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アメノウズメ

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世界が闇に包まれる、というのは、わりと良く聞く話である。

もちろん夜になったとか、そういう話ではなく、

フィクションの世界の話である。

様々な要因で、世界は闇に包まれる。

光を奪われた人々は絶望し、悲嘆にくれる。

そういう時、ヒーローが現れて、颯爽と光を取り戻す。

勇者ロトは、大魔王ゾーマを倒して、世界に光を取り戻した。

ウルトラマンティガは、世界の子供達の祈りを受け、

グリッターティガへと変身し、邪神ガタノゾーアを倒し、世界の闇を払った。

ウルトラマンタロウは、ウルトラベルの力を借りて、

地球を覆う怪獣ムルロアの黒煙を取払い、光を取り戻した。

いうなれば、どれも一種の英雄単だ。

英雄が万難を排し、世界に光を取り戻す。

どことなく、神話やお伽噺っぽくもある。

そう。

世界に光を取り戻すものは、かっこいい英雄でなくてはならない。

今回は、世界の闇を払い、光を取り戻した、1人の女神の話である。

その名を「アメノウズメ」という。

アメノウズメは、日本神話に登場する女神である。

「古事記」や「日本書紀」にその名が見られる。

アメノウズメが登場するのは、天照大神の岩戸隠れの段である。

太陽神・天照大神が、弟のスサノオの乱暴狼藉に耐えかねて、

天岩戸に隠れてしまう。

現在でいう所の、引きこもりだ。

問題なのは、天照大神は太陽神なので、彼女が天岩戸の中に引きこもってしまうと

世界が闇に包まれてしまうことだ。

一計を案じたオモイカネは、岩戸の前である儀式を行う。

それこそが、アメノウズメによる踊りであった。

結果として、天照大神は岩戸の中から引き出され、世界に再び光が蘇る。

アメノウズメは、自らの踊りひとつで、世界の闇を払ったのだ。

こういう風に書くと、いかにもアメノウズメの踊りが、

神秘的な力を持っているように感じられる。

しかし神話を読み込んでみると、決してそんなことはない。

一体アメノウズメがどのように踊り、どういう経緯を経て、

天照大神を引き出せたのか?

そこの所の記述を見てみよう。

「うけふせて、踏み轟こし、神懸かりして胸乳かきいで、

 裳緒を陰に押し垂れき」

わかりやすくいえば、桶を伏せて、その上に乗り、

胸をかき出し、裳の緒を女陰(ほと)から垂らして踊ったわけである。

単純にいえば裸踊りだ。

女性がやっているので、ストリップダンスとでもいえばいいだろうか?

このエロい踊りを、天岩戸の前でやったのである。

神懸かり、とあることから、一種のトランス状態であったのだろう。

これを見て、集まっていた八百万の神々は笑い転げた。

そのスタイルで踊って、観客が笑い転げたというのだから、

よほど滑稽な踊りだったのだろう。

普通、そんな格好で踊られると、ドン引きしてしまって、笑うことなどできない。

それとも八百万の神々は、エロとギャグに弱かったのだろうか?

その笑い声を聞いて、岩戸の中に隠れていた天照大神が、戸を少し開けた。

なにがあったのか?と天照大神が聞くと、

「あなたより尊い神が生まれたのです」

と答え、岩戸の外に鏡をおいた。

この時に使われた鏡が、三種の神器のひとつ「八尺の鏡」である。

この鏡に映っているのが、その「尊い神」だと思った天照大神は、

その姿をもっと良く見るべく、さらに身を乗り出す。

その瞬間、天照大神はアメノタジカラオに腕をつかまれ、

岩戸の中から引き出されてしまう。

かくして太陽神・天照大神を取り戻した世界には、再び光が溢れた。

この神話の中で、もっとも活躍しているのが、アメノウズメであろう。

集まった八百万の神を笑い転げさせ、天岩戸を開かせたのだ。

勇者ロトやウルトラマン達が、懸命に成し遂げた偉業を、

エロくて笑える踊りひとつで、成し遂げたのだ。

この後、アメノウズメはニニギの天孫降臨の際に、それに随行する。

その途中、道にいかつい神が立っていた。

そのいかつい姿に恐れをなした他の神々は、その神の正体を探るのに

アメノウズメを派遣する。

彼女はその立っている神の所まで行き、名前と立っていた目的を聞く。

そこに立っていたのはサルタヒコであり、ニニギの天孫降臨を聞きつけ、

その道案内をするべく、立っていたのである。

ここでは、アメノウズメの度胸の良さが現れている。

どこでも、誰とでも、物怖じせずに話せるアメノウズメは、

日本神話の中では珍しい存在である。

この後、アメノウズメとサルタヒコは夫婦になっている。

彼女は目の前に迫った数々のピンチを、いつもサクッと解決する。

それも一切の武力もなく、そして女の武器である「美しさ」も無くである。

持ち前の、物怖じしない性格でどんなものにもぶつかっていき、

そして驚くほどあっさりと、相手と打ち解けている。

いうなれば、彼女の武器は、一種の「人間力」である。

アメノウズメは、この岩戸隠れのエピソードのため「芸術の神」とされ、

現在には、「おかめ」や「おたふく」という姿で伝わっている。

いわゆる、お笑いキャラとして定着している「おかめ」や「おたふく」であるが、

彼女はかつて、世界を闇の中から救い出した、英雄神だったのである。

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