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元旦登山〜2018

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年が明けた。

ここの所、年明けの元旦の早朝、
たつの市のシンボルともいえる的場山に登るのが定番になっている。
この「元旦登山」については、同様のイベントを
各地の自治体も行なっているので、今更説明するまでもないのだが、
一応、簡単に説明を加えておくと、元旦の早朝、山に登り、
山頂から初日の出を拝もう、という趣旨のイベントである。
地元のスポーツクラブが、この「元旦登山」を主宰しており、
毎年、年末になると、この「元旦登山」の幟が道端に立てられている。
的場山の「元旦登山」は、ちゃんとした主催者がいるため、
「元旦登山」の記念カードが配布されたり、
甘酒やコーヒー、豚汁などの振る舞いがあったりする。
こういうものに釣られるのか、毎年、地元の多くの人間が
この的場山の「元旦登山」に参加しており、
今年もまた、多くの人々が、
夜も明けやらぬうちから山頂を目指すこととなった。

自分も、友人たちを誘って、この「元旦登山」に参加するのが、
ここ数年の定番になっているのだが、今年は友人1人の家庭に
不幸があったため、この手のイベントに仲間を集めにくい状況であった。
そのため、今年に限っては自分1人、単独で登ることにした。
まあ、夜の単独登山という風に書くと、
いかにも危険なことをやるように思えるかも知れないが、
実際には、車も通れるほどの整備された道を登るだけであるし、
前にも後ろにも、自分と同じ様な「元旦登山」の人間が
ひしめきあっているため、危険というのは全く無いといっていい。

早朝5時。
セットしておいた、目覚ましの音で目覚める。
昨晩は、しっかりと晩飯を食べたし、さらには年越しの深夜には
インスタントとはいえ、天ぷら蕎麦も食べているので
腹の方に空腹感はない。
例年であれば、友人が迎えにきてくれる所なのだが、
今年はそれがないために、時間に追われる様なことはない。
だからといってダラダラとしていれば、
肝心の日の出の時間に間に合わない、なんていうことにも
なりかねないので、ぼちぼちと出かける準備を進める。
気温は氷点下まで下がっているため、しっかりと防寒体制を整える。
これをしっかりとしておかないと、登山時はともかく、
下山時に寒さに震えることになる。
さらに夜登山で、街灯の無い真っ暗な道を
4km以上登らなければならないわけだから、
携帯できる灯りも必要である。
いつもの登山であれば、これにプラスして
水筒に水でも入れていく所だが、氷点下の山の中で
冷たい水を飲むのはさすがに遠慮したい。
まあ、山頂までいけば、振る舞いのコーヒーや甘酒が飲めるわけだから、
しっかりと水筒を用意していくほどのこともないだろう。
登山口近くのコンビニエンスストアで、
何か缶入りのホットドリンクでも買うことに決めて、家を出た。

さすがに元旦の夜明け前に、外をウロウロしている人はいない。
が、登山口近くまでやってくると、自分と同じように
「元旦登山」をするつもりの人たちが、
ポツポツと歩いて登山口に向かっている。
自分はコンビニに入り、ホットの缶入り甘酒を購入した。
正直、肉まんでも1つ買って、食べておこうかと思ったのだが、
同じ様なことを考えている人間が多かったのか、
そのコンビニの肉まん類は、早朝にも関わらず、完売してしまっていた。
コンビニを出て、登山口へ向かう。
登山口付近まで来ると、例年通り、かなりの人出である。
早速、懐中電灯のスイッチを入れて、登山を開始する。

