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夜登山〜天下台山

更新日:

ここまで、「金輪山」「的場山」と
夜登山を行なってきた。
今回は、夜登山を企画した3つの山の最後、「天下台山」である。

実は、今回の「夜登山」を企画した際、
「金輪山」と「的場山」については、
わりとあっさりと候補の中に上がったのだが、
3つ目の「天下台山」を決めるまでには、
ちょっとした迷いがあった。
「金輪山」「的場山」には、きっちりと舗装、整備され、
車でも登れる道路が設けられているのに対し、
「天下台山」は、どうしても足場の粗い、
山道を登らなければならなかったからである。
はっきりいって、舗装された道路を歩くのと、
全く未舗装の山道を歩くのでは、危険度はまるで違う。
さらに今回は、それに「夜」という危険要素が加わることになる。
これを考えたとき、未舗装の山道を登ることを避けるというのも、
安全を重視する上では、当然の選択である。
実際、相生市の「宝台山」など、道が整備されている山は、
まだ残っているのだから、そちらを選択するというのも、
それはそれでアリだったわけだ。
(しかし「宝台山」では、夜景がほとんど楽しめないということで、
 今回の選択肢からは、外されることになった)

それでも「天下台山」をチョイスしたのは、
その展望が、近隣の山の中では、特に抜きん出ているからである。
標高は321mという、
「的場山」に比べても、かなり低い山なのだが、
周りに大きな山がほとんど無いことから、
360度の大展望を望める。
東には、揖保川町の金剛山系を眼下に治めながら、
その向こうには太子、網干、姫路を始めとして、
空気の澄んでいる日には、
遠く淡路島と明石大橋までを見晴らすことが出来る。
南には、播磨灘と家島諸島、小豆島、晴れた日には四国が見える。
北にはたつの市と大倉山系の山々が、
西には足下に相生市外と、相生湾、さらにはるか岡山方面の山並みが、
数十kmと言う範囲で、広がっている。
自分も、西播地区の山には多く登っているが、
ここに勝る展望を誇る山というのは、
まだ、お目にかかったことがない。
そんな、素晴らしい展望を誇る山から、
夜景を眺めると考えただけで、かなりの期待感を持ってしまう。
コースの内のかなりの部分が、全く未舗装の山道になるのだが、
この期待感が、山道への不安感を上回ってしまったのだ。

「天下台山」には、主に3つの登山ルートがある。

1つ目は、山の北側、「岩屋谷公園」から登るルート。
「岩屋谷」という名前からも分かるように、
谷筋にそって進んでいき、途中から峰の上に出る。
登山口には、公園が整備されており、
平日、休日を問わず、近所の人たちの憩いの場となっている。
公園からしばらくは、きれいに舗装された林道が続いているので、
山頂まで登らずに、この部分だけをウォーキングする人もいる。
もちろん、車は通れないようにしてあるので、
車で登って行くことは出来ない。
この舗装部分を越えれば、普通の山道になるのだが、
部分、部分にはベンチや休憩所が設置してあり、
さらに急な傾斜の部分には、階段が設置してあるので、
どちらかといえば「遊歩道」に近い山道である。

2つ目は、山の西側、東部墓園から登って行くルートだ。
距離にしてみれば、「岩屋谷公園」ルートよりも短いのだが、
その分だけ、傾斜がきつめな所も多く、階段も多い。
ただ、このコースも登り始め部分は、舗装こそされていないものの、
車でも走れるように整備されており、
かなり歩きやすくなっている。
ここも「遊歩道」といっていいコースである。

3つめは、「岩屋谷公園」の西側、北尾根を登るルートだ。
「岩屋谷公園」の北側に小さな墓地があり、
そこの所から山に入ることが出来る。
傾斜がきつく、アップダウンも多いコースで、
3つのコースの中では、もっとも自然の姿に近いコースだといえる。
途中、「とんび岩」などの名所もあるが、
道自体は完全な山道で、他の2コースとは一線を画している。
初心者には、ちょっとキツいコースだろう。

今回は、この3つのコースのうち、
「岩屋谷公園」コースを使って、山頂を目指すことにした。
理由は単純で、このコースが一番慣れているからである。
途中、いくつか分岐があるものの、コースを知りつくしているため、
まかり間違っても他のコースに迷い込むこともない。

