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東播磨ちゃん

更新日:

つい、この間まで、東播磨地域をPRするための動画が、
大きな物議をかもしていた。

ことの発端はこうだ。
3月末に、兵庫県東播磨県民局が公開した、
「東播磨地域」の存在感の薄さを
アイドルグループの地味なメンバーに置き換えて自虐した
観光PR動画が、明石市長からの
「明石はそんなにマイナーではない」
という苦情を受けて、4月末に動画の配信を停止してしまった。

たが、ことはそれだけでは終わらなかった。

この明石市長の発言に対し、今度は加古川市町が
「『明石を他の市町と一緒にするな』と
 言っているように受け取れる」
とさらに不快感を示した。

これら一連の報道を受けて、ネット上でも意見が続出。
意見の大勢は、明石市の姿勢を批判するもので、
「これがダメならどんな表現も出来ない」
「大人げない」
などという厳しい声が多かった。
さらに今回のPR動画を面白いとする意見も多く、
ネット上ではPR動画の公開再開を求める声も大きくなっていった。
この声を受けて、東播磨県民局ではPR動画をオリジナルのままで
再び配信を再開した。

一応、これがPR動画配信、配信停止、配信再開までの流れなのだが、
これだけ見れば、明石市長が自虐PR動画を見て文句を付けたが、
周りから、それは大人げないという意見が出て、
再び動画が配信されたというだけのことである。
結果として、明石市長の大人げなさだけが
クローズアップされてしまう結果になったが、
この明石市長の「大人げない」苦情から始まる一連の騒動が、
ますます世間からの注目を集める結果になった、ということを考えれば、
今回、東播磨地域のPRにもっとも貢献したのは、
皮肉な話だが、この明石市長なのかも知れない。

かくいう自分も、このPR動画を初めて見たのは、
動画が再配信されてからのことである。
ネットニュースなどで、そういう動画が作られていることは知っていたが、
まあ、そういうこともあるかなー、程度の認識で、
取り立てて動画を見てみたいという気持ちも無かったのだが、
今回の騒ぎで動画の配信が停止されてからは、
どういうものか、ちょっと見てみたいなという気持ちが出てきたからだ。
そんなワケで、件のPR動画が再配信されたという話を聞いて、
早速、その一連の動画を視聴してみた。

動画に登場するのは、女の子3人組の「HYOGO」という
アイドルグループである。
メンバーは、神戸、姫路、東播磨。
派手なスターである神戸と姫路に挟まれた、地味な東播磨が、
周囲の励ましを受けながら自信をつけ、
成長していくストーリーとなっている。
東播磨地域のPR動画ということで、やたら同地域の名産品や名所が
登場してくるのがミソである。

この動画を見て、明石市長は「明石はマイナーではない」と
文句を付けたわけだが、むしろ自分などは、
神戸、姫路、東播磨の3地域以外から、
「オレらは「HYOGO」とちゃうんかーい!」と
突っ込まれるのではないかと思った。
むしろ本来なら、出てくる苦情は「そっち」だろう。
特に東播磨があるのに、西播磨が完全に無いことになっているのはすごい。
兵庫県外の人間が見たら、西播磨ってないの?と、
思われてしまいそうだ。
もっとも、あのメンバーに西播磨なんて入れたら、
メンバーの中でもっとも地味で目立たないという立場は、
確実に西播磨のものになってしまって、
あの自虐PR動画は成立しなくなるので、
あれはあれで正解なのだが、西播磨住民としては複雑な気持ちだ。
まあ、この複雑な気持ちこそが「自虐」というやつだろう。
東播磨県民局のいう所では、この自虐PR動画を配信することについては
いわゆる「炎上」も覚悟していた、ということらしいが、
明石市長が苦情を申し立てたため、
「炎上」どころではなくなったというのが、今回の真相らしい。
(確かに、地方自治体が作製したPR動画動画が、
 その内容が不適切(例えば、内容が卑猥であるなどということで……)
 ということで「炎上」し、公開が中止になったという先例もある)

ここで、このPR動画の再生回数の移り変わりを見てみよう。
まず、この「東播磨ちゃん」のPR動画が公開され始めたのが、
今年の3月26日である。
4月19日には、このPR動画のことがニュースとして取り上げられ、
(自分が、一番最初にこのPR動画について知ったのは、
 このニュースである)
それまでの再生回数が5000回ほどだったものが、
1日とちょっとで2000回以上の伸びをみせた。
しかし、これが明石市長の耳に入り、
「市民から批判が出ている」という苦情を受けて、
一旦、動画の配信は停止に追い込まれてしまう。
配信を停止する直前の再生回数は約7300回だった、ということなので、
このわずか1〜2日の間に2300回ほどの視聴があったことになる。
その後、苦情を入れた明石市長などへの批判と共に
動画の再開を望む声も多く寄せられ、5月2日11時には、
再び動画の配信を再開。
動画の一部修正なども検討されていたが、
結局は、元のままの動画が再配信されることになった。
ちょうどこの記事を書いている5月20日の時点では、
動画の再生回数は74800回を越えた辺りで、
配信再開から20日ほどで、再生回数を10倍以上
伸ばしたということになる。

さて、こういうことを書くのもどうかとは思うが、
いっそのこと、我が西播磨県民局も、今回のPR動画騒動に便乗して、
+「西播磨ちゃん」バージョンを製作してみてはどうか。
もちろん、メンバーは以前の「HYOGO」と、もう1人プラスする。
名簿で「HYOGO」のメンバーを確認してみると、
どういうわけか4人組のグループ、ということになっている。
改めて、3人が踊っている所をよくよく見直してみると、
たまに「姫路」の後ろに隠れている4人目「西播磨ちゃん」が
チラチラと見える。
そう、いつもは「姫路」の陰に隠れて、全く認知されていなかったのだ。
その影の薄さ、まさに「西播磨」。

さすがにここまで自虐すると、書いていても悲しい気分になってくる。

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