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ゲームセンターあらし

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前回、コンピュータゲームをスポーツの一種として捉える
eスポーツ」というものについて取り上げてみた。

実は、自分が最初「eスポーツ」というものについて聞いたとき、
コンピュータゲームをスポーツとしてプレイすると聞いて、
真っ先に思い浮かべたものがあった。
それが、今回取り上げる「ゲームセンターあらし」である。

自分がまだ小学生の低学年くらいだったころ、
テレビゲーム・コンピュータゲームというのは、まだまだマイナーな存在で、
一般家庭でテレビゲームをプレイするというのは、
かなり珍しいことであった。
自分の記憶にある限りでは、エポック社などが出していたテレビゲーム機が
日本におけるテレビゲーム機の元祖といえる存在で、
任天堂がそれに遅れて発売したテレビゲーム機になると
大きなプラスチック製の箱からは、2本のコードによって
コントローラーが伸びていた。
ゲームコントローラーなどというと、我々は反射的に
左側の十字ボタンと、右側のいくつかの丸ボタンを想像するが、
このころのゲームコントローラーにはボタンなどは全くついておらず、
つまんで左右に回すことの出来るプラスチック製のハンドルが1つ、
ついているだけであった。
このハンドルを操作することによって、画面上のバー(自機)が動き、
移動する四角い玉(ドット)を撃ち返すというのが、
当時のテレビゲームの全てで、この操作によって
コンピュータ(あるいは人間)を相手にエアホッケー(ぽい何か)や、
ブロック崩しなどを行なっていたわけである。

やたら詳しいな、と思われる人がいるかも知れないが、
何のことはない、当時の我が家に、そのテレビゲームがあったからである。

我が家にあったのは、まさに先述したような形状のゲーム機で、
なんと1つの機体で15種類のゲームが出来るというのがウリであった。
しかし、この15種類のゲームというのは、そのほとんど(14種類)が
左右のバーで玉を弾くだけのゲームで、センターラインや
コートを変えることによってホッケーやら卓球やらと名前を変えていた。
こういう非常に似通ったゲームが7種類ほどあり、
さらに本体のボタンを操作することで、画面上のバーが前後2本に増え、
ダブルスモードということで14種類のゲームということになっていた。
最後の1つのゲームは、本体についているボタンを押すと
左側のバーから弾が発射され、右側の方で上からしたへと移動する敵バーを
破壊するという射撃ゲームであった。
15種類というゲーム数を誇っているが、
実はやってみると3種類ぐらいにしか感じないという、
ある意味で、非常に残念なゲーム機であった。
だが、テレビゲームというもの自体が非常に珍しかったそのころ、
自分はこのゲームを夢中になってプレイしていたのである。

しかし、時代は急速に移り変わる。
このテレビゲームがやって来てから数年後、
世の中はある新型家庭用テレビゲームに席巻されることになる。
任天堂のカートリッジ式テレビゲーム「ファミリーコンピュータ」。
そう、あのファミコンの時代がやって来たのである。

このハンドル式テレビゲームからファミコンが発売されるまでのわずかな間、
コンピュータゲームを題材にしたある少年漫画が一世を風靡した。
それが「ゲームセンターあらし」だ。
それまでは世の中にコンピュータゲームを題材にしたマンガ作品はなく、
まさにこのジャンルにおいてはパイオニアといえる存在であった。

「ゲームセンターあらし」は、すがやみつるによるマンガだ。
コンピュータゲームを題材としており、
主人公・あらしが、多くのライバルたちとゲームで対決するというのが
その基本的なパターンである。
先に書いた通り、この作品が発表されたのは
任天堂のファミリーコンピュータが発売される以前であったため、
作中に登場してくるゲームは、ファミコン以前のゲームセンターの
アーケードゲームをメインとしている。
ただ、コンピュータゲームを題材にしているといっても、
内容はリアル指向なそれではなく、かなり荒唐無稽である。
それについてはストーリー、キャラクター等、
作品中のかなりの部分に及んでいるのだが、
その中でももっともこれが顕著に出ていたのが、
ゲーム対決の中であらしやライバルが繰り出す「必殺技」であった。
後のファミコン全盛時代にも、高橋名人の16連射などという必殺技(?)
らしきものが存在していたのだが、「ゲームセンターあらし」に出てくる
それは、まさにマンガならではのハチャメチャなものであった。

