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怪獣王のライバルたち〜その1

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物語の主人公には「ライバル」がつきものである。

星飛雄馬には、花形満というライバルがいるし、
ケンシロウには、ラオウというライバルがいる。
アムロ・レイには、シャア・アズナブルというライバルがいるし、
ルパン3世には、銭形警部というライバルがいる。
孫悟空には、ベジータというライバルがいるし、
仮面ライダーBlackには、シャドームーンというライバルがいる。

国語辞典で「ライバル」という言葉を引いてみると、

ライバル……力がほとんど同じくらいの競争相手。
      敵。

とある。
なるほど、上に挙げたライバルたちを見てみると、
そのほとんどがこの例に当て嵌まっている。

物語において、主人公と同等か、それ以上の力を持つ
「ライバル」の存在というのは、ストーリーを盛り上げるために
欠かせない要素である。
強大な力を持って、主人公の前に立ちはだかる大きな壁。
「ライバル」と呼ばれるキャラクターたちは、
主人公たちと熾烈な戦いを繰り広げ、ときに勝ち、
ときに負けることによって、ストーリーを大いに盛り上げてくれる。
そして、この「ライバル」キャラクターというのは
他のキャラクターと違い、主人公と複数回戦うのが普通だ。
同じキャラクターと再戦、再々戦と重ねることによって、
初見の敵と戦うことでは表現できない、
お互いの手を読みつくした者同士の、高度な駆け引きを描けるのである。

さて、日本が誇る怪獣王・ゴジラにも「ライバル」がいる。
そして大方の場合、「ライバル」と呼べるキャラクターは
1人しかいないものだが、この怪獣王には、
「ライバル」が複数存在している。
さすが怪獣王といわねばなるまい。
今回は、そんな怪獣王の「ライバル」たちについて、見ていきたいと思う。

まず、最初に取り上げるライバル怪獣は、アンギラスだ。
え?アンギラスって「ライバル」だったの?
ゴジラの腰巾着じゃなかったの?という声が聞こえてきそうだが、
実はこのアンギラスこそ、ゴジラと一番最初に戦った怪獣なのである。
初出はゴジラ映画第2作目となる「ゴジラの逆襲」。
作中にてゴジラと死闘を繰り広げ、あわれ、命を落としている。
これ以降は、完全にゴジラの仲間怪獣としての立場を貫いて来たが、
「ゴジラファイナルウォーズ」にて、再びゴジラと敵対したため、
一応、今回は「ライバル」として取り上げることにした。
実際にゴジラと戦ったのはこの2作品だけで、
他の作品では、卑屈なまでにゴジラに追従する腰巾着と化している。
そういうスタンスのためか、意外と出演回数は多い。
「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」では、ゴジラとタッグを組んで
ガイガン&キングギドラを迎え撃っている。
ただ、ゴジラ、ガイガン、キングギドラと並ぶと、
どうしてもアンギラスは一段見劣りしてしまう。
ゴジラがガイガンと戦っている時は、アンギラスはキングギドラと、
ゴジラがキングギドラと戦っている時は、アンギラスはガイガンと
戦わなければいけないわけだが、正直、どちらの戦いも
アンギラスには荷が重いといわざるを得ない。

昭和シリーズでは、その初登場時こそ「ライバル」であったものの
以降は完全にゴジラの味方、というか手下のポジションであり、
平成シリーズでは完全に無視されていた。
このまま完全に忘れ去られてしまうのか?と思っていた所、
なんとミレニアムシリーズの最終作、「ファイナルウォーズ」にて
その他大勢の怪獣と共に奇跡の復活。
しかも、宇宙人に操られてゴジラを襲うという
堂々の「ライバル」ポジションでの復活である。
それなりの見せ場が用意されるのか?と思いきや、
キングシーサー他、3体まとめてゴジラに瞬殺され、
立場的には「ライバル」というより、完全に噛ませ犬である。
怪獣王の最初の「ライバル」という美味しい位置にいながら、
それを全く活かすことの出来なかった、残念な怪獣である。
(実は、ミレニアムシリーズ第3作の
 「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 怪獣総攻撃」の初期案では
 護国聖獣のリーダー格としてアンギラスが設定されていた。
 もし、この初期案が通っていれば、「ゴジラの逆襲」以降、久しぶりに
 ゴジラ対アンギラスの決戦が描かれていたかも知れない)

次に取り上げるのは、ゴジラを模したロボット兵器・メカゴジラだ。
初登場は「ゴジラ対メカゴジラ」。
続く「メカゴジラの逆襲」でもライバル怪獣として登場し、ゴジラと戦った。
ただ、この2作品は昭和シリーズ最後の2作品であり、
メカゴジラは、シリーズの人気低迷期に起死回生を狙って投入された
期待の「ライバル」であったのだが、
残念ながらシリーズの人気回復までは至らず、
昭和シリーズは、このメカゴジラ2作を持って終了してしまった。
ただ、その後の平成シリーズ、ミレニアムシリーズにおいても
メカゴジラは「ライバル」として採用されていることから、
メカゴジラというキャラクター自体の人気は、決して低いものではない。
昭和シリーズでは、2作とも地球侵略を狙う宇宙人によって作られた
悪のロボット兵器という立ち位置であったが、
平成シリーズでは、メカキングギドラを参考にして人類が作り上げた
対ゴジラ用のスーパーロボット兵器という、いわば正義側であり、
この設定は、ミレニアムシリーズのメカゴジラ作品2本でも、
同様であった。

ゴジラを超えるのは、あくまでもゴジラという発想の元、
生み出されたのがメカゴジラという「ライバル」なのであるが、
改めて冷静に考えてみると、ゴジラに対抗するロボットを作るにしても
わざわざこれをゴジラに似せて作る意味はないように思える。
これをゴジラに似せて作るには、
何らかの理由づけが必要になってくるのだが、
昭和シリーズの「ゴジラ対メカゴジラ」では、最初、
メカゴジラはゴジラとそっくりな外皮を身につけており、
あくまでもゴジラのふりをして地球を侵略しようとした。
恐らくは、ゴジラと人類に信頼関係(?)があるのを見て取り、
そこを逆手に取った心理作戦だったのだろうが、
結局は、本物のゴジラとの戦いで外皮は剥がれて、
あの金属ボディのメカゴジラになった。
続く「メカゴジラの逆襲」では、そのメカゴジラを改修したという設定なので、
これはそのままのデザインで続投させるしかない。
ミレニアムシリーズのメカゴジラ(機龍)は、
そのメインフレームに、海中から引き上げた初代ゴジラの骨を使っている。
どういう発想でそんなものをメインフレームにしようと
思い至ったのか謎だが、メインフレームがゴジラの骨では、
完成形がゴジラに似ていても、不思議ではない。
しかし、平成シリーズのメカゴジラだけ、この点が明確でない。
未来技術の塊であるメカキングギドラを分析して出来上がったものが、
どうしてメカゴジラなのか?

ともあれ、このメカゴジラの戦績はそれほど悪くはない。
昭和シリーズのそれは、善戦しながらも敗退することが多かったが、
それ以外のシリーズだと、明確な勝ちこそないものの、
毎回、なんとか痛み分け程度には持ち込めており、
「防衛」という観点からすると、一定の成果を挙げている。
メインフレームにゴジラの骨を使っている機龍はともかく、
昭和・平成シリーズのメカゴジラの場合、量産も可能だと思われるので、
もしこれが量産の暁には、ゴジラ打倒も不可能ではあるまい。

次回は、ゴジラに対して高い勝率を誇る、
あの「ライバル」について取り上げてみる。

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