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丸亀城

更新日:

四国八十八ヶ所霊場巡り観光を終え、
「徳島ラーメン」を食べた我々2人は、
その脚で、一路、香川県へと向かった。

友人の希望により、「丸亀城」を見物するためである。
カーナビで「丸亀城」の位置を確認すると、
そのままコースを選択し、車を発進させた。
だが、ドライバーをしている友人も、
ナビゲーターをしている自分も、激しい睡魔に襲われていた。
そりゃ、そうだろう。
炎天下の中、10km近い距離を延々と歩き続け、
その後、たっぷりと「徳島ラーメン」を食べて、
満腹になっているのである。
全身の疲れと、心地よい満腹感、
さらには開け放たれた車の窓から入ってくる風は、
否応無く、我々を眠りの縁へと引きずり込もうとする。

そのため、我々は眠たくなったら、道の駅なり、
コンビニエンスストアなりに車を停め、
こまめに仮眠をとりながら、「丸亀城」を目指した。

実は、「丸亀城」には以前にも1回、
観光のために向かったことがあった。
同じ友人と一緒に、四国・剣山に登った後のことである。
このときも身体は疲れに疲れており、
さらに香川県に入ってから、せっかくだからということで
讃岐うどんをたらふく食べたため、
「丸亀城」の見学時間に間に合わなかったのである。
(正確にいえば、「丸亀城」の中で、
 入場時間が設定されているのは天守だけで、
 それ以外は、特に時間的な制限というのは、存在していない。
 ただ、城の前にある駐車場は、
 午後5時には閉鎖されてしまうため、
 車で見学に来るのであれば、5時までに車を出さなければ、
 駐車場から車を出せなくなってしまう。
 以前、剣山登山の際に「丸亀城」見物をしようとしたときには、
 この駐車場の時間に、間に合わなかったのである)

今回は、何回か途中で仮眠をとったものの、
午後4時20分には「丸亀城」の駐車場につくことが出来た。
とはいえ、駐車場が締まるまで、後40分しか無い。
これを越えてしまえば、駐車場が閉鎖され、
帰れなくなってしまうため、
何としても、5時までに駐車場に帰ってこなくてはならない。
我々は、4時40分になったら、
たとえ一番上まで登っていなくても、
そこで引き返してくると決めて、「丸亀城」へと入った。

「丸亀城」は、一番最上部にある天守に入ろうとしなければ、
入場料は全くかからない。
内堀に架かる橋を渡りながら、ふと堀の中をのぞいてみると、
凄まじい数の鯉が、水面に向けて顔を突き出し、
エサが降ってくるのを待っている。
もちろん、自分も友人も鯉のエサなど持ち合わせていないので、
何もやることは出来なかったが、
橋の直下には、水面とそれほど高さの変わらない石積みが
水の上に露出している部分があり、
そこには、「丸亀城」の名前の通り、
丸々と太った亀が、たくさん甲羅を干していた。
亀たちは人に馴れているのか、こちらが覗き込んでも
水の中に飛び込んで逃げる様子も無く、
悠々と甲羅を干している。
ひょっとしたら、この亀たちは、丸亀市によって
しっかりと保護されているのかも知れない。

橋を渡り、城門をくぐると、目の前にそびえているのは、
まるで小山のような石垣である。
所々、木が生えて来ているので、
本当に山のように見えるが、その隙間からは、
ぴっちりと積み上げられた、巨大な石垣が垣間見える。
城門をくぐると、グルリと左方向へと回り込むように坂道があり、
その坂道を上って行くと、石垣最上部に建てられている
天守に辿り着くことが出来る。
だが、この坂道は驚くほどに急傾斜であり、
これを登るのは、ちょっとした登山感覚である。
本当ならば、疲れていることもあり、
マイペースでゆっくりと登りたいのだが、
なんといっても時間的な余裕が、全く無い。
疲れている身体に鞭打ち、急傾斜の勾配を足早に上って行く。
友人も遅れながら、必死で登ってくる。
時間的にちょっと遅いせいか、それほど観光客の姿はない。
地元の人間が、日曜日の夕方、
散歩がてらにやってきているという風な人が多い。
丸亀市の中心部においては、
気軽に登山気分が味わえるスポットとして、
人気が出そうな感じである。

「丸亀城」は、もともと亀山と呼ばれる小山の上に、
石垣を築いた城なのだが、
麓から四重に積み上げられた石垣は、
その高さが合計60mにもなる。
高さ60mの石垣というのは、日本の石垣の中でも
もっとも高い石垣である。
早い話、この城に上るということは、
標高70m近い山に登るのに等しい。
疲れた身体で必死に登った結果、
無事に4時40分までに、最上部へ登ることが出来た。

最上部には、3層からなる小さな天守が建てられている。
姫路城の天守などと比べると、圧倒的に小さく、
まるで普通の櫓のようにしか見えない。
そんな天守でも、60mも積み上げられた石垣の上に建っていると、
そこそこ立派な天守に見えてしまうのが不思議だ。
すでに天守の見学時間は終わってしまっているので、
天守内の見学は出来ないが、城の最上部の角には
それぞれ3カ所の展望コーナーが設けられており、
丸亀市内を一望することが出来る。

あまり時間がないので、それぞれの展望コーナーから
市内それぞれの方向を見渡すと、すぐに下山を始める。
登るのと違い、下りて行くのは随分と楽だが、
なんといっても急勾配なため、
万が一、足を滑らすようなことになると、
それこそ麓まで一気に転がり落ち、大怪我をする可能性もある。
慌て過ぎず、それでいて素早く足を動かし、坂を下りて行く。
麓まで下りた後は、城門をくぐり、橋を渡って駐車場に向かう。
城の前の交差点では、屋台売りの「わらび餅」を販売していたが、
時間も遅かったせいか、お客は1人もいないようであった。

駐車場に戻り、改めて「丸亀城」を眺めてみると、
本当にぴっちりとした石垣である。
普通の石垣だと、様々な大きさの石を積み上げるのが普通だが、
「丸亀城」のそれは、1つ1つの石の大きさまで揃えてある。
この辺、丸亀人の気質であろうか?
そのため、見た目にもきれいに詰まっており、
パッと見た感じ、攀じ登ることなど、
とても出来そうにない雰囲気だ。
「丸亀城」としても、やはり最大のウリは石垣であるらしく、
途中に設置してある売店の表にも、
「日本一の石垣・丸亀城」と書かれた紙が貼られていた。

この「丸亀城」と、我が故郷たつのには、
ちょっとした繋がりがある。
江戸時代、もっとも長く丸亀藩を治めていた京極氏は、
丸亀に転封される前は、播州龍野藩の領主だったのである。
当時の転封では、領主のみならず、
家臣一同、藩を移動するのが常であったため、
龍野で暮らしていた武士たちも、多く丸亀へ移って来たことだろう。
そうなると、ひょっとしたら、
文化的にも龍野から丸亀へと持ち込まれたものが、
あったかも知れない。
そういう風に考えると、丸亀という土地に
何ともいえない親近感を感じてしまう。

「丸亀城」は、丸亀市の中心部にそびえており、
広い無料駐車場もあるため、気軽に見学することが出来る。
丸亀に行ったのであれば、是非とも見ておきたいスポットである。

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