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道の駅「山崎」

更新日:

先日、このブログにて、山崎の方まで
揖保川沿いに上って行ったことを書いた。(記事「竹秋」)

実は、友人の希望により、山菜を探しにいったのだが、
残念ながら時期が遅かったのか、目的の山菜については
全く収穫することが出来なかった。
その際、せっかく山崎まできたのだから、
道の駅と、それに併設されている直売所にいってみよう、
ということになった。
時期が遅くなったとはいえ、直売所に行けば、
目当ての山菜を入手できるかも?と、考えたようである。

そういうことに決まって、山から下り、
山崎の町へと、車を走らせた。
道の駅「山崎」は国道29号線沿い、
揖保川の西岸に建てられており、夏のアユ釣りシーズンには、
多くの釣り客が竿を出している姿を、見ることが出来る。
石造り(?)のトイレが印象的な、
ログハウス風のシャレた建物である。
国道29号線を隔てて、Aコープと旬菜蔵(地元野菜の直売所)
が建てられており、道の駅では地元土産を、
旬菜蔵では、地元の野菜類を購入することが
出来るようになっている。
国道29号線に入り、中国自動車道の高架をくぐって
しばらく北上していくと、すぐ左手に旬菜蔵が、
すぐ右手に道の駅「山崎」が見えてくる……はずであった。

左手の旬菜蔵は、すぐに目についた。
連休ということもあり、広い駐車場には
たくさんの車が停まっている。
行楽のついでに、新鮮な地元野菜を買って帰り、
晩ご飯のおかずにでもするのだろう。
しかし、その反対側、
道の右手にあるはずの道の駅「山崎」がない。
あるのは、ただ広いだけの更地で、
揖保川がその向こうに見えている。
一瞬、あれ?道の駅の場所を間違えてたかな?と、
混乱してしまったが、友人も横で首をひねっている。
ここに道の駅があったと思っているのは、
自分だけではないようだ。
カーナビで地図を確認してみたのだが、
そこには何も記されておらず、ただの空白地になっている。
自分はすぐに、カーナビの検索機能を使って、
最寄りの道の駅について、調べてみたのだが、
そこにも道の駅「山崎」の名前は上がってこず、
道の駅「みなみ波賀」や、道の駅「新宮」が
表示されているだけである。
その結果を見て、ますます混乱してしまった。
たしかに、道の駅「山崎」というのは実在していたはずだし、
そこに立ち寄ったことも、何回もある。
場所を間違えて覚えていたにせよ、
カーナビで調べて、出てこないなんてはずがない。

とりあえず、車を旬菜蔵の駐車場に入れて、
野菜直売所の方を見て回ったのだが、
友人が目的としていた山菜は、やはり時期が遅かったらしく、
旬菜蔵の中でも、すでに取り扱ってはいなかった。
(売り切れていただけかも知れないが……)
次いで、Aコープによって探してみたが、やはりなかった。
これでは仕様がない、ということで、
たつの市の新宮町まで戻り、道の駅「新宮」を覗いてみたが、
やはりそこにも目当ての山菜はなく、虚しい帰宅となった。

帰宅しても気になったのが、かき消すように無くなっていた
道の駅「山崎」のことである。
自分と友人、2人の記憶の中では
確かに「そこ」にあったはずなのに、
実際の場所には何もなく、カーナビもその存在を否定していた。
まるで、キツネにつままれたようなという表現がピッタリとくる、
不思議な体験であった。
しかし、そのまま済ませては、なんとも寝覚めが悪い。
現代には、インターネットという便利なものがあるのだからと、
早速、道の駅「山崎」について調べてみた。

ことは案外、簡単であった。
道の駅「山崎」は、2013年3月31日をもって、
閉鎖されてしまっていたのだ。
理由は、宍粟市と土地所有者の土地等賃貸契約が、
2013年3月31日で終了するかららしいのだが、
よくよく調べてみると、それ以前にも経営の悪化で
運営者が変わっている。
ひょっとすると、運営状況も良くなかったのかも知れない。
閉鎖後も、トイレなどの施設を、
トラックドライバーなどが使えるようにしたいということで、
「近くに観光拠点施設を設ける」という計画もあったようだが、
現在、当該場所が更地になってしまっていることを考えると、
計画はポシャってしまったようである。
施設が撤去されたのは、2013年中ということだったので、
ほぼ、3年近く、当該場所は更地だったことになるのだが、
ついぞ、自分はそのことに気がつかなかった。
(もちろん、友人も気付いていなかった)
国道29号線は、2013年以降も何回か通ったことが
あるはずなのだが、うかつにも道の駅が無くなっていることには
気付かなかった。
カーナビにも表示されていなかった所を見ると、
カーナビのデータが更新されたのが、
2013年4月以降だったということであろう。
何のことはない。
不思議に思えた体験も、フタを開けてみれば
ごく普通の閉店劇に過ぎなかったのである。

しかしながら、この道の駅「山崎」の閉鎖には、
ちょっとした驚きがあった。
自分の感覚からしてみれば、ああいう施設は、
県や市など、自治体が経営しているもので、
ちょっとやそっと営業成績が悪かった所で、
潰れたり、閉鎖されたりするようなことは、
ないと思っていたからである。
大体、道の駅などは、休日などには結構客が入っているものの、
平日はあまり客が入っていないのが、普通である。
しかし、そこは地元の特産品を観光客などにアピールする場として、
自治体が採算度外視でやっているものだと思っていた。
だが、この道の駅「山崎」の閉鎖の流れを見ていると、
さすがにそこまでいい加減なものでもないらしい。

道の駅「山崎」内で営業していたレストランの名前が
「鹿の蔵(かのくら)」だったことからも、
地元で捕れたシカの肉などの、いわゆるジビエ料理で
宍粟市をアピールしていたようだが、
よくよく考えてみれば、日本中の田舎でシカ肉を料理して、
名物料理にしようとしている昨今では、
いまいち、アピールが弱かったのかも知れない。
「猪鹿鳥(いのしかちょう)」なんていうキーワードを用いて、
イノシシ、シカ、鴨などの肉料理を推していたが、
残念ながら、売り上げには繋がらなかったのだろうか。

一時は、道の駅ブームのようになり、
あちこちに、次々と道の駅が作られたが、
現在でも順風満帆な経営を続けている所は、
どれだけあるだろうか?

ことによると、これから道の駅「山崎」のように、
日本各地でバタバタと閉鎖されていく道の駅が、
出てくるのかも知れない。

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