例によって夕方、家を出発し、
登山口である「岩屋谷公園」を目指す。
家からの距離が近いためか、かなり早い時間につくことが出来た。
日は沈んだばかりなのだが、まだまだ辺りはかなり明るい。
暗くなるまで待とうかとも思ったが、
ここで待つくらいなら、早めに登って、
山頂での時間を長く取ればいいと考え、登山を開始。
さすがにもう、山に登っている人はいないようで、
登って、下りて来る間、1人の人間にも出会わなかった。
「岩屋谷公園」からは、結構な距離、舗装されている遊歩道が続く。
緩やかな上り道を、道なりに進んでいくと、
左手にダム式の貯水池が見えてくる。
季節柄、ダムの中には満々とした水がたまっている。
この水が、水田稲作に使われるのかはわからないが、
この池の下流には、水田はそれほどないので、
純粋に、水害防止のための貯水池かも知れない。
さらに遊歩道を進んでいくと、左手は檜林になる。
右手には「天下台山」の北尾根が伸びている。
やがて、道の舗装が無くなり、本格的な山道になるのだが、
道自体は幅があり、よく整備されているので歩きやすい道である。
小川を越えると、長い登りになる。
まだまだ辺りは明るく、ライトを点ける必要は皆無である。
途中、ベンチを越えると、今度は長い階段が現れる。
この階段を上り切ると、右手に滝がある。
この滝は、雨が降った後、数日間だけ現れる滝で、
水量もそれほど多くない。
ここから大きく左手に曲がりさらに登りが続く。
やがて小さな屋根のついた休憩所が現れるが、
別に疲れていないので、休憩は取らずに先を急ぐ。
やがて山頂から東に伸びる峰の上に出て、
そのまま稜線上を西へと歩いていく。
辺りは随分暗くなってきたが、
まだ、ライトを点けずとも歩ける状態だ。
山頂直下のつづら折りの所まで来たときに、
ようやく辺りが暗くなった。
ちょうど山が西にあり、さらに頭上が木に覆われているので、
急に辺りが暗くなる。
ポケットからライトを取り出し、これで足下を照らしながら
山頂へと登って行った。

山頂に着くと、再び辺りは明るくなった。
遠く、西の山並みの向こうで、空が赤く染まっており、
雄大なグラデーションになっている。
感動的な風景である。
東方向には、姫路、網干の夜景が広がり、
それがそのまま太子、たつのまで伸びてきている。
よく神戸などの夜景を、100万ドルの夜景というが、
それらの10分の1程度には、感動的な夜景である。
10万ドルの夜景だ。
日本円に直すと、1000万円前後の夜景ということだ。
……。
途端にありがたみが薄れた気がする。
辺りはまだ明るさが残っているため、休憩がてら、
完全に真っ暗になるのを待つことにした。
だが、しばらく待っていても、西の空は明るく、
完全な夜空にはなってくれない。
山頂で夜景を眺めながら20分ほど過ごした後、
諦めて下山することにした。

さすがに西の空には明るさが残っているものの、
辺りは真っ暗で、ライトなしでは歩けない状態である。
「金輪山」や「的場山」のように、道が舗装されていないため、
かなり慎重に足を運び、舗装された遊歩道に戻るころには、
下りだったにもかかわらず、かなりの疲労感があった。
やはり、それだけ緊張していたのだろう。

「天下台山」の山頂から眺めた夜景は、
播磨灘も含めた、西播地区のかなりの範囲を一望できる、
かなり豪華なものであった。
360度に渡って、数十kmを見晴らせる「天下台山」の夜景は、
ある意味では、「六甲山」のそれより凄い、ともいえる。
誰でも車で見に行ける夜景とは違い、
「夜登山」という、リスク高めな登山をしなければ見れない分、
誰でも見れるというものではない。

そういう意味では、
リターンの大きい「夜登山」ということになるのだが、
真っ暗な山道を1人で歩く怖さ(仲間がいれば、多少薄れる)、
危険さ、緊張感というものを考え合わせると、
ハイリスクなのもまた、事実である。

よほど、体力、技術、精神に自信がない限り、
「夜登山」は止めておいた方が良い。

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