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音水湖

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前回、宍粟市へ「シソ」を使った「シソスイーツ」を
食べに行った話を書いたが、
実はその際に、少し北の方へ足を伸ばし、
「音水湖」を訪れていた。

「音水湖」。
これで「おんずいこ」と呼ぶ。
湖ということになっているが、これは天然の湖ではなく、
揖保川の支流・引原川に作られた、
「引原ダム」によって生まれた人工の湖である。
そうなると、話の順序としては、
まず、「引原ダム」について書いた方が良いだろう。

「引原ダム」は、1953年着工、1957年に完成した
重力式コンクリートダムである。
この重力式コンクリートダムというのは、
コンクリートの重量によって、水圧に耐えるタイプのダムである。
ある意味、もっともシンプルな構造のダムといっていいかも知れない。
ダムとしては、もっとも頑丈な形式であり、
地震や洪水にも強い構造である。
堤高は66m、堤順長は184.4m、
総貯水量は21950千㎥になる。
こうして書いていても、どれくらいの容量なのか想像しにくい。
湛水面積、つまりダム湖の面積は88ha。
こちらもパッとはイメージしにくい。
分かりやすいように、これらを
「東京ドーム」という単位に直してみると、
総貯水量は、東京ドーム17.7杯分、
湛水面積は、東京ドーム18.7個分ということになる。
……。
まあ、兵庫県民にとって「東京ドーム」という単位が、
理解しやすいものかどうかは、
突っ込まないでいてくれるとありがたい。
ダム建設の目的としては、洪水調節、農地防災、不特定用水、
河川維持用水、工業用水、発電となっている。
西播地区一帯の治水に関して、結構重要な役割を果たしているようだ。
現在は、定期的に放水が行なわれており、
一種の集客イベントとして、ダムマニアなどを喜ばせている。

1957年に完成したということは、
2016年現在で、ほぼ60年近く稼働し続けていることになる。
この「引原ダム」が作られた当時、
この場所には、付近一帯で最大の集落があったが、
ダム建設にあたって、74戸が水没することになり、
これらの人々は、主に竜野市周辺などに移住することとなった。
たつの市と「引原ダム」の意外な繋がりである。
昔はこの一帯に製鉄従事者や、木地師が住んでいたというが、
恐らく江戸時代以前は、ここや千種地方で作られる鉄が、
川を下って下流へと運ばれ、
様々な道具に加工されていたのかも知れない。
ダム建設によって、集落が湖底に沈む際、
当時の知事が
「すすむ世のためとて あはれさざ波の 
 底に消えぬる 引原の里」
という歌を作り、その歌碑が湖岸に建てられている。
さらに昭和61年、「湖底の笛」という
湖底に沈んだ村をテーマにした、哀愁漂う歌が作られている。

前回書いたように、宍粟市の「シソスイーツ」を食べにきた我々は、
道の駅「いちのみや」と道の駅「みなみ波賀」と回った後、
そのまま千種町へ向かうはずだったのだが、
ちょっと足を伸ばして「音水湖」へも寄って行こうということになった。
別段、「音水湖」に何か見たいモノがあるわけでもなかったが、
せっかくここまで来たのだから…、というだけで、
国道29号線沿いに足を伸ばすことになったのだ。
(千種町へ行くには、途中で429号線へ曲がらないといけない)

かなりの山奥なので、道路には信号機も少なく、
快調にドライブを楽しむことが出来る。
道の駅「みなみ波賀」を出てから、ほとんどノンストップで走り、
ものの15分ほどで、道路の左手側に大きなダム湖が見えてきた。
そのままダム湖を左手に眺めたまま、
快調に29号線を走っていたが、
南北に長い「音水湖」の真ん中あたりまで来た際、
道路の下にある、極彩色の物体が目に入った。
ちょうど路肩に駐車スペースがあったので、
早速、車を降りて、先ほどの極彩色の物体を確認してみると、
それはいくつもの、カヌーやカヤックであった。
それらは全てプラスチック製であり、赤、青、緑、黄と、
派手な原色の船体を持っている。
それらのカヌーが、鉄パイプで出来た簡易の収納棚に入れられており、
そこだけ、あたりの風景の中でひどく浮き上がっている。
その周りには、救命胴衣を着込み、パドルを手にした人たちが
群がっている。
彼らは、2人で1つのカヌーを取り出すと、
そのまま水面の方へと下りていった。
よく見てみると、水面まではコンクリートが階段状に固めてあって、
その水際にカヌーを浮かべ、2人ずつ乗り込んで
沖の方へ漕ぎ出していく。
進行方向に背中を向け、オールを漕ぐボートとは違い、
進行方向を向いてパドルを漕ぐカヌーは、
素人目にも楽しそうに見える。
1つのカヌーに2人が乗り込み、
それぞれにパドルを持っているのだが、
2人がタイミングを合わせてパドルを操っている。
(といっても、前に乗っている人には後ろの人が見えないので、
 後ろの人が上手くタイミングを
 合わせているだけかも知れないが……)
水面から漕ぎ出したカヌーは、広い水面をスイスイと進んでいき、
あっという間に小さくなった。

ちょうど、自分たちが車を停めた場所の傍に
「音水湖カヌークラブ」というのがあり、
収納棚に収められたカヌーは、そのカヌークラブの所有らしい。
水面を見ると、所々にレース用のブイなどが浮かんでいる。
どうやら、「音水湖」ではこの広い平水面を活かし、
カヌー、カヤック、SUPなどのレイクスポーツが盛んなようである。
(この日は、ずいぶん人の数は少なそうだったが……)

この日は、「シソスイーツ」が目的であったため、
それ以上、長居せずにUターンして千種町へ向かったのだが、
緑の山々に囲まれた広い水面で、
のんびりとカヌーやカヤックを漕ぐというのは、
実に楽しそうである。
後から「音水湖カヌークラブ」について調べてみると、
特に会員制の様なものもなく、誰でも気軽に利用できるらしい。
価格については、シングルカヤックが1時間レンタルで500円と、
結構リーズナブルなようだ。
(もっとも、他を知らないので、
 この価格が本当にリーズナブルかどうかは、わからない。
 ちなみに、前にこのブログで紹介した「SUP」は、
 1時間レンタルで2000円。
 さすがに流行ものだけあって、結構いい値段だ。
 初心者の場合は1時間の講習を受けなければならないらしく、
 こちらの講習の方は4000円となっていた)

残暑の厳しい今年。
涼しいダム湖で、のんびりとカヌーを漕ぐというのも悪くない。
(ちなみに音水湖カヌークラブの営業日、営業時間は、
 土、日、祝日の朝9時から夕方5時までである)

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