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金魚~その2

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前回、主として金魚の歴史的なことについて書いた。

今回は、金魚の種類や形状について書いていく。

前回の冒頭、金魚の元になったのは鮒である、と書いた。

これを緋鮒(ヒブナ)と呼ぶが、それにもっとも近い金魚が「和金」である。

というよりは、これが緋鮒だといってしまってもいいぐらい、

2つの間には差異がない。

鮒と同じ体型のため、泳ぐスピードも速く、丈夫で育てやすい金魚だ。

中にはやや尾びれが長くなっていたり、尾の形が変形しているものもある。

これはいろいろな姿に変化していく金魚の、変化の兆しともいえる。

もっとも金魚らしい金魚、といえば「琉金」になる。

体は丸く、短い。

おなかがポッコリとふくらみ、一見、メタボの様にも見える。

ひれはどれも大きく、優雅に発達しているが、

特に尾びれの発達ぶりはすごい。

体型が体型だけに、泳ぐのが得意ではない。

人も金魚も、メタボな体型になってしまうと、運動はダメになるようだ。

面白いことに、体型が丸くなりすぎると、普通に泳げなくなることがある。

可愛いからといって、餌のやり過ぎはいけない、ということだ。

「出目金」といえば、これまた金魚の中では人気者だ。

最大の特徴はギョロッと飛び出した目玉で、それ以外は「琉金」と変わらない。

ひょうきんな姿、ということもできるし、不気味な姿ということもできる。

見る人によって、評価は変わってくるだろう。

実は生まれた時は普通の「琉金」と同じで、目が出ていない。

育っていく過程で、目は飛び出してくる。

その成長の過程を楽しむのも、この「出目金」の楽しみ方かもしれない。

この「出目金」には、ひとつ弱点がある。

他ならぬ飛び出した目玉だ。

飛び出している分だけ、傷つきやすいので、飼う場合には注意が必要だ。

「和蘭(オランダ)」型というタイプの金魚がいる。

「琉金」の突然変異型で、頭部に肉瘤がある。

この頭部の肉瘤こそが、この種の最大の特徴だ。

見ようによっては、アフロヘアーの金魚のように見える。

そういうふうに見ると、「出目金」以上にひょうきんな金魚だ。

高級金魚の代表格が「蘭鋳(らんちゅう)」だ。

その最大の特徴は、背中に背びれがないことだ。

現代の「蘭鋳」は頭部に肉瘤を持っているが、

かつての「蘭鋳」はこれをもっていなかった。

この「蘭鋳」という金魚を見ていると、金魚というものは、

どの方向から鑑賞するために作られたのか、ということがわかる。

背びれがないこの種が珍重されたのは、金魚を上から鑑賞していたからだ。

上から鑑賞する際、その美しい鱗の模様を最大限鑑賞できるのが、

この「蘭鋳」だ。

江戸時代の豪商、淀屋辰五郎は、天井に取り付けた、

舶来製のガラスの水槽に金魚を泳がし、下から眺めたといわれているが、

このやり方では、金魚の美しさを全く味わえないことになる。

「ピンポンパール」という種がある。

基本的には「和蘭」と同じタイプなのだが、体型がピンポン球のように

まんまるだ。

これこそが名前の由来だ。

もうひとつ、鱗の一枚一枚が、ふくらんでいるのも特徴だ。

泳いでいる姿は、ちょこちょことしていてなかなか可愛らしい。

最近人気急上昇中の金魚で、飼う人も増えている。

ここまで、ざっと日本で販売されている金魚について、書き出してみた。

ここに書き出した金魚から、さらに各種、色や形の変化によって

種類が細分化していく。

その数は実に100種類以上。

驚くほどに多いが、その中で飼育されているのは30種ほどである。

前回、3大金魚生産地という言葉を書いた。

これは日本国内で、特に金魚の生産量の多い、3つの産地のことだ。

愛知県弥富市、奈良県大和郡山市、東京都江戸川区のことである。

この内、もっとも歴史があるのが奈良県大和郡山市だ。

ここでは実に江戸時代中期ごろから、金魚の養殖がはじまっている。

愛知県弥富市と、東京都江戸川区で金魚養殖が始まったのは、

明治時代以降だから、大和郡山市は日本の養殖場の中では、

もっとも先んじていたことになる。

大和郡山市と弥富市が、金魚の生産量では特に抜きん出ており、

市場に流通する金魚の大半を、この2大生産地でまかなっている。

このような大生産地の他にも、各地で個人による金魚飼育が行なわれている。

近年ではそのような個人飼育の中からも、新品種が誕生している。

金魚には、鑑賞のポイントというのがある。

わかりやすいのは、色である。

赤、赤と白の更紗、赤・白・黒のキャリコ、頭頂部が赤く他は白い丹頂、

口・ヒレ・えらブタが赤く他が白い六鱗、さらに鱗が半透明なものもある。

えぐい話になるが、品種によっては育成の過程で、

一度鱗を全て剥いでしまうものもある。

その次に注目するポイントは、ひれだ。

特に尾びれは金魚の命といってもよく、その張り、反り、形、大きさなどが

鑑賞のキモとなる。

土佐錦や、蝶尾などは、尾の美しさが自慢の品種だ。

鱗も、ひとつのポイントとなる。

ピンポンパール種の場合、鱗のひとつひとつが膨らみ、

まるで逆立っているように見える。

こういう変化をした鱗を、パールスケールと呼ぶ。

珍珠鱗、浜錦などが有名だが、赤穂市で作出された穂竜も、

パールスケールを持つ金魚だ。

もちろん、金魚のどこを気に入るか、というのには個人差がある。

ここに挙げた鑑賞のポイントというのも、一般に言われていることと、

自分の独断が入り混じったものだ。

金魚は、元が鮒だけに、丈夫な品種は本当に丈夫で育てやすい。

反面、難しい品種はとても難しく、その懐は驚くほど深い。

金魚すくいですくってきた金魚でも、驚くほどよく育つ。

……もちろん、正しく知識を持って育てれば、ではあるが。

もし、どこかの祭りで金魚すくいの屋台を見つけたら、

すくってみないまでも、一度ゆっくりと金魚を眺めてみてほしい。

熱帯魚などにはない、「愛嬌」を見いだすことができるだろう。

それが金魚好きになる、第一歩だ。

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