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特許〜その1

更新日:

「特許」という言葉がある。

これを国語辞典で調べてみると、

1・特別の権利を与えること
2・発明や考案などに対して、政府がその独占使用権を許可すること

と、ある。
我々が一般に「特許」と聞いて思い浮かべるのは、
この2の意味での「特許」だろう。
身の回りのものを見回してみると、
例えば、メーカーの加工食品などには
製法などの「特許」を謳った広告文が入っていることがある。
さらにいえば、発明家などが自らのアイデアで「特許」をとり、
それをメーカーが商品化して大ヒット、
発明家の元には「特許」のおかげで、多額の特許使用量が入り
たちまち大金持ちに……、なんていう話も聞くことがある。
実際、我々が生活している周りにも、
発明家がそれを考案し、メーカーがそのアイデアを採用して大ヒット、
一般的に普及しているなんていうものは、かなり多い。

こういう風に書くと、「特許」っていいものなんだなー、と
思ってしまいそうになるが、この「特許」権を争っての
泥沼裁判なんていうのもまた、良く聞く話である。
同じ食品を扱っているメーカーが、
自分の所の「特許」を侵害していると訴えれば、
相手は逆に、これは特許侵害には当たらない、
そもそもその「特許」は無効だ、などと騒ぎ立てる。
両者とも、多額のカネがかかっているので真剣そのものである。
負ければ何億、何十億というカネがとられ、
勝てばそれだけの金が入って来るというのだから、
血みどろ、泥沼の裁判劇になるのも道理である。
で、結局、一体、何をそんなにムキになって争ってんの?と、
裁判の内容を見てみると、食品の表面に小さな切れ目を入れるとか
入れないとかの話である。
素人目には、実にしょうもないことで争うんだなー、
なんて感じてしまうが、そのしょうもないことに
億単位のカネがかかってくるのだから、
世の中とはなんとも面白いものだ。

最近では、日本の企業も「特許」というものに敏感になり、
なんでもかんでも、うちの会社で考えたことは
全部「特許」をとってしまえ、なんていう所もあるらしい。
そういう会社の中には、年間何個の「特許」をとれ、という
社命を下している所もあるらしい。
こうなってくると、会社のためになるアイデアを考えるというよりも、
「特許」をとるためにアイデアを考えているみたいである。

だが、はっきり言ってしまえば、これはバカである。
たとえ様も無いほどに、バカである。
こういう会社は、そもそも「特許」をとるということがどういうことか、
本当にちゃんと理解しているのだろうか?

ここで簡単に、「特許」をとるまでの流れを簡単に書いてみよう。

まず、これこれこういうアイデアで「特許」をとりたい、
ということになった場合、そのアイデアを
特許庁に提出しなければならない。
決まった書式で、さらに分かりやすく書かなければならないため、
素人にはなかなか難しく、これ専門の「弁理士」という職業もある。
彼らにお金を払って、書類を作成し、これを特許庁に提出すると
特許庁は、このアイデアを審査してくれる。
審査期間は、おおよそ1〜3年ほど。
もし、他に似たようなアイデアがすでに登録してあったりした場合は、
もちろん、提出したアイデアは認められない。
提出したアイデアが、スムーズに認められるのは
全体のうちのわずか20%ほどというから、
ほとんどのアイデアは、何らかの変更を余儀なくされるか、
却下されているわけである。
アイデアの書き方を変更しても、もともとのアイデアの全てが
特許として認められるとは限らず、
もともとのアイデアの一部分のみ、
特許が認められるということもある。
何せ、年間35万件も申請があるのだから、
これを審査する特許庁も大変である。

大方の場合、ここまでの所で「特許」というものの認識が
途切れてしまう。
実は、ここから先が「特許」の恐ろしい所だ。
提出したアイデアの「特許」が認められた場合も、
認められなかった場合も、提出した時期から1年半ほどたつと、
すべて特許庁のホームページ上で公開されるのである。
実は、これが「特許」のもっとも恐ろしい所で、
仮に隠しておきたいような情報であっても、
「特許公報」という、特許庁のホームページにアクセスすることで、
誰でも簡単にそのアイデアを見ることが出来るのである。
この「特許公報」には、IPS細胞というような世界的な発明から、
庭の雑草を引くへんてこな器具の発明、果てには老舗のウナギ屋の
調理方法に至るまで、様々なアイデアが公開されている。
ここに検索ワードを入力することで、様々なアイデアが
誰でも無料で閲覧できるのである。
まあ、掲載されているアイデアについては、まさに玉石混合で、
素晴らしいアイデアも、くだらないアイデアも
まとめて掲載されているのだが、
どの情報にどんな価値があるのか?ということについては、
見る人によって大きく変わってくる。
もし、会社の主力商品の配合などで「特許」を提出した場合、
これは逆に、ライバル会社に全ての情報をさらけ出している
といってもいいわけである。
もちろん、この場合、ライバル会社がその情報を
そのままパクることも出来るだろうし、
これをさらにたたき台にして、より凄い製品を作るかも知れない。
そういう危険性もまた、発生するわけである。

もちろん、それだけではない。
「特許」は取得して、それで終わりというようなものではない。
取得した「特許」には、これを維持するための費用が発生する。
これが「特許」1つにつき、5〜10万円。
価値あるアイデアも、くだらないアイデアも
キチンと「特許料」を収めないと、
「特許」は消失してしまうのである。
いくつもの「特許」を持っている会社の場合など、
この「特許料」だけで、相当な負担になっていることだろう。

だが、本当に恐ろしいのは、これだけではない。
次回は、「特許」というものの、
さらなる恐ろしさについて書いていく。

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