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特撮、テレビ

特捜ロボジャンパーソン〜その3

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By: zynke

前回、前々回と「特捜ロボジャンパーソン」を
取り上げてきた。
今回は、物語終盤におけるジャンパーソンと
悪の組織との戦いを書いていく。

物語後半、というにはちょっと早いが、
中盤をやや過ぎた辺りに、
敵組織のひとつに大きな動きがあった。
帯刀コンツェルンの帯刀龍三郎がジャンパーソン、
つまり「MXーA1」を作り出した
プロジェクトメンバーの1人に、自らの身体を改造させ、
バイオボーグ・ビルゴルディとして
生まれ変わったのである。
前々回の記事では、この帯刀龍三郎を
「変態」と言い切ったが、
実際、ここでビルゴルディに改造されるまでの帯刀龍三郎は、
秘書に服を着せてもらったり、だだをこねたり、
ペロペロキャンディを常に舐めているなど、
いかつい顔からは想像もできないほどの幼児性を持った、
アブないキャラクターであった。
(もちろん、これは公的な場所でのことではなく、
 社長室など秘書以外の目が無い場所でのことに限られる。
 公的な場所では、龍三郎は大人の常識人としての姿を
 保っていた)
だが、ジャンパーソンとの戦いで、
自身がもっとも信頼を寄せていた秘書・セーラが戦死し、
だんだんと性格が変わりはじめる。
性格の無邪気な面は見られなくなり、
冷酷なキャラクターへと変貌を遂げていったのだ。
性格からアブナい部分が無くなってしまった龍三郎。
その果てでの、自身の改造であった。

ビルゴルディへと改造された龍三郎は、
いわば、ジャンパーソン2とでも、いっていい性能で、
ジャンパーソン、ガンギブソンの2人と
互角以上に戦うことが出来た。
これ以降、初めてジャンパーソンと互角以上に
戦うことの出来るキャラクターが、登場することになる。

さらに綾小路麗子率いる
スーパーサイエンスネットワークは、
最終作戦として、綾小路麗子自身を
最強のバイオモンスターへと改造した。
地球環境の劣悪さに絶望し、
「人間は地球環境の敵」という
急進的な考えを持った麗子は、
人間を肥料にしてしまう恐怖のバイオモンスター、
「超獣神」へと自らを改造する。
そして、全人類肥料化作戦を遂行する「超獣神」と、
ジャンパーソンの戦いが、
物語終盤の口火を切ったのである。

最強のバイオモンスター「超獣神」と化した麗子は、
人間を肥料化する能力とワープ装置を併用し、
ジャンパーソンを追いつめる。
だが、駆けつけたガンギブソンに
救出されたジャンパーソンは、
すぐさまワープ装置を破壊、
ワープすることの出来なくなった「超獣神」は、
ジャンパーソンにかなわず、倒されてしまう。
(まあ、人間を肥料化する能力は、
 ロボットであるジャンパーソンには通じないし…)
死の間際、人間の姿に戻った麗子は、
地球への哀切を語りつつ絶命した。

次に、ジャンパーソンへ最終決戦を仕掛けたのは、
ジョージ真壁率いる「ネオギルド」だった。

手下のロボットを社会に潜入させ、
人間とロボットの対立を煽り、
全面戦争を起こさせようとしていた真壁。
ロボットに人間を支配させ、
さらに「ネオギルド」の首領である真壁自身が、
ロボットを支配するという、
ややこしい作戦を実行に移す。
だが、そこに現れるジャンパーソンたち。
手下の暗殺ロボットを、ジャンパーソンと戦わせるが、
もちろん全く通用せず、手下は全滅。
逃げ出す真壁だが、そこで驚愕の事実が判明する。
それまで、自身を最強のロボットと
称していたジョージ真壁は、実はただの人間であった。
かおるの調査によって真壁の過去は暴かれ、
激情した真壁はジャンパーソンに襲いかかるが、
当然、人間の攻撃など通用しない。
心身ともにボロボロになった真壁は、
基地とともに自爆して
ジャンパーソンを道連れにしようとするが、
あっさりと逃げられ、ここに「ネオギルド」は壊滅する。

スーパーサイエンスネットワークに続いて、
最終作戦を仕掛けたネオギルドだったが、
結果としては、かなりしょぼい最期になってしまった。
そして最大の宿敵・ビルゴルディによる最終作戦が始まる。

ビルゴルディの用意した最終作戦。
それは衛星放送を使ったハイパーサブリミナルによって、
世界中の人間を洗脳、
世界同時クーデター起こすというものだった。
裏切り者を装い、帯刀龍三郎に近づいたかおるによって、
ビルゴルディの正体と、その作戦を知るジャンパーソン。
ジャンパーソンはビルゴルディに戦いを挑むが、
自分と同等以上の力を持つ相手に苦戦し、
相棒のガンギブソンも炎の中に消える。
そしてついに、ジャンパーソンも捕えられ、
ビルゴルディの猛攻撃によって、
その機能を停止してしまう。
勝利を確信し、その場を去るビルゴルディ。

ジャンパーソンは死んだ。(ロボットだけど)
その事実に絶望し、彼の後を追おうとするかおる。
が、その直前、
「エネルギー充填完了」
の表示とともに復活するジャンパーソン。
なんのことはない。
ジャンパーソンが倒れたのは、破壊されたからではなく、
ただエネルギーが不足していただけだったのだ。
そしてジャンパーソンは告げる。
「ビルゴルディを倒すには、今の自分自身を捨て、
 MXーA1に戻るしかない」
逡巡するかおるを説得し、リミッターをカットし、
かつての戦闘マシンに戻ったジャンパーソンは、
ビルゴルディに戦いを挑み、
壮絶な戦いの末、これを撃破する。
だが、戦いが終わった後、
なぜかジャンパーソンは「MXーA1」から、
いつもの「ジャンパーソン」に戻っていた。
彼は、自分の「意思」で、自分自身を掴み直したのだ。

こうして、ジャンパーソンの戦いは終わった。
全く正体のわからなかった序盤、
ようやくヒーローらしくなってきた中盤、
そして悪の組織との最終決戦をむかえた終盤。
全編において、ジャンパーソンは
ほぼ無敵に近い状態であった。
というのも、ビルゴルディとの戦い以外、
ほとんどダメージを受けていないのである。
まさに「戦闘マシン」という言葉を、
そのまま体現したような主人公であった。

この番組のテーマとして、
「人間とロボットとの関係」があった。
そのため、ロボットの主人公であるジャンパーソンは、
必要以上にロボットとしての性格を与えられ、
「機械的」な性格になった。
そして、それに対する反動として、
やたらに「人間的」な性格のロボット、
ガンギブソンが相棒になった。
作中には「ロボットとは?」、
「ロボットと人間の関係はどうあるべきなのか?」
という問題を考えさせるようなエピソードも多かった。
やはり作品の底に流れるテーマが、
「人間とロボット」だったからこそであろう。

現在、ロボット開発技術は
凄まじい勢いで進歩している。
このまま進歩していけば、
いずれはこの作品のような、人間とロボットが
共に生活しているような社会になるかもしれない。

そのときには、ジャンパーソンのような、
強烈なロボットも生まれてくるのだろうか。

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