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特撮、テレビ

流星人間ゾーン

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自分が生まれて初めて見た「ゴジラ」映画は、
「ゴジラ(1984)」である。

これは前作「メカゴジラの逆襲」から、
実に9年間の時を越えて復活した「ゴジラ」シリーズで、
第1作目「ゴジラ」の後の作品、
「ゴジラの逆襲」から
「メカゴジラの逆襲」までのシリーズを
なかったことにして、再スタートした新シリーズである。
アンギラスなどのライバル怪獣、
ミニラという名の、不細工な息子、
時代の流れに沿って、思わずやってしまったシェー、
口からの放射熱線で空を飛んだ、
などという諸々が、全て無かったことにされたのである。
なかなか壮絶な、シリーズリセットであった。

特撮・怪獣映画に詳しくない一般の人は、
「ゴジラ」といえば、劇場映画と思い込んでいる。
実は「ゴジラ」には、TVシリーズへの出演経験もある。
え?本当に?と思われるだろう。
少なくとも、ゴジラの着ぐるみについては、
映画の撮影が終わった後、
「ウルトラQ」と「ウルトラマン」に、
出演しているのである。
「ウルトラQ」では、第1話「ゴメスを倒せ」に出てきた
ゴメスとして、ゴジラの着ぐるみが改造されている。
角がつき、各部パーツにアレンジが加えられているものの、
そこにゴジラの面影が残っている。
「ウルトラマン」では、
第10話「謎の恐竜基地」において、
エリマキ怪獣・ジラースとして、
エリマキトカゲのような、エリを付けた姿で出演した。
エリを付けている以外は、やや着色されているものの
ゴジラそのままのフォルムでの出演であった。
(途中、ウルトラマンにエリをもぎ取られ、
 まんまゴジラの姿になってしまう)
名前も「ジラース」と、
「ゴジラ」を意識したネーミングである。

なんだ、着ぐるみを流用したとか、
そういう話か…、なんて安心してはいけない。
「ゴジラ」が「ゴジラ」として出演する、
特撮ヒーロー番組が、ちゃんと存在しているのである。
それが「流星人間ゾーン」である。

「流星人間ゾーン」は、1973年に放映された。
これは、まだ劇場でのゴジラシリーズを
上映していたころのことである。
もちろんタイトルの通り、
主人公は流星人間ゾーン(ゾーンファイター)なのだが、
全26回の放映中、何回かゴジラがゲスト出演し、
ゾーンファイターと一緒に怪獣(この番組中では恐獣)と
戦うのである。
さらにゴジラだけでなく、キングギドラとガイガンも
敵怪獣(実際は恐獣と呼ばれていた)として、
出演し、ゾーンファイターと戦っている。
日本の特撮の元祖ともいえるゴジラを、
ゲストに迎えた「流星人間ゾーン」。
一体、どんな番組だったのか?
大まかにストーリを紹介してみよう。

平和な星・ピースランド星が、
ガロガバラン星人の攻撃を受けて壊滅した。
生き残ったピースランド星人は、
カプセルに乗り込み宇宙に脱出、流星人間となった。
そのカプセルのひとつが地球に漂着し、
中に乗っていたピースランド星人の一家は、
「防人家(さきもりけ)」を名乗り、
地球人に混じって新しい生活を始めた。
だが、ガロガバラン星人は
次の攻撃目標として地球を選択。
怪獣(番組内では恐獣)を送り込んでくる。
「防人家」の人々は、第2の故郷・地球をも守るため、
流星人間ゾーンとして、これを迎え撃つのである。

「防人家」の人々といっても、
実際にガロガバラン星人や、恐獣たちと戦うのは、
長男・光、長女・蛍、次男・明の3人だけである。
それぞれが、ゾーンファイター、ゾーンエンゼル、
ゾーンジュニアに変身して戦う。
え?じゃあ、毎回3対1で恐獣と戦っているの?
そういう風に思われてしまいそうだが、
この3人のうち、2段変身を使い巨大化できるのは
長男・光が変身するゾーンファイターだけである。
では、残りの2人は何と戦うのか?
実は、ガロガバラン星人というのは人間サイズ、
つまり等身大なのである。
ゾーンエンゼルとゾーンジュニアの2人は、
主にこのガロガバラン星人たちと
戦うことになるのである。

こういう風に見てみると、
かなり盛りだくさんな設定である。
恐獣という巨大な敵だけのみならず、
等身大のアクションも盛り込まれている。
さらに変身して戦うのが、ゾーンファイターだけでなく、
3人(しかも1人は女性)もいる。
さらにプラスαとして、ゴジラなど、
東宝劇場怪獣の客演。
これでもか、これでもかと詰め込まれた、
デラックスな設定の数々。
……しかし、これがいけなかった。

この「流星人間ゾーン」が放映された1973年は、
まさに第2次怪獣ブームのまっただ中。
様々な特撮ヒーロー番組が乱立し、
しのぎを削りあっていた。
特に1973年の春は、番組の終了、開始が多く、
実に18種類もの特撮ヒーロー番組が放映されていた。
その中には「仮面ライダーV3」や「ウルトラマンタロウ」
などの有名シリーズや、「快傑ライオン丸」、
「人造人間キカイダー」などの名作も多かった。
が、当然、このブームに乗り遅れてはなるものかと、
様々な粗製濫造の特撮ヒーロー番組も、
同時に放送されていたのだ。
まさに「特撮ヒーロー番組玉石混淆時代」であった。
この混沌とした時代の中、
その中から一歩でも抜きん出んとして、
盛りだくさんな要素を持ち込んで作られたのが、
「流星人間ゾーン」だったわけである。

しかし、盛りだくさんを狙った制作者の思惑は外れた。
特にゴジラやキングギドラなど、東宝スター怪獣の客演は、
返ってゾーンファイターを喰う結果になってしまった。
全くの新人が主演しているドラマに、
世界的な大スターが乗り込むようなものだ。
ゴジラ、キングギドラなど大スター怪獣と、
ゾーンファイターの間には、気の毒なくらい
「格」の違いがあった。
このアンバランスがよくなかったのか、
視聴率も低迷していき、やがて打ち切りの憂き目を見る。
かくしてゴジラのTVシリーズ出演が、
正史として語られることはなくなってしまった。
もし、この「流星人間ゾーン」が大ヒットしていた場合、
現在でも、ゴジラがテレビ画面の中で
活躍していたかもしれない。

この「流星人間ゾーン」、
現在ではDVDも発売されているが、
レンタルビデオ店では、ほとんど見かけることは無い。
この「流星人間ゾーン」もまた、
「ライオン丸」、「ズバット」などと同じように、
幻の特撮ヒーロー番組なのである。

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