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雑感、考察

デザインマンホール

投稿日:

By: ume-y

最近、マンホールのフタが、かなり多彩になっている。

別段、星形のマンホールが出来たとか、
六角形のマンホールが出来たという話ではない。
形は丸いままである。
ただ、そのマンホールのフタに、
様々な模様が入っているのだ。
中には、着色されたマンホールのフタもある。
いわゆる、「デザインマンホール」である。

自分の住んでいる兵庫県たつの市のマンホールは、
デザインが複数、存在している。
これはデザインマンホールが、
作られ始めた時期に関係している。

実は、デザインマンホールが作られ始めたのは意外に古く、
昭和30年代のことである。
このころに、大阪市や神戸市が、
それぞれ、独自のマンホールを使い始めた。
昭和60年代になると、
建設省公共下水道課が、下水道事業のイメージアップと、
市民へのアピールのために、
各市町村が独自のデザインのマンホールをつくることを、
提唱した。
翌年の昭和61年、「下水道マンホールフタデザイン20選」
が選出され、その後も同様のものが選ばれるようになり、
以降、全国の自治体は、競うようにマンホールのフタを、
デザイン化していった。

その後、「平成の大合併」において、
多くの市町村が合併することになり、
ひとつの町に、複数のデザインマンホール、
ということが起きるようになった。

たつの市でも、龍野市のマンホール、
揖保川町のマンホール、御津町のマンホールと、
少なくとも3種類のデザインマンホールが存在している。
ここで、「少なくとも」という言葉をつけたのは、
もともとひとつの自治体の中で、
複数のデザインマンホールを持つ自治体があったからだ。
例えば、上水道と下水道でデザインを変えたり、
車道と歩道でデザインを変えることもあった。
もっと露骨に、観光客の訪れる場所に、
わざわざそのためにデザインしたマンホールを、
設置することもあった。

たつの市の場合、それほどデザインを増やすことはなく、
龍野市は「赤とんぼ」をデザインしたもの、
揖保川町は「サルビアとキンモクセイ」のデザイン、
御津町は「波と梅と山桃」がデザインされている。
ん?新宮町はどうなった?と思われるだろうが、
新宮町の場合は、中央に町の紋章の入った、
亀甲模様のデザインになっており、
特に町をアピールするようなデザインは、採用されていない。
旧新宮町の役場の人達は、堅物だったのかもしれない。

たつの市の周辺へと目を向けてみると、
相生市の「ペーロン祭り」、
赤穂市の「桜と陣太鼓」、
上郡町の「円心くんとエイトちゃん」、
佐用町の「星とユリとイチョウ」、
宍粟市の「さつきと鮎」、
太子町の「ひまわり」、
姫路市の「さぎ草」など、
市町村ごとによって、それぞれのデザインがある。
こうして並べて見る限りでは、
市の花などをモチーフにしているものが、
やはり多いようである。
上郡町の「円心くんとエイトちゃん」は、
上郡町のゆるキャラ、赤松円心をモデルにした円心くんと、
スプリング8のイメージキャラクター、エイトちゃんだ。
どちらも、かなりマイナーなキャラクターなので、
観光客が見ても「?」となるだろう。

日本全国に目を向けると、
さらに珍しいデザインマンホールもある。

島根県安来市は「どじょうすくい」である。
ホッカムリをしたおっちゃんが、珍妙なポーズをとっている。

大阪府松原市は「松と薔薇」だ。
「まつとばら」→「まつばら」ということらしい。
つまりはただのシャレである。
これが市議会で認められたというのが、恐ろしい。

同じように岐阜県下呂市は「カエル」だ。
もちろん、カエルが「ゲロゲロ」と鳴くから、
「ゲロ」→「下呂」ということらしい。
他に何もなかったんかい、と突っ込みたくなる。

スポーツ関連では、広島市の「カープ坊や」、
横浜市の「マリノス君」などがある。
どちらも、地元への密着ぶりが伺える。

福井県の勝山市、北海道の中川町、
同じく北海道の三笠市では「恐竜」が、
モチーフになっている。
それぞれ化石が発掘されているためだ。
三笠市のマンホールに描かれている恐竜は、
ティラノサウルスに似た肉食恐竜だが、
一昔前の恐竜図鑑のように、直立している。

オタク受けしそうなのが、
鳥取県北栄町の「名探偵コナン」、
鳥取県境港市の「ゲゲゲの鬼太郎」、
宮城県石巻市の「ロボコン」、
高知県香美市の「アンパンマン」だ。
どれも作者の出身地である。
それぞれの町に、作者の記念館や、
ミュージアムなどがあるので、訪れる人も多いだろう。
しかし、その町のマンホールに気がついた人は、
どれくらいいるだろう?

日本全国には、実に3000以上のデザインマンホールが、
存在している。
マンホールを見れば、
その町が、どういう特徴のある町なのか、
推し量ることが出来る。

どこにでもある道路の上の丸いフタだが、
そこには自治体の、
ささやかな自己主張が見て取れるのである。

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