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イタチ捕獲作戦〜逆襲のイタチ

更新日:

怪獣映画「ゴジラ」のラストシーンで、
志村喬演じる博士が、こんなセリフを言った。

「あのゴジラが、最後の1匹だとは思えない。
 もし、水爆実験が続けて行なわれるとしたら、
 あのゴジラの同類が、また、世界のどこかへ
 現れてくるかも知れない……」

「核」「水爆」というものを、テーマにおいた
「ゴジラ」という映画を、総括するようなセリフである。
ライバル怪獣も何も現れない、第1作「ゴジラ」は、
単なる怪獣映画という枠を超えた、メッセージ性をもっていた。

この博士の予言は当たることになり、
わりとすぐに第2のゴジラが現れ(映画「ゴジラの逆襲」)、
以降、このゴジラが日本を襲うことになった。
しかし、「核」「水爆」というテーマ性は、
作品数を重ねるごとに薄らいで行き、
「ゴジラ」シリーズは、瞬く間に
普通の娯楽映画へと変わって行ったのである。

……。
ワケのわからない入り方をしたが、今回もイタチの話である。
前回、「イタチ捕獲作戦~アフター」において、
捕獲されたイタチを、ゲージごと深い山中に運び、
そこで放逐してきたことを書いた。
ゲージから出されたイタチが、
ノソノソと山の中へと入って行く姿を見ながら、
自分はこんなことを考えていた。

「あのイタチが、最後の1匹だといいなぁ。
 もし、第2、第3のイタチが我が家に現れることになれば、
 面倒くさいことになるだろうなぁ……」

どことなく、「ゴジラ」ラストシーンを思わせるが、
よくよく見てみると、そこには崇高なメッセージ性など全く無く、
ただ、イタチに悩まされ続けた、焦燥だけを感じさせる。
だが、それほど深刻に考えていたわけではなかった。
罠を仕掛ける以前に、センサーカメラによって調査した所によれば、
複数のイタチがやってきていることを
裏付ける証拠というものは、全く映っていなかったのである。
さらにイタチをゲージの中に閉じ込めておいた間には、
別のイタチがやって来ることもなかったので、
どうやらイタチは1匹だけのようだと思っていた。

だが、だからとって、1匹捕獲しただけで、
罠を片付けたりはしない。
2匹目、3匹目のイタチがいないとも限らないので、
念のため、罠にエサを仕掛けたまま、
1週間ほど放っておくことにした。

しかし、イタチを仕留めてからというもの、
罠は全く作動しなかった。
ネコがかかっていることもなかったし、
エサがかじられていることもなかった。
こういっては何だが我が家には、
全く、不気味なほどの平穏が帰ってきたのである。

何となく、気が抜けたような感じになってしまった。
少なくとも、イタチが捕まる前は、
日々の生活の中に、ある種の緊張感があった。
何か物音がすると、何かが罠にかかったのかと、
すぐさま罠を確認にいく。
もちろん、ほとんどの場合、物音は別のもので、
罠には全く変化がないのだが、
なんというか、いい意味でのワクワク感というものがあった。
あの、うちの屋根裏を走り回っていた、憎たらしいイタチは、
今ごろ山の中で、エサを探して走り回っているのだろうか?
なんてことを考えながら、
全く罠の作動しない日々を、送っていたのであった。

しかし、今日の朝、部屋の中から確認してみると、
罠のフタが閉まっている。
そういや、昨日は風が強かったからなー、
なんてことを考えながら、中を確認してみると、
何やら茶色い動物が入っている。
……。
イタチである。
しばらくフリーズしてしまった。
正直な話、もうイタチがかかることはないだろうと、
思っていたからである。

改めて良く見てみると、前回、捕獲したイタチと
同じくらいの大きさのイタチである。
一瞬、同じイタチなのでは?と思ってしまった。
たしかに、とても戻って来れそうにない、
深い山の中に放逐してきたが、
別段、殺してしまったわけではない。
だが、この前捕まえたイタチと違って、随分とおとなしい。
前回のイタチは、捕まりながらもゲージの中を素早く動き回り、
自分の姿を見つけると、やたら威嚇してきたのだが、
今回のイタチは、身体を小さく丸めて、
こちらを見ているだけである。
身体の特徴を良く観察してみると、
前回のイタチには、ゲージの隙間から逃げようとしたときの傷が、
頬の部分にあったのだが、その傷がない。
確かに口周りは血で汚れているのだが、
それはイタチ自身の傷から出ている血ではなく、
何か他の動物を襲い、それを食べたときに付着した血の様である。
さらに良く観察してみると、顔の模様についても、
微妙に前回のイタチとは異なっている。
顔と性格が違うのだから、これは別のイタチである。
さすがに股間を観察できないので、
オスかメスかは分からないのだが、
サイズから言えば、今回捕獲したイタチもオスの様である。

前回、イタチを捕獲した際には、
それまで散々ふり回されていたこともあり、
爽快なまでの「してやったり」感があったのだが、
前回の捕獲で、気持ちの整理が出来たのか、
今回はそういう感情も沸いてこない。
前回は、悔しそうにしているイタチを相手に、
散々勝ち誇ってみせたのだが、
今回のイタチは、ただひたすら怯えているだけなので、
どうも前回ほど、勝ち誇る気持ちが沸いてこない。
自然、こちらも静かに観察するだけになる。

しかし、ふと、思い当たってしまった。
ひょっとして、うちの天井裏で暴れていたのは、
こちらのイタチではないだろうか、と。
もちろん、何かの確証があって言っているわけではない。
あくまでも、そういう可能性もある、ということである。
もちろん、前回のイタチこそが諸悪の根源で、
今回のイタチは、前回のイタチがいなくなって
あいた縄張りにやってきた新顔かも知れないのである。
だとすれば、今回のイタチは全くの無罪ということになる。
あるいは、どちらのイタチも、
我が家に忍び込んでいたという可能性も考えられる。
前回のイタチの方が、凶暴だったことを考えると、
今回のイタチがノコノコと新しい縄張りにやってきて、
いきなり罠にかかったという方が、自然に思える。
もちろん、だからといって、
イタチをここで放逐することはあり得ない。

とりあえず、再び弟に連絡して、
軽トラを手配してもらった。
果たして、後、何匹、イタチを捕まえれば、
この作戦は終了するのであろうか?

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