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クワガタムシ〜その1

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ちょうど、自分が小学生の高学年のころ、
自分の周りでは、カブトムシやクワガタムシを飼うのがブームになった。

毎年、夏になると発生する、一過性のブームだったのだが、
他に娯楽らしい娯楽のない子供たちは、
夢中になって昆虫採集に勤しむこととなった。
毎朝早くに虫かごを持って「穴場」に向かい、
そこにいるカブトムシやクワガタムシを捕まえた。

カブトムシとクワガタムシというと、
両者とも同じようなものに思われるかも知れないが、
そこには「種」の違い以外にも、大きな違いがあった。

カブトムシには種類がない。
もちろん、厳密に言えば全く無いわけではなく、
ある程度の種類はあるのだろうが、
少なくとも日本国内に限って言うのであれば、
カブトムシは概ね、あのカブトムシである。
雄には2本の立派な角があり、何とも迫力があるが、
一方の雌には角がなく、ツルンとした見た目である。
こういうことを言い切ると文句が出るかも知れないが、
はっきり言って、大きくて黒いカナブンである。

一方のクワガタムシには、何種類かの品種がある。
オオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタ、ノコギリクワガタ、
ミヤマクワガタなど、自分の身近にいたクワガタムシだけでも
ザッとこれだけの数を上げることが出来る。
それぞれ、見た目や大きさにも違いがあり、
当然、それぞれの珍しさによって価値に違いがあった。
今風の言葉を使って言うのであれば、
レア度の高いクワガタムシということになるだろうか?

そういう意味では、大きさくらいしか比較しようのない
カブトムシに比べて、クワガタムシの様々な品種は子供心をくすぐる。
少なくとも、自分の周りに限っていうのであれば、
当時、クワガタムシの人気はカブトムシを上回っていた。

自分もそのブームに当てられるようにして
カブトムシやクワガタムシを探しに出かけることとなった。
今までにこのブログで触れているとおり、
自分の住んでいるたつの市揖西町は田舎である。
何十年もたった今現在でさえ田舎なのだから、
当時は凄まじい田舎と言って良いだろう。
そんな田舎であれば、
カブトムシやクワガタムシなどいくらでもいるだろう?と
思われるかも知れないが、当時、田舎にも掃いて捨てるほどいた子供たちが
一斉にカブトムシ、クワガタムシを採りに走れば、
当然、田舎であってもカブトムシやクワガタムシは枯渇する。
そうなれば、ますますカブトムシやクワガタムシの価値が上がり、
それに踊らされた子供たちは、
これらを求めて夏の野山を探し歩くことになる。
そんな状況であったが、我が家のカブトムシ・クワガタムシ飼育用の
ゲージの中には、いつもそれなりの数の
カブトムシとクワガタムシが入っていた。

理由は簡単だ。
当時、我が家は山を半分ほど削った、荒野といっていい場所に
建っていたのだが、もともと山を削った場所だっただけに山に近く、
カブトムシ・クワガタ虫が捕れる穴場に、非常に近かったのだ。
そのため、毎日、誰よりも早い時間に穴場をチェックして、
そこにいたカブトムシやクワガタムシを採ることが出来たのである。
子供ながらに「地の利」という言葉を実感したものである。

「クワガタムシ」は、コウチュウ目クワガタムシ科に属する昆虫である。
大きな特徴として、頭部に左右に開く大きな顎が生えている。
ただ、この大顎を持つのは、雄に限ったもので
雌にも同じように左右に開く顎はあるものの、
雄のそれに比べると、遥かにサイズが小さい。
というよりは、頭部、および大顎の形状で種類の判別できる雄と違い、
雌のクワガタムシは種類の判別が、かなり難しい。
雌のクワガタムシの写真を並べてみても、正直、どれも同じように見える。
もちろん、人気があるのは大きな顎がカッコいい雄の方なのだが、
残念ながら自分が捕まえるのは、雌ばかりであった。
(カブトムシは、結構、雄も捕まえることが出来たのだが……)

名前の「クワガタムシ」は、漢字で書くと「鍬形虫」となる。
この「鍬形」というのは、平安時代以降、
鎧の兜についている「鍬形」のことで、「クワガタムシ」の大顎が
この「鍬形」に似ていることから、この名前が付けられた。
「クワガタムシ」とともに、子供に人気のあったカブトムシについても
角のある頭部が、鎧の「兜」に似ていることから
その名前がつけられたことを考えると、
「兜」というのは、やはり子供の憧れだったのだろうか?
西洋では、「クワガタムシ」の大顎はシカの角に例えられる。
確かにシカの角も「クワガタムシ」の顎と同じく
いくつかに枝分かれした巨大なものが2本ついている。
これを使って、縄張り争い・雌争いをする所も同じだ。
お隣の韓国でも、「クワガタムシ」の顎は
シカの角由来の名前が付けられているが、
もう1つの隣国・中国では、日本と同じように「鍬形蟲」と表現している。
ひょっとすると、この中国の「鍬形」も、日本のそれと同じように
兜に取り付けられている前立てのようなものかと考え、
中国鎧の兜について画像検索してみたのだが、
中国の兜は機能性重視なのか、見た目にはツルンとしてヘルメットに近い。
頭頂部に房がついているようなものや、
顔を出す部分の周りに、炎を模したような飾りがついているものが精々で
日本の兜のように仰々しい「鍬形」は見られなかった。
だとすれば、彼らの言う所の「鍬形」とは、
一体、どこからきたものなのであろうか?
全くの謎である。

この「クワガタムシ」は、世界中で約1500の種類がある。
カブトムシの方も、世界的に見れば1300種以上いるらしいので、
種の多さという見方をすれば、どちらもそれほどかわらない。
ただ、日本国内という範囲に目を向けるのであれば、
カブトムシの方は亜種を含め6~7種類ほどになるが、
「クワガタムシ」だとこれが50種以上になる(亜種を含む)。
しかもカブトムシの方は、そのほとんどが我々の良く知る
ヤマトカブトムシになってしまうため、亜種に出会うことは非常に難しい。
体の大きさ、力の強さといった点では、カブトムシに軍配が上がるのだが
種類の多さという点では「クワガタムシ」が圧倒している。
さらに、この種類の多さという点は、先に書いた通り
希少性がマニア心をくすぐるのか、大人のマニアに人気があり、
カブトムシはその強さから、子供に圧倒的な人気がある。
そう考えてみれば、カブトムシよりも「クワガタムシ」が人気だった
自分の周りの子供たちは、かなりマニア気質だったのだろう。

だが、このマニア好みの「クワガタムシ」は、
後に色々な問題を内包した、大ブームを巻き起こすことになる。
次回はその「クワガタムシ」ブームについて書いていく。

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