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快傑ズバット〜その1

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日本に数あるヒーロー特撮番組の中で、
タイトルに「快傑」とつくものが、いくつかある。
以前に紹介した「快傑ライオン丸」もそのひとつだ。

この「快傑」というのは、「かいけつ」と呼び、
「快傑ライオン丸」の場合は、
「かいけつライオンまる」と呼ぶことになる。
国語辞典で「かいけつ」という言葉を探してみても、
「解決」しか載っていない。
パソコンで「かいけつ」と打ち込んで変換してみると、
「解決」の他に、「怪傑」が出てくる。
一瞬、おっ、出てきた、と思ってしまうが、
よく見てみると、「かい」の所が「怪」になっている。
この「怪傑」とは、
「非常に優れた力を持つ、不思議な人物」
という意味である。
自分が調べてみた限り、
この「怪傑」という言葉が最初に使われたのは、
アメリカの小説「怪傑ゾロ」が最初らしい。
もちろん、この小説のアメリカ名は
「The Mask of Zorro(ザ・マスク・オブ・ゾロ)」
なので、単純に直訳すれば、
「ゾロの仮面」あるいは「ゾロ仮面」とでもなるだろうか?
ということは、これを日本へと持ち込んだ際に、
「怪傑」という言葉が作られ、
これに当てられたということになる。

この「怪傑ゾロ」を調べてみると、
その表記は「怪傑ゾロ」であったり、
「快傑ゾロ」であったりと、一貫していない。
「怪傑」の部分は、日本で勝手につけられた部分なので、
原作をいくら調べてみても、どちらが正しいとは、
言い切れない。
「怪傑」にしても、「快傑」にしても、
「非常に優れた力を持つ、不思議な人物」
という意味として、問題ないようである。

日本の特撮界には、3人の「快傑」がいる。
1人目は、日本最初の「快傑」、ハリマオ、
2人目は、以前紹介した「快傑」、ライオン丸、
そして3人目が、今回紹介する「快傑」、ズバットである。

この「快傑ズバット」は、1977年、
全32回で放送された、特撮ヒーロー番組である。
主人公・早川健は、親友・飛鳥五郎を殺した犯人を探して、
日本中をさすらう私立探偵だ。
行く先々で、その町にはびこる悪党達を叩きのめし、
親友殺しの犯人の手がかりを探している。
……。
こういう風に書くと、
ごく普通の探偵ドラマのように聞こえてしまう。
特撮の入る余地などないんじゃないの?と。
しかし、一度でもこの番組を見てしまうと、
その認識が間違っていたことに気がつく。

1回のストーリーの大まかな展開としては、
こんな感じになる。

冒頭、どこかの町で善良な市民が、
悪党(やくざ者)に絡まれている。
そこに突然鳴り響く、ギターの音色。
悪党が驚いて周りを見回すと、
白いギターを弾きながら、
黒いテンガロンハットの男が現れる。
主人公・早川健である。
早川の登場にビビった悪党達は、
すぐに用心棒を呼ぶ。

早「お前さんは○○……」
用「ほう、俺を知っているのか」
早「有名ですからねえ、△△の用心棒・□□、
  ~~の達人。
  だが、その腕前は日本じゃあ、2番目だ」
用「なにっ!では1番は誰だっ!?」

早川、ヒュウ~と口笛を吹いた後、
人差し指を振りながらチッチッチッ、
怪しく笑いながら、自らを指差す。

用「なにぃ、貴様がぁ?
  いいだろう、では、俺と勝負しろ!」

ここで、それぞれの用心棒にあわせた得意技で勝負する。
まず、用心棒が自らの技を披露し、
続いて早川がそれを上回る技を披露する。
それを見た用心棒は、苦々しそうな顔をして撤退する。

と、いうようなのが冒頭部分である。
ほぼ全話において、このパターンは踏襲されている。
この用心棒との対決シーンは、この番組の最大の見所で、
この番組の一番楽しい所でもある。
この用心棒、最初のうちは、「早撃ちガンマン」だとか、
「居合い切りの達人」などという、
いかにもな用心棒が出てきていたのだが、
だんだんこれが、おかしくなってくる。
「ハスラー」、「釣り師」、「トランペット吹き」、
「ゴルファー」、「バーテン」、「コック」……。
これら全てが用心棒である。
早川はこれら全ての達人と勝負して、
その全てに勝利したのである。
(と、いってもトランペットは、
 演奏の善し悪しでは勝負せず、
 バーテンもカクテルの味で勝負したわけではない。
 コックにいたっては、皿と包丁を投げる殺人技で
 勝負していた。
 どうやら「ズバット」の世界では、
 ひとつの道を極めると、とりあえずそれを
 殺人技にしてみたくなるらしい)

この後、悪党とのすったもんだが描かれ、
最後には主人公・早川がピンチに陥る。
人質を取られ、袋だたきに合うとか、
爆弾で吹き飛ばされるとか、
崖から突き落とされるとか、
マシンガンで蜂の巣にされるとかである。
……。
袋だたきはともかく、
他は死ぬだろう、と思われるかもしれない。
悪党が早川を片付け、勝利を確信した瞬間、
どこからともなく響いてくるエンジン音。
快傑ズバットが、空飛ぶ車「ズバッカー」に乗って
現れるのである。
ズバットは車から飛び降りると、高らかに叫ぶ。

「ズバッと参上!ズバッと解決!
 人呼んでさすらいのヒーロー!
 快傑!ズバァーット!」

突如現れた、真っ赤なスーツのヒーロー。
もちろん、主人公・早川健の変身した姿である。
親友・飛鳥五郎が設計図を残していた、
宇宙開発用スーツを元に、ズバットスーツ、
宇宙開発用自動車を元に、ズバッカーを作り上げたのだ。
自分の力が何倍にもなる強化服、
「ズバットスーツ」を着込み、
悪党をボコボコにしていく早川……、いやズバット。
相手は、ワケのわからない殺人技を持っているとは言え、
ごく普通の人間なのだから、ズバットに適うはずもない。
雑魚、用心棒ともに叩きのめした後、
ボスをしばき上げながら、こう問いつめる。

「飛鳥五郎を殺したのは、貴様だなぁ~!」

もちろん確証があって、言っているわけではない。
とりあえず、聞いているだけだ。
当然、

「し、知らん、飛鳥五郎なんて男は知らんっ!」

と、なるのだが、

「嘘をつけぇ~っ!」

と叫びながら、さらにボスをしばき上げる。
そうしているうちに、ズバットスーツの制限時間が来たり、
パトカーのサイレンの音が聞こえてきたりする。
ズバットは完全にグロッキー状態のボスに、
とどめのズバットアタック(飛び蹴り?)をぶち込むと、
「この者、○○犯人」と書いたカードを残し、
去っていくのである。

最終回付近の一部を除き、
ほぼ全話がこのパターンで成り立っている。
こういう風に、大まかなあらすじを書いていてもそうだが、
思わず突っ込みを入れずにはいられない、
「快傑ズバット」とはそういう番組である。

今回は「快傑ズバット」の1話の
大まかな流れを追って紹介した。
次回は主人公・早川健を中心に突っ込みを入れ……、
いや、考察していきたい。

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