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ホース盗難事件

更新日:

先日、何気にたつの市の防災ネットを見ていたら、
こんな注意喚起のお知らせがあった。

防犯情報(9月25日・たつの)

「8月中旬から9月上旬にかけて、たつの市内において、
 消防用ホース格納庫から、消防用ホース等が盗まれる窃盗被害が
 連続発生しています」

たつの市に限ったことではないのだが、
町中のあちこちに、消防用ホースをしまってある
金属製のケースがある。
そんなもの、あったかな?と思っている人もいるだろうが、
よくよく注意して町中を観察してもらえれば、
意外にあちこちに、ホースをしまってあるケースが見つかる。
高さが1m、奥行きは30㎝ほどもない、
平べったいロッカー状の箱である。
色は銀色のものもあるが、やはり全体的に見れば赤いものが多い。
正面には「ホース格納箱」などと書かれており、
すぐ近くに消火栓があることも多い。
鍵などはついていないので、
開けようと思えば誰でも開けることが出来る。

え?そりゃいくら何でも不用心じゃない?と、思う人もいるだろうが、
これに鍵などをつけてしまうと、
いざというときに箱が開けられない、なんていうことも起きる。
これでは近くに消火栓があっても、使うことは出来ない。
そのため、この「ホース格納箱」には鍵がついておらず、
必要に応じ、誰でも消火活動を行えるようになっている。
この箱を開けてみると、中にはキレイにたたまれたホースがいくつかと、
ホースにつける筒先、消火栓を開くための道具などが入っている。
もちろん、これらには正しい使用方法があり、
キチンとそれを理解して扱わないと、
いざというときにも、全く役に立たない。
消防署や自治体が主導の防火訓練が行なわれており、
そういう訓練の中で、これらの正しい使用方法を教えてくれる。
少なくとも1回くらいは防火訓練に参加し、
これらの消火道具の使用法を学んでおく必要がある。

防災ネットのお知らせによれば、たつの市内において、
このホース格納箱から消防用ホース等を
盗み出している輩がいるらしい。

しかし、ここで当然、1つの疑問が頭に浮かぶ。
すなわち、「そんなもん盗んで、どうするの?」ということだ。
消防用のホースは、その口径も広く、
これを一般家庭にて、ホースとして使用するのは、
全くの不可能である。
さらにいえば、普通の家庭にある蛇口からの水の勢いでは、
消火作業に使っているように、勢いよく水を飛ばすことも出来ない。
ということは、このホースを使うことが出来るような
特殊な設備のある者が盗んで回っているのか、
あるいは、全くのイタズラ目的なのか、である。
何せ、あまりにも特殊なアイテムなので、
これを売り払って換金しようにも、あっという間にアシがついてしまう。

……とまあ、そんなことを考えて、
一体、あの消防用ホースに、どれくらいの金銭的価値があるのかと
調べてみた所、安いものでは5〜7000円ほど、
高いものでは20000円ほどという価格帯であった。
使用目的が限定的なだけに、はたしてこの価格が高いのかどうかも
ピンと来ないのだが、まあ、買おうと思えば、
個人で購入することも可能な価格である。
さすがに中古品では販売されていないだろうと、
「消防用ホース」「中古」というワードで検索してみた所、
恐ろしいことにオークションサイトで1〜2個ほどヒットした。
未使用の中古で3000円、もう1つは、なんと300円である。
どちらにも全く入札が入っておらず、
特に人気のある商品、というワケでもないらしい。
まあ、消防用ホースなんて、人の命に関わって来るものなので、
皆、新品を購入するのだろう。
……。
というか、この未使用中古品を販売しているのって、
今回の事件の犯人じゃないよな?

防災ネットの情報によれば、どうもホース等の盗難が続いているのは
たつの市内だけの様なのだが、他の場所でも
同じような事件が起きていないか、調べてみた。
そうすると、結構、これがあちこちで盗まれているのである。
ただ、よくよく調べてみると、
それらの事件のほとんどは、
ホース自体が盗まれているのではなく、
ホースと一緒に格納箱に入れられている、筒先が盗まれている。
消火の際に、消防士が手に持つ金属製の部分である。
こちらが盗まれる理由というのは、この筒先に使われている
「真鍮」が目的らしい。
一時、鉄の値段が高騰した時期に、
側溝のフタなどが盗まれる事件があったが、
これと同じようなものらしい。
ただ、ホースが盗まれるという事件は見当たらなかった。

防災ネットによれば、ホース格納箱にアラーム等を設置などして
盗難防止策をとったり、不審者や不審車両を見たら
すぐに警察に通報するように、呼びかけている。
こういう呼びかけをしている、ということは、
あちこちに設置してあるホース格納箱は、市の管轄ではなく、
各地区の予算・管理によって設置されている、ということだろう。
各地区自治体にしてみれば、ホースを買い直すのは
結構、痛い出費に違いない。

町中に設置してある消防用具は、人の命に関わってくる重要な道具だ。
格納箱に鍵がついていないからと、これをホイホイ盗んでいくなど、
全く言語道断の犯罪行為である。
そういう事件が起こっている、ということを頭に入れておき、
不審者が格納箱をいじっているのを見つけたら、即座に通報を。

もちろん、ホース格納箱や防災に興味を持つのはいいことだが、
このタイミングでホース格納箱を触ったりしていると、
通報されてしまう可能性もある。
くれぐれもご注意を。

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