・手が燃え上がるほど高速でレバーを操作する「炎のコマ」
・静電気を起こし、ゲームに異常動作を発生させる
 「エレクトリック・サンダー」
・何の意味があるのかよく分からない「ムーンサルト(月面宙返り)」
・精神を集中するためのヨガ技「水魚のポーズ」
・体を高速回転させ、その空気の流れでレバーを操る
 「真空ハリケーン撃ち」
・「真空ハリケーン撃ち」の発展技「グレートタイフーン」
・自らの出っ歯を抜き、神経でリモコン操作する「出っ歯神経リモコン」
・全宇宙のエネルギーを放射する「スーパーノヴァ」

こうやって並べて書き立ててみても、ワケのわからない必殺技ばかりである。
ゲーム機を燃やしたり、感電させたりするのは反則行為だろうし、
ゲームプレイ中に突然、宙返りしたり、ヨガをやったりされては
対戦相手も心穏やかではないだろう。
出っ歯が口から外れてフヨフヨと動き、レバーを操作し始めたりすれば
もう立派な怪奇現象でしかないだろうし、
全宇宙のエネルギーを放射して、ゲームに何の関係があるというのか。
冷静に考えれば、ツッコミどころしかないマンガなのだが、
当時の子供たちはこのワケのわからない必殺技に夢中になったのである。

ただ、当時はまだテレビゲーム機の勃興期と言ってもいい時代であり、
先述したように、家庭用テレビゲーム機はレバー操作ではなく、
ハンドル(といってもテレビのボリューム操作の様な
回転式のツマミだったのだが……)式のコントローラーであったため、
「ゲームセンターあらし」に登場した必殺技を、
マネしてみるというのは難しかった。
その当時は、レバーとボタンで操作するゲーム筐体は一部を除いて
ゲームセンターや喫茶店くらいにしかなく、
当時の子供たちが入り浸れる場所ではなかった。
当時の感覚からすればゲームセンターも喫茶店も、
いわゆる「不良」のたまり場とされていたため、
小中学生などがそこへ出入りすることは、厳しく禁止されていたのである。
(まあ、我がたつの市などの場合、ゲーム筐体を置いている場所自体が
 ほとんどなく、ゲームセンターもなかったわけだが……)

ただ、連載当初は「スペースインベーダー」など
シンプルな仕組みのゲームしか存在していなかったのだが、
連載が続いていくうちに、ドンドンとゲームが進化していき、
より複雑なゲーム性を持ったゲームが増え始めた。
そうなってくると、様々な必殺技で戦うという図式が
より複雑化したゲームにはマッチしなかったのか、
段々「ゲームセンターあらし」内に、実在しないゲームが出てくるようになった。
そして、ゲーム機の世界に革命を起こした
任天堂のファミリーコンピュータが発売された年に、
「ゲームセンターあらし」は、その連載を終了したのである。

「ゲームセンターあらし」の中で描かれたゲームプレイは、
様々な必殺技が飛び交う、どちらかといえば熱血スポ根ものに
近い世界観であった。
コンピュータゲームのプレイを、非常に肉体的に描いていたわけだ。
まさにそのプレイスタイルは、一種のスポーツと表現しても
全く違和感がないほどに激しいものであった。
だからこそ自分は、コンピュータゲームをスポーツとして捉える
「eスポーツ」というものを知ったときに、
まず何よりも先に、この「ゲームセンターあらし」を思い浮かべたのである。

仮に、これからオリンピックにも採用される「eスポーツ」が
「ゲームセンターあらし」張りに、必殺技飛び交う
「熱い」世界になるというのであれば、
あのころ「あらし」に夢中になった子供たちは、
また夢中になって「eスポーツ」を観戦することだろう。

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