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チェチェコリ

更新日:

先日、TVを見ていたらCMで懐かしいフレーズが流れていた。
それがこれである。

『チェッチェッコリ、チェッコリッサ〜』

正式には、どういうタイトルの曲になるのかは知らないが、
「チェッチェッコリ、チェッコリッサ〜」と、
独特のリズム感で、歌い上げている。
もちろん、歌詞の意味は全く分からない。
日本語ではないし、英語でもあり得ない。
では、どこの国の言葉かと聞かれても、
それもさっぱりわからない。

この歌を初めて聞いたのは、確か小学生のころだったと思う。
今から30年以上、前の話になる。
そこまで古いことなのに、
しっかりとフレーズを覚えているのは、
他のどんな曲とも違う、不思議なフレーズであったからだ。
さらに全く意味不明な歌詞が、記憶に残る。
周りの友人が口ずさむこともあったのだが、
誰に聞いてみても、その意味については
「わからない」という答えしか返ってこなかった。
ただ、このフレーズの出所はTVであったようで、
言葉の意味は分からないながらも、
TVでやっているので、それをマネしたというものであった。
しかし、自分が見ていた範囲のTV番組では
このフレーズを耳にすることはなかったため、
TV番組の中でも、ごく一部の番組でのみ
取り上げられていたらしい。

ものすごく流行った、というわけでもなく、
ちょろっと流行った後は、あっという間に忘れ去られてしまった。
以降は自分の記憶の中に蘇ってくるでもなく、
完全に忘れ去っていたのだが、
今回のTVCMで、それが蘇ってきたことになる。
小学生当時は、あのフレーズが一体、何であったのか、
それを調べる術を持たなかったが、
あれから30年、インターネットも普及して、
調べものをするには、まことに適した状況となった。
今こそ、あの謎の曲を調べるときと、
勇んでパソコンに向かい合ったのであった。

しかし、いきなり詰まってしまった。
よくよく考えてみれば、自分はあの「歌」の
作詞家、作曲家はおろか、タイトル名も知らないのである。
さすがに、インターネットで検索をかけるにしても、
何も分からないものを、調べることは出来ない。
唯一の手がかりと言えば、
「チェッチェッコリ、チェッコリッサ〜」という、
あのフレーズだけである。
まことに頼りない話だが、検索ワードに
「チェッチェッコリ」と入力し、検索をかけてみた。
するとどうだろう。
「チェッチェッコリ」と、意味も分からない
ひとフレーズを入力しただけなのに、
しっかりと「あの曲」についての情報が、
画面に表示されているではないか。
まことにインターネットとは、頼りになるものである。
出てきた情報を調べてみた結果、様々な事実が明らかになった。

まず曲のタイトルであるが、これはそのまんま
「チェッチェッコリ」であった。
中には「チェチェコリ」としてあるものもある。
アルファベットで「che che kule」となっているものあるし、
「kye kye kule」となっているものもある。
アフリカはガーナに伝わっている民謡で、子供の遊び歌だという。
ある程度の人数で輪を作り、
中心に立つリーダーに続いて、こだまのように歌う
いわゆる「エコーソング」であるらしい。
「エコーソング」とは、「森のクマさん」や
「静かな湖畔」の輪唱のような、タイミングをずらし、
同じ歌を歌うタイプの、歌のことである。
歌詞についても書かれていたので、
それをちょっと書き出してみよう。

「チェッチェッコリ チェッコリッサ
 リサンサマンガン サンサマンガン
 ホンマンチェッチェッ」

たったこれだけである。
2番、3番といったものもなく、
この5節だけで出来上がっている。
まるで日本の和歌である。
で、肝心の「歌詞の意味」であるが、これがない。
まさか、と思われるだろうが、ここで歌われている言葉には
明確な意味は存在していない。
「チェッチェッコリ〜」というのは、
一種のかけ声のようなもので、日本語で言えば
「せっせっせの、よいよいよい〜」のようなものである。
では、どうしてガーナという遠い国の、
特に重要な意味もない、この歌が日本にまで伝わったのか?

実はこの歌、ガーナから日本に伝わっただけではなく、
世界中に伝わっている。
そのきっかけとなったのが、1957年に行なわれた
ガールスカウトの世界大会である。
このときに、日本のガールスカウトによって
日本へと持ち帰られた。
つまり「チェチェコリ」は、自分が子供のころに
日本に入ってきたのではなく、
さらにそれより30年ほど昔に、
すでに日本に伝わっていたのだ。
自分が子供のころのブームが、
ちょろっとしか流行らなかったのは、
それがすでに、何度目かのブームだったせいかも知れない。

この「チェチェコリ」について、さらに良く調べてみると、
奇妙な情報に行き当たった。
この「チェチェコリ」が、小学校などの運動会の、
「玉入れ」の際に使われている、というものである。
……。
しかし、いくら思い返してみても、自分が小学校のとき、
「玉入れ」のときに「チェチェコリ」が使われていたという
記憶がない。
自分が忘れているだけなのか?
大体、「玉入れ」と「チェチェコリ」と、
どういう関係があるというのか?

そう思ってさらに調べてみると、ある動画サイトに
「チェチェコリ」の歌に合わせて、「玉入れ」をしている
運動会の動画を見つけてしまった。
これによると、まず、カゴの周りに大きな円が描かれ、
子供たちはそのライン上に待機している。
やがて「チェチェコリ」の曲がかかり、
どういう訳か、子供たちは曲に合わせてダンスを始める。
歌の部分が終わり、間奏に入ると子供たちは円の中に入り、
玉入れを開始、間奏が終わり再び歌が始まると、
慌ててライン上に戻り、腰を振ってダンスを始める。
これを曲が終わるまで繰り返し、
最終的にたくさん「玉」を入れた方の勝ちとなる。
ダンスの出来の善し悪しは、得点には一切関係がない。
……。
こんな「玉入れ」をさせられていたら、
記憶に残っていないわけがない。
と、いうことは、少なくとも自分の母校である
揖西西小学校の「玉入れ」では、「チェチェコリ」は
使われていなかったということである。

ネット上の意見を調べてみると、
「玉入れ」の際に、
「チェチェコリ」がかかっていたという意見は多い。
ということは、この曲は戦後、日本に持ち込まれて以来、
一部の小学校の、運動会の「玉入れ」のミュージックとして、
根強く生き残ってきた、ということのようだ。

はるかアフリカのガーナからやってきた、
何の意味も持たない、子供の遊び歌。
この奇妙な歌は、これからも一部の小学校の
「玉入れ」のミュージックとして、
使われ続けていくに違いない。

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