ここまで何回も書いた通り、例年のことながら、やはり人が多い。
自分の前にも後ろにも、多くの人たちが連れ立って歩いている。
稀に、自分と同じ様な単独行の人間がいるが、
そういう人のほとんどはせわしなく、人々の間を縫うようにして
先へと進んでいってしまう。
山頂までの道は、分かれ道の無い1本道で、
さらには車でも問題なく登れるように整備されているため、
山を登っていくことに関しては、ほとんど問題がない。
ただ、登山道の大部分が、山の周りをグルリとトラバースしながら
登っていくルートになっており、
道の片側が急角度で切れ落ちている箇所も多い。
そういう箇所にも、ほとんどガードレールなどが設置されていないため、
余り適当に歩いていると、そこへ足を踏み外してしまうことも、
無いことではない。
さらに登山道のうち、何カ所かに、
水はけ用の溝が横向きに掘ってある。
深さもなく、足がすっぽりと入ってしまうほどの幅もないのだが、
うっかりしていると、これに足をとられて転んでしまう。
しっかりと懐中電灯で足下を照らしておかないと、
万が一にも、これらの危険に引っかかってしまうことになりかねない。
初日の出を拝むために登る、ということもあり、
行程の半分を過ぎた辺りから、辺りはうっすらと明るくなり始め、
山頂付近になると、もう灯りは不要なほどに、周りは明るくなっている。
山頂広場(?)の100mほど手前には、
地元のスポーツクラブによる振る舞いが用意されており、
さらにここには、臨時のトイレも設置されている。
登山者がちょうどここを通過する際には、
そのスポーツクラブの人たちから、それぞれに記念カードが手渡される。
まるで駅前のティッシュ配りのごとく、手渡してくれるので、
貰い損ねるということは、まずないだろう。
(あくまでも、龍野窯の前の登山道を登っているということが、
 大前提であるが……)
山頂広場には例年通り、「幸せの鐘」なるものが設置されており、
横にある募金箱に、幾許かの使用料を支払って
これを叩くようになっている。
ただ、あくまでも臨時に設置してある鐘のためか、
これを叩いている人は、それほど多くは無いようである。

山頂近くに辿り着いたのが、午前7時前ぐらい。
あらかじめ調べておいた所によると、元日の日の出は
大体7時10分くらいになっている。
山頂広場は、東方向に開けており、
はるか東の山々を一望することが出来る。
まあ、日の出までまだ時間もあることだし…と、振る舞いの行列に並ぶが、
自分の並んだ豚汁の列は、全く先に進まない。
どうやら、先に登ってきた人たちが豚汁を食べつくしたようで、
あわててもう一度、作り直しているらしい。
これも例年のことである。
ものの5分ほどで、豚汁が出来上がったらしく、
列が前方より消化されていく。
発泡スチロールの容器に入った豚汁をすすり、温かい甘酒を1杯頂いて
体を温めた後、山頂広場へと歩いていく。
すでに山頂広場には、恐ろしいほどの人数が立ち並んでおり、
後からやって来た人たちは、そこから先へと進むことが出来ない。
例の「幸せの鐘」も、人の群れの中に埋もれてしまい、
全く近付くことが出来ない状態だ。
見た感じ、去年よりも人の数が増えているようだ。

山頂で東の空を眺めながら待つこと、数分。
ようやく雲の切れ間から、太陽が姿を見せた。
雲が出ていたせいか、予定の日の出時間よりは、ちょっと遅れている。
とりあえず登った証拠にと、日の出をカメラに収め、
軽く礼拝した後、とっととその場を後にした。
もたもたしていると、山頂広場に大挙している登山者たちが
一斉に下山を開始するだろう。
それに巻き込まれる前に、さっさと下山を始めるのが得策である。

トコトコと歩きながら、的場山の北側まで来ると、
ちょうど新宮町の方向が雲海に包まれていた。
どこの山なのかはハッキリしないが、
雲海の上にちょこっと顔を出しており、
まるで雲海に浮かぶ島である。
そんな風景も写真に収め、冷える山道を下山していった。

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そんなワケで、今年の「元旦登山」は、
「元旦登山」としては初めての単独行となった。
単独行自体は珍しいものでもないし、
前にも後ろにもズラッと人がいるので、
特に寂しいと思う様なこともなかった。
ただ、今年だけのことではないのだが、
この「元旦登山」にやってくるのはやはり、家族連れが一番多く、
その次に、子供たちが友達同士連れ添って来ているのが多い。
暗い中、1人で黙々と山道を登っていると、
前からも後ろからも、子供の元気な声が聞こえてくる。
そんな子供たちの声の中、たった1人で暗い山道を歩いていると、
ふと、自分が若返って子供になった様な錯覚すら覚える。

例年通り、友人たちと一緒に山道を歩くのもいいが、
たまには1人で参加して、正月早々、若返った様な気持ちになるのも
決して悪い気分ではないものだ。

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