかも知れないので、これは妥当な判断だろう。

第5作「ウルトラマンタロウ」に登場するのは「ZAT」である。
読み方は「ザット」。
「Zariba of All Territory」の略ということになる。
この中に1つ、問題のある言葉がある。
「Zariba」だ。
読み方は「ザリバ」だと思われるのだが、英和辞典を引いてみても
この「Zariba」が載っていない。
「of All Territory」に関しては「全ての領域の」と訳せるのだが、
「Zariba」だけが意味不明である。
だからこのチームは、直訳すれば「全ての領域のザリパ」ということになる。
この「Zariba」に関しては、様々な考察がなされているのだが、
実際の所、「MAT」や「TAC」のようなアルファベット3文字の名前を、
音の響きだけで適当にでっち上げたというのが、真相の様である。
地球外からの脅威に立ち向かう特殊編成部隊であり、
本部がニューヨークの国連本部内に存在している。
アメリカ、アルゼンチン、フランス、南アフリカ連邦、日本、北極の
6カ所に支部が設置されている。
バランス的にいえば、北半球が手厚く、南半球が弱い。
北極などという、シロクマしかいない様な場所に支部を置いている辺り、
地球外からの脅威を意識しているのは間違い無さそうだ。
この「ZAT」は、これまでの防衛チームと違い、
別の大きな組織の一部というワケではなく、
それだけで成り立っている、1つの組織であるようだ。
だとすれば、明らかに地球防衛庁や国際平和機構と役職がかぶっている。
どうも地球という星は、地球外からの敵に対して、
戦力の集中という戦略的な基礎が、全くとれていないようである。

さて今回は「MAT」「TAC」「ZAT」と3つの防衛チームを見て来た。
次回も今回に続き、防衛チームの名前の由来や、
そのバックボーンを見ていく。

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