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政務活動費疑惑、再び

更新日:

By: Kana

兵庫県内で、今、再び「政務活動費」が注目を集めている。

某神戸市議会議員が、5年間にわたり、
市政報告のチラシを印刷業者に架空発注して、
政務活動費を不正受注していた疑惑が持ち上がっているのである。

政務活動費にまつわる不正といえば、
いやも応も無く、あの号泣議員の姿が思い浮かぶ。
あの号泣議員も、もともとは政務活動費の不正受給疑惑によって、
釈明会見とも、謝罪会見ともいえない中途半端な会見を開き、
その席で、みっともない号泣姿をさらしたことで、
日本中にその名前を知られることとなった。
(あのみっともない号泣姿は、海外メディアでも取り上げられたので
 そういう意味では、世界的な恥をさらしたことになる)
号泣議員は兵庫県の県会議員であったため、
その姿がテレビ画面に映されるたびに、
「兵庫県県会議員」という肩書きもアナウンスされ、
あの号泣議員=兵庫県という図式は、
テレビを見ていた多くの視聴者の記憶に、刻み込まれることとなった。
兵庫県民としては、情けないやら、腹がたつやらで、
全く散々な思いをさせられたのだが、
あの号泣議員の政務活動費不正受給疑惑が取り上げられてから、
同じように政務活動費を不正受給していたと思われる県会議員が
次々と出てきたことは、本当に痛恨の出来事だった。

かの号泣議員は、政務活動費計1834万円と、
利息89万円を兵庫県に返還して辞職。
もちろん、それだけで済む問題ではなく、
彼はその後、政務活動費913万円をだまし取っていたとして
神戸地検から在宅起訴された。
結果、彼は懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定した。
県民の感情からいえば、いっそ死刑にしてしまえ!と、
わめきたい気分なのだが、
さすがにそういうことにはならなかったようである。

あの事件から3年。
再び兵庫県は、政務活動費の不正受給疑惑の問題に向き合わなければ
ならなくなった。
まあ、今回は県会議員ではなく、神戸市議会議員の疑惑になるので、
兵庫県の問題、というわけでもないのだが、
なんせ、やっていることが似ていて、
同じ兵庫県内でのことでもあるので、
TVなどは、この問題を取り上げるたびに号泣議員の名前を出し、
事件の内容を比較しているような有様である。

さて、前回、号泣議員の政務活動費疑惑が全国的な関心をひいたのは、
政務活動費疑惑そのもののせいではなく、その会見において
議員がみっともなく号泣したからである。
政務活動費の不正受給の問題は、何も兵庫県だけに限った問題ではなく、
号泣議員事件以後、全国各地で同様の問題が持ち上がり、
多くの地方議員が辞職したり、逮捕されたりした。
それらの事件に比べ、号泣議員が大きく取り上げられるのは、
ひとえに「号泣」の力である。
今回、この神戸市会議員の不正受給が大きく取り上げられたのは、
彼が、この件が発覚する以前に、元アイドルの女性国会議員との
不倫疑惑で大きく取り上げられていたからである。
号泣議員に続く、不倫議員である。
その不倫騒動が大きく取り上げられ、一躍、時の人となっていた所に
この政務活動費不正受給疑惑が明らかになったのである。
「号泣」に「不倫」。
どちらも政務活動費疑惑とは別の所で、
悪名を広めているという点で、彼らは非常に似ているといっていい。
(まあ、「号泣」の方は、「不倫」できるほど男前ではなかったし、
 「不倫」の方も、「号泣」ほど笑いをとることは出来ないだろう)
ほかの地方議会での政務活動費疑惑が、
これほど大きく取り上げられていないことを考えると、
彼らは、自らの悪行に余計なトッピングをして、
それ故に大きく取り上げられている、ということになる。
他の真面目な、兵庫県の議員たちには悪いのだが、
兵庫県の政治家は、度し難い「バカ」なのではないだろうか?
何より、県議会議員、市議会議員という違いはあるものの、
すでに近くで起こった悪しき前例があり、
それがどれほど叩かれる類いのものであるかを目にしていながら、
それと全く同じことを繰り返すというのは、なんとも理解し難い。
と、いうよりは、それだけ県民・市民を嘗めているということか。

この不倫議員の政務活動費不正受給疑惑の場合、
印刷を受注したとされる業者との証言の食い違いがあり、
全く架空の領収書を発行させたのではないか?
という疑いも持たれている。
号泣の方は、ただ不正を行った人間のバカさのおかげで
あっというまに、ことが露見するに至ったのだが、
不倫の方は、架空の領収書を発行させたり、
チラシのデザインと印刷を別の業者に請け負わせたようにして、
巧みにことの隠蔽を図っているようである。
そういう意味では、不倫は号泣に比べ、
小狡く、狡猾な印象が拭えない。
是非とも、徹底的に疑惑を明らかにし、
然るべき、罰を与えてもらいたいものだ。

前回、今回と問題になっている「政務調査費」。
これは地方議員の政策調査研究活動などのために支給される、
費用のことである。
その規定や、支払い方法などについては、
それぞれの自治体によって大きく異なる場合もあり、
ここのところが、不正請求のしやすさを生んでいるようだ。
多くの場合、支払いは一定金額の前払い制になっており、
これを使い切らなければ、次の請求が出来ないようになっている。
こういう風に書いては叱られるかも知れないが、
まるでお金持ちの家のボンボンの、お小遣いである。
領収書の添付が厳しく義務づけられていないケースもあり、
(号泣議員の場合は、毎日のように通っていた県内温泉地への
 交通費の領収書が残されていなかった)
不正をやりやすい状況になっている所も多い。
号泣議員の一件により、世間からこのシステムについて注目が集まり、
各地で議員による、政務活動費の不正受給が明らかになった。
以降は、不正しにくいようなシステムに変更する自治体も
ポツポツと出始めている。
今回、神戸市議会の議員の不正が取りざたされたことにより、
県内の各自治体においても、政務活動費のシステムの見直しが
進められるかも知れない。
と、いうか、是非とも進めてもらいたいものだ。

号泣議員といい、不倫議員といい、
県内議員のカネに関する意識は、かなり下劣なようだ。
(まあ、そうでない議員の方が多い、と思いたいが……)
この恥をすすぐ意味でも、政務活動費不正を行えないような、
厳しいシステムへの変更を、期待したい所である。

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