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「売り家と唐様で書く三代目」なんていいますが、怪獣の二代目は。

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2代目というのは、世間的に、とやかく言われるものだ。

会社の2代目などは、先代の創業者と比べられて、

「やっぱり2代目は……」

なんて陰口を叩かれたりする。

政治家なんかでも、2代目というのはちょっと下に見られがちだ。

親の七光り。

ジュニア。

色々言われるが、やはりあまりいいイメージではない。

これは、現代の政治家だけではなく、歴史上の人物にもいえる。

鎌倉幕府の創始者・源頼朝は有名だが、

2代目・源頼家の名前を知っている人は少ないだろう。

室町幕府の創始者・足利尊氏は有名だが、

2代目・足利義詮の名前を知っている人は少ないだろう。

江戸幕府の創始者・徳川家康は有名だが、

2代目・徳川秀忠の名前を知っている人は少ない……こともない。

これは、どちらかといえば例外的かもしれない。

ただ秀忠については、あまりいいイメージがない。

凡庸、愚鈍、暗愚。

歴史小説の中では、こんな言葉で表現されることが多い。

史実的にいっても、関ヶ原の合戦に遅刻して間に合わなかった、という件を

わりとネチネチといわれている。

秀忠の場合、名前は知られていても、

どちらかといえば「悪名」という形で知られている。

不思議なことに、2代目はあまり知られていなくても、

3代目はそこそこ有名なことが多い。

鎌倉幕府・3代目源実朝は甥に殺されたことで有名だ。

そのせいで、鎌倉幕府の実権は、頼朝の妻の実家である北条家に奪われてしまう。

室町幕府・3代目足利義満も有名である。

金閣寺を建てたり、勘合貿易を始めたりと、政治的にも活躍している。

さらに一休さんに屏風のトラを捕まえろと、無茶ぶりしたのも義満だ。

足利幕府の将軍の中でも、その知名度は高い。

徳川幕府・3代目徳川家光も有名である。

彼も参勤交代を始めたり、鎖国を始めたりと政治的に活動している。

両方とも、歴史の教科書には欠かせない出来事だ。

さて、少々導入部が長くなった。

今回はこの「2代目」というのについて書いていく。

それもテーマは「怪獣」の2代目である。

怪獣に2代目があるのか?と思われるかもしれないが、あるのである。

では順番に見ていこう。

まずは有名どころで「ゼットン」だ。

初代ゼットンは、あのウルトラマンを倒したことで有名だ。

2代目・ゼットンはバット星人の手下として、ウルトラマンジャックと戦った。

初代に比べ、身体は醜く小太りで、だるんだるんだ。

触覚も張りがなく、ぐにょんぐにょんに垂れている。

初代が使ったバリヤーもテレポートも使えない、ダメな怪獣であった。

一説によると、この2代目ゼットンは、

バット星人が養殖したものだという噂もあった。

なるほど、無駄に脂肪がついて、ぶくぶくと太っている。

当然、ウルトラマンジャックに勝てるわけもなく、

あっさりと返り討ちにあった。

同じく有名どころで「メフィラス星人」がいる。

初代メフィラス星人は、「人類の心に挑戦する」というテーマをもって、

地球にやってきた。

知性を感じさせる宇宙人である。

ウルトラマンと戦っても、「宇宙人同士で戦ってもしようがない」と、

戦いをやめて帰ってしまう。

どことなく、底の知れない宇宙人であった。

2代目・メフィラス星人はウルトラマンタロウと戦った。

やはり初代よりも太っており、特にお尻が大きかった。

作戦も「子供を毒草で麻痺させる」というもので、

グリコ・森永事件の犯人みたいである。

作戦を見破られ、タロウによって倒されるが、底の浅い宇宙人であった。

「エレキング」も有名である。

初代エレキングはピット星人の手下として、ウルトラセブンと戦った電気怪獣だ。

独特のフォルムが印象的で、セブンではもっとも有名な怪獣だ。

2代目・エレキングはウルトラマンタロウと戦った。

月の光によって蘇った、という設定があり、正確には2代目ではない。

初代と違い、電気が使えず、しっぽも短い。

頭のレーダーアンテナも回転しなくなっており、ややクオリティが落ちる。

電気ビームの代わりに、炎を吐いたりしたが、

一番代わった所は性格で、踊ったり、バク転したりする。

初代に比べて威厳は無くなったが、運動能力は上がっている。

ウルトラ怪獣の中で、もっとも有名なものが「バルタン星人」だろう。

初代・バルタン星人はウルトラマンに出てきた、超有名宇宙人だ。

「ウルトラマン」にさえ、都合3回も出演した。

2代目・バルタン星人は初代に比べると、全体的に細く、シャープな感じだ。

今までの2代目が、ずんぐりとしていたのと比べると、

例外中の例外といえる。

3代目は、メフィラス星人の手先として現れたが、特に何もしていない。

4代目はウルトラマンジャックと戦った。

この4代目は、結構ずんぐりとした体型で、ハサミも小さい。

自らは戦わず、ロボットをウルトラマンと戦わせた。

ロボットがやられた後、捨て台詞を残して飛び去る際、

後ろからスペシウム光線で倒された。

5代目はウルトラマン80と戦った。

特徴は顔についたブタの鼻のような口(?)で、ハサミも大きい。

運動能力が極めて高く、80に投げ飛ばされても空中で回転して無事着地した。

動きも俊敏でキレがあり、80と激しい肉弾戦を繰り広げた。

最後は80のジャイアントスイングで、自らの宇宙船と激突し爆死した。

6代目も5代目同様、80と戦った。

彼も運動能力が高かったが、とった作戦は、

「自らの能力で子供同士に喧嘩をさせる」という、ワケのわからないものだった。

こうみると、怪獣とはいえ、2代目にはひどいものが多い。

しかし、ひとつ大きな例外がある。

「ゴジラ」だ。

時系列でいえば、初代・ゴジラは第1作「ゴジラ」内で死亡し、

第2作「ゴジラの逆襲」から「ゴジラVSデストロイア」までの期間が、

2代目のゴジラである。

途中、キングコングにやられたり、モスラにやられたり、

シェーをしたり、放射能火炎で空を飛んだり、子供を作ったり、

さまざまな行動で注目を集めた。

だが、現在まで続くゴジラ人気を支えたのは、この2代目ゴジラだ。

そういう意味では、怪獣界の有能2代目ということもできる。

さすが怪獣王だ。

さて、ここまで様々な2代目怪獣を見てきた。

一部を除き、大方は初代よりも劣っている辺り、

人間世界のそれに、非常に似通っているといえる。

もっとも、初代が群を抜いて有能であったからこそ、2代目があるのだ。

そう考えれば、2代目が初代に及ばないのを責めるのは、酷だ。

もし周りに、「そんな」2代目がいても、あまりいじめず、

温かく見守ってやってほしい。

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