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スズメ

投稿日:

先日、図書館からの帰りに自転車を走らせていると、
何やら小鳥の群れが、
水田の上をバサバサと飛び回っていた。
近年では、あまり見かけることのなくなった、
「スズメ」の群れである。

よくよく思い返してみれば、
自分がまだ小学生だったころは、
かなりの数のスズメがいた。
スズメの群れが飛び回っているのを、
何度も目撃したものである。
それが気がつけば、いつのまにか
スズメの姿を見かけることが減っていた。
これは、自分の目が
自然に向かなくなったというわけではなく、
スズメの個体数自体が、大きく減ったためである。
スズメの個体数調査によれば、
1990年から2007年までの17年間に、
スズメの個体数は、2分の1から5分の1にまで
減少したとされている。
わずか17年の間に、個体数が半減というのも恐ろしいが、
5分の1というのはタダゴトではない。
これ以前の、自分が子供だったころから比べると、
一体、どれほどのスズメがいなくなってしまったのか?
そして、その原因は一体なんなのだろうか?

スズメは、スズメ目スズメ科スズメ属に属する、
鳥類の一種である。
体長は14.5cmほどで、体重は18g〜27gほどである。
翼長は平均で7cm。
頭部が茶色で、背中は褐色、縦に黒い斑があり、
頬から首の後ろ、腹にかけては白色をしている。
頬の部分と、目の下から顎の下にかけて黒い部分がある。
ただし、この黒い部分は幼鳥時には存在せず、
成長とともに現れてくる。
ヨーロッパから東アジアまで、ユーラシア大陸に広く分布し、
アメリカ大陸やオセアニアにも、
移入種として持ち込まれている。
一般的には、ほぼ生まれた付近で一生を送るが、
中には長距離を集団で移動する個体も存在する。
イネにつく害虫を食べてくれる、益鳥でもあるが、
同時にイネそのものを食べる害鳥でもある。
中国ではかつて、ハエ・蚊・ネズミとともに、
スズメを「四害」のひとつとして、これを根絶しようとし、
年に11億羽ものスズメを捕獲したが、
その反動で害虫が大量発生し、凶作の一因となった。
そのため、スズメは「四害」から外された。

日本では、狩猟の対象にもなっている。
え?あんな可愛いのを殺すの?
と思う人もいるかもしれないが、
スズメを狩猟する場合は、猟銃を使うことは少なく、
網猟などでこれを捕えることが多い。
(どちらにしても、殺して食べることには違いないが)
古くは焼き鳥としても食べられていたが、
個体数の減少や、鶏肉が大量生産される現在では、
スズメを焼き鳥にする店は、
極めて少なくなってしまった。
現在では、京都伏見稲荷の門前で
販売されているものが有名だが、
1羽500円と結構な値段がする。
通常の焼き鳥とは違い、
スズメの羽をむしって、そのまま串に刺して焼いてある。
当然、頭もそのままついており、
鶏の焼き鳥をイメージしていると、
かなりグロテスクに感じられるかもしれない。
全身の丸焼きなので、当然、骨もそのままついているが、
骨ごと食べることが出来る。
食べた人間の感想を集めると、
美味しいという人と、
タレの味しかしなかったという人の、
二通りに分けられる。
どうやら味自体は悪くないが、濃い味付けをすると、
鳥の味がわからなくなってしまうようだ。
かつては中国や韓国から大量に輸入されていたが、
鳥インフルエンザの問題以降、
輸入はほとんど行なわれていない。

さて、冒頭部分で、スズメの個体数が
減っていることを書いた。
わずか17年ほどで、
個体数が半減〜5分の1になるという、
はっきりいえば激減といっていい、減り方である。
これが海の魚などであれば、
「乱獲が〜」ということになるのだが、
1990年から2007年の間に、
それほど国内でスズメが乱獲されていたとは思えない。
このころにはすでに、スズメは一般的な食材ではなく、
かなり限定的な場所でのみ供される食材だったからだ。
と、いうことは、乱獲以外でなにか、
スズメの数を減らす要因があった、ということになる。
この原因については、
はっきりしたことはわかっていないのだが、
人の住宅が気密性の高いものになり、
人の近くで営巣するスズメが巣を作りにくくなった、とか、
農村部でコンバインによる刈り入れが一般的になり、
スズメが落ち穂を食べることが出来なくなり、
冬場のエサ不足を招いてしまった、などといわれている。

ただ、これらの理由についても決定的なものではなく、
事実、古い住宅自体は、現在でも結構残っているし、
コンバインは1990年よりもかなり前に、
農村に普及していたので「落ち穂が〜」というのは、
考え辛い。
この他に考えられる理由としては、
捕食者による補食が多くなった、ということだろうか?

スズメを補食する生物は多く、
犬やネコをはじめ、カラスや小型の猛禽類なども、
スズメを補食する。
もちろん、農村部ではイタチやキツネなど
雑食性の小・中型生物たちが補食することも考えられる。
この捕食者たちのエサが減ることによって、
スズメがエサとして狙われることが多くなった、
とは考えられないだろうか?

いずれにしても、はっきりとした原因が分からない限りは、
スズメの個体数減少に対する、根本的な対策がとれない。
いまはまだ、充分な個体数がいるが、
今のままのペースでスズメが減り続ければ、
いずれ「絶滅危惧種」なんてことにもなりかねない。
一刻も早い、原因の究明が望まれる。

日本に生息している野鳥の中では、
もっとも我々の身近にいる鳥、スズメ。
決して派手でこそないが、
そのコロコロとした容姿は可愛らしく、
昔から人々に親しまれてきた。

もし、この先その姿が見られなくとしたら、
これは寂しい限りである。

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