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四国八十八ヶ所霊場巡り〜その1

更新日:

ある日、友人から
「四国八十八ヶ所霊場に行ってみたい」と、メールが来た。
「明日の朝8時に出発、
 10時ごろに第1霊場について、そこからスタート」
と、続いている。

余りに唐突なので、思わず笑ってしまった。
四国の八十八カ所霊場といえば、「お遍路さん」という
白い着物を着込み、笠をかぶり、杖をついて歩いている
巡礼者の姿を思い浮かべてしまうが、
アレをやろうと言うのだろうか?
もちろん、突然、発心して巡礼の旅に出たいと言う気持ち自体を
否定するつもりはないが、
それをいきなり、前日の夜にメールしてきて
一緒に行こうと言い出すのは、さすがにムチャクチャである。

四国八十八ヶ所霊場巡りの公式ホームページによれば、
(そういうものが、キチンと用意されている)
たしかに八十八カ所霊場を、ひとつひとつ巡れば、
それぞれ朱印を押してもらえることになっているようだが、
それは、1つ1つの札所に
キチンと納経(写経、もしくは読経を納める)し、
その証として、「納経帳」と呼ばれる帳面に、
札所となっている寺院の「印」を押してもらえるのである。
神社に参拝するのとは違い、
「二礼、二拍手、一礼」で済むようなものではなく、
「開経偈(かいきょうげ)」と呼ばれる文言の詠唱から始まり、
「懺悔文」、「三帰」、「三竟」、「十善戒」、「発菩提心真言」、
「三摩耶戒真言」と次々に詠唱し、
ようやく有名な「般若心経」を詠唱する。
もちろん、その後も「御本尊真言」、「十三仏真言」、
「光明真言」、「御宝号」、「回向」を詠唱するのである。
はっきり言ってしまえば、真言宗である我が家で、
お彼岸に坊さんがやってくれることを、全てやるのと同じである。
ひととおりやるには30分近くかかるし、
それを1つ1つの札所でやっていかないといけない。
さらにホームページで調べてみた限りでは、
巡礼するためには、専用の白衣、金剛杖、数珠、袈裟、
納経帳などを用意して、参拝してくださいとある。
それらの準備だけでも、ひと手間もふた手間もかかりそうである。
決して、気軽なスタンプラリーではないのである。

その辺のことをどうするのか?と、メールで聞き返してみると、
「いや、巡礼とかせずに、観光をかねて
 寺を順番に回ってみるだけだから」と返ってきた。
なるほど、それならあまり、肩肘張って考えることは無いようだ。
調べてみると、第1番の札所となっている「霊山寺」、
第2番札所「極楽寺」、第3番札所「金泉寺」は、
4~5kmの範囲内に収まっている。
どこかに車を停めて、それらの札所を歩いて回り、
少々「お遍路さん」気分を味わってみよう、というものらしい。
真面目に巡礼している人が多い中、
そんな物見遊山気分で歩いても、大丈夫なものかと思ったが、
まあ、それも実際に現場に行って、見てみなければわからない。
結局、四国行きを了承して、その旨をメールで送っておいた。

翌朝、午前8時少し前に、友人が車でやってきた。
カーナビを操作して、第1番札所「霊山寺」をセットする。
たちまちそこに至るルートを検索して、画面に表示してくれる。
「霊山寺」は、徳島県鳴門市にあり、
そこに向かうためには、たつのから東へ向かい、
明石大橋を渡って、そのまま淡路島を縦断、
鳴門大橋を渡って四国に入ることになる。
距離にしてみれば、100kmもないくらいなので、
意外に早く、現地に着くことが出来るようだ。

たつの市の我が家を出て、
そのままノンストップで鳴門市まで車を走らせた。
高松自動車道鳴門ICを降りて、10分も走ると「霊山寺」につく。
それほど大きな寺ではないようだ。
ここの寺の駐車場に車を停めたまま、第2番札所、
第3番札所を回ると、後から来た人たちが車を停めれず、
迷惑するかも知れない。
よくよく調べてみると、近くに道の駅「第九の里」がある。
……。
思わず、なんだ、そのネーミングは!と突っ込んでしまったが、
どうもこの、徳島県鳴門市と言うのは、
第1次世界大戦時のドイツ人捕虜収容所があった所らしく、
そういった経緯から、アジアで1番初めにベートーベンの「第九」が、
演奏された土地であるらしい。
そのため、やたらドイツ推しな所があり、
道の駅の名前も「第九の里」というものになったらしい。
木造の建物自体がどことなく洋風(ドイツ風?)だし、
すぐ隣には「ドイツ館」という資料館も建てられている。
(ちなみに「賀川豊彦記念館」というのも、
 道の駅「第九の里」を挟み込むようにして、建てられている)

ここには広大な駐車場があるので、
とりあえず、ここに車を停めて、
第1番札所の「霊山寺」まで歩いていき、
そのまま、2番札所、3番札所を歩いて回ろうということになった。

だが、この道の駅「第九の里」という、
ミョーな道の駅は、そのまま放っておくには惜しい珍しさだ。
駐車場の隅っこに車を停めると、
そのまま道の駅の建物の中に入っていった。
道の駅「第九の里」は、道の駅としては決して大きなものではなく、
横に建てられている「ドイツ館」と比べてみると、
その豪壮さとの対比から、まるで物置小屋のようにしか見えない。
中に並べられているのは、当然、鳴門の名産品になるのだが、
それと一緒にソーセージや、ライ麦を使ったパンなど、
ドイツの食品なども並んでいる。
道の駅の中には、地元の食品を食べることの出来る
喫茶コーナーがあるのだが、そこには日本では珍しい
「カリーブルスト」もメニューの中に加えられていた。
地元の名産品としては、鳴門の海産物としての「ワカメ」や、
サツマイモ「鳴門金時」を使ったお菓子などがあった。

ひととおり道の駅を見て回った後、
となりにある「ドイツ館」の方も見に行ってみたのだが、
こちらの方は、建物自体がかなり大きく、
普通に見学していては、時間をロスしてしまいそうだったので、
そのまま中に入らずに、第1札所である「霊山寺」へと向かった。

さて、次回は四国八十八霊場の第1、
「霊山寺」からのスタートである。

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