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特撮、テレビ

特に意味は無いが、「ワンダバ」

更新日:

テレビドラマ、および映画などにおいて、音楽の果たしている役割は大きい。

主題歌やメインテーマはもちろんのこと、

ちょっとしたシーンで流れるBGMも、重要な役割を持っている。

むしろ映画の内容そのものに関わってくるという意味では、

主題歌やメインテーマよりも、BGMの方が重要であるともいえる。

こういう音楽の効果を、わかりやすく感じたいのであれば、

子供向けのアニメ番組や、特撮番組を見るのが一番だ。

これらを見てみると、BGMがどういう風に使われているのかを、

わかりやすく理解できる。

なんといっても、子供相手の作品であるから、

変に穿った演出をしたり、わかりにくいシーンを差し挟むこともなく、

シンプルなBGMによる演出を重要視しているからだ。

その結果、子供のころに見た番組のBGMというのは、

大人になってもよく覚えていることが多い。

自分が一番印象に残っているのは、「ワンダバ」である。

知らない人には、何のことだかさっぱりだろう。

逆に知っている人は、あー、あれか!と、ピンと来るはずだ。

知らない人のために説明すると、

「ワンダバ」というのは、特撮番組「帰ってきたウルトラマン」で使われた、

BGMのひとつである。

妙なタイトルだな、と思った人も多いだろう。

映画などのサントラCD(サウンドトラックCD)を見ると、

BGMには、それが使われた場面に準じたタイトルが

ついていることが多い。

例えるならば、「戦闘」とか「別れ」という感じだ。

「戦闘」ならば、戦闘シーンに使われていた曲なのだなとわかるし、

「別れ」であれば、別れのシーンに使われた曲だとわかる。

そういう意味でいえば、「ワンダバ」というのは意味不明である。

なんだ「ワンダバ」って。

どういうシーンで使われていたんだ?

知らない人たちは、そういう風に考えるだろう。

「ワンダバ」というのは、「帰ってきたウルトラマン」の地球防衛組織、

MATが出撃するシーンに使われていた曲である。

……それなら「出撃」とかで、いいじゃないの、

なんでそんなワケのわからないタイトルにするの?となるが、

番組を見ていた子供たちならば、「ワンダバ」=「出撃」というのが、

頭の中に刷り込まれている。

なぜならば「ワンダバ」というのは、ひたすら

「ワンダバダバダ、ダバダバダ、ダバダバダ」

というのを繰り返すだけの、コーラスだからだ。

もちろん、一応、主旋律というのがあり、

それに沿った音程でのコーラスになる。

つまりMATの出撃シーンになると、毎回、男性コーラスで

「ワンダバ」の単語を繰り返していたというわけだ。

もちろん、聞いている子供たちは「ワンダバ」の意味を知らない。

確かに耳に残るBGMではあるが、

これがかかっている時には、マット・アローの出撃シーンを

夢中になって見ていたので、「ワンダバ」の意味までは考えなかったのである。

あれから、数十年。

ふと、あの耳に残るBGMについて、思い返した。

「ワンダバ」って、なんだ?

どういう意味の言葉だったのか?

色々と調べてみたが、「ワンダバ」という言葉については、

その出自が明らかではなかった。

ただ曲としては、前作「ウルトラセブン」のBGM、「ULTRA SEVEN」を

意識して作られたものだったらしい。

ただ、この「ULTRA SEVEN」は、英語の歌詞であったとはいえ、

一応、意味のある歌詞であった。

「ウルトラセブン」でも同じように、ウルトラ警備隊の出撃シーンで使われた。

どうも、この出撃シーン用のBGMを、

「帰ってきたウルトラマン」でも、作りたかったようだ。

前作の「ULTRA SEVEN」では、タイトルも、歌詞からも、

「ウルトラセブン」以外には使えない。

恐らく、他の特撮番組でも、この場合は後のウルトラシリーズだろうが、

これに流用できそうな曲を、作ろうとしたのではないか? 

そのため、コーラスの歌詞の中に「帰ってきたウルトラマン」を

イメージさせるような言葉を入れず、その代わりに

その言葉自体は何の意味も持たない、「ワンダバ」というフレーズを使ったのではないだろうか?

この「ワンダバ」は、かなり好評であったらしく、

後のウルトラシリーズにおいても、「ワンダバ」のアレンジ曲が、

防衛隊の出撃シーンBGMとして、使われている。

それどころか、ウルトラシリーズ以外の特撮番組でも、

同じような(「ワンダバ」という単語は使用していない、当たり前だが)

歌詞のBGMが多く採用された。

それだけ、一番最初に作られた「ワンダバ」のイメージが強かったのだろう。

特撮番組のみならず、他のアニメやマンガなどでも、

パロディのネタとして「ワンダバ」はよく使われている。

それだけ高名な「ワンダバ」だが、実は本当のタイトルは、

「M−3」となっている。

全く、味も素っ気もないタイトルだ。

後の作品に、多大な影響を残した「ワンダバ」であるが、

結局、その意味については明らかになっていない。

作曲家である冬木透が、音の響きだけで選んだ言葉で、

意味はない、というのが本当の所だろう。

作った本人も、まさかこれほど愛されるフレーズになるとは、

考えもしなかったのだろう。

優れた芸術作品は、作者の手を離れても独自の命を持つ。

その見本のような出来事である。

……。

「ワンダバ」が芸術作品かどうかは、評価が分かれる所だが。

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