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日本人の死の確率

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データ、というものは、その大半がワケのわからない数字の羅列である。

数字に苦手意識を持っている人間などは、
その数字の羅列を見ただけで、頭が痛くなりそうだが、
このデータというものには様々な種類のものがあり、
これらのデータを、腰を落ち着けて眺めると、
意外なことが浮かび上がってきたりする。

自分が図書館に行って本を借りる際、
1冊の中に、様々なデータを集めている本を借りることがある。
今回、自分が借り出してきた本も、
そういったデータがたくさん載っている本で、
そのタイトルを『日本で1日に起きていることを調べてみた』という。
これは日本における様々なデータを、1日という単位で日割りしたものだ。
この本に掲載されているものをいくつか挙げてみると、

・1日に、日本とその周辺で発生する地震の回数
・1日あたり失われる、日本の田畑の面積
・1日に生まれる赤ちゃんと、亡くなる人の数
・1日に、日本のどこかに「くまモン」が現れる回数
・1日に、日本で出版される本(新刊)の冊数
・日本人1人あたり、1日に食べるご飯の量
・日本の女子高生が、1日にスマホをつかう時間
・香川県民が1日に食べるうどんの量

などである。
非常に真面目で社会的なデータもあれば、
私たちのすぐ身の周りで起こっている、全く何気ないデータもある。
そんな様々なデータの中で、今回、自分が特に気になったのは

・1日に、日本で発生する殺人事件の被害者の数

というデータである。
殺人事件というのは、ある意味、普通に暮らしている人間にとっては
究極の非日常的事態といっても良いだろう。
これは一体どれくらいだと思うだろうか?
正解は、1日あたり0.79人である。
確率的にいえば、1日あたりほぼ80%ほどの確率で、
誰かが殺されているということになる。
これを年単位に直せば、日本では1年に288人の人間が
殺人事件の被害者になっているということである。
これを多いととるか、少ないととるかは個人の受け止め方次第だが、
このデータにはもうひとつ、10万人あたり、
何人が殺人事件の被害者になるのか?という各国のデータもついてきており、
それによれば、日本では10万人中0.3人が殺人事件によって
命を落としている。
これは世界の国々の中でも、トップクラスに少ない人数であり、
日本以上に人が殺されない国は、ほんの数カ国だけである。
(そのほとんどがナウルやサンマリノのようなミニ国家で、
 調査をした年の殺人事件の数が0だったというものばかりだ)
逆に、もっとも多くの人間が殺されているのは、
エルサルバドルの108.6人で、
仮にこの割合で日本で殺人事件が起これば、
なんと1年間に104354人の人間が、殺されているということになる。
これは東日本大震災の死者・行方不明者数の5倍以上にあたる。
年間にこれだけの殺人事件が起これば、
日本の警察がいくら優秀だといっても、手に負えない事態になるだろう。

この各国のデータが掲載されている表の横の欄に、
「日本国内で、ほぼ同じ確率の例」というのが書かれており、
そこに、先に書いた10万人のうち○○人という形式で、
様々な事例が掲載されているのだが、
そこに日本人の様々な死亡例が書かれていた。
本来であれば、これは全く本筋に関係のないデータということになるのだが、
この本筋に関係のないデータが、なかなかに面白かったので、
今回は、特別にここのデータに注目して、書き出していってみたいと思う。

まず、日本における殺人事件の被害者数、
つまり10万人中0.3人という数字だが、
じつはこれは、日本で山岳遭難によって亡くなる人の数と同じである。
つまり日本では、年間288人が山岳遭難によって亡くなっているわけだ。

これが水難事故、つまり水の事故によって亡くなる人の数
ということになると、倍の10万人中0.6人になる。
年間576人ほどが、水の事故で亡くなっているということになる。

これより少し確率が高いのが、熱中症によって亡くなる人の数で、
これは10万人中0.7人である。
年間にすると672人が、熱中症で亡くなっているわけだ。

さらにそれより少し確率が上がり、10万人中0.9人が亡くなるのが
インフルエンザによる死亡である。
年間にすると864人が、インフルエンザで亡くなっている計算になる。

ここからさらに確率が上がり、10万人中1.2人が亡くなるのが
火災による死亡である。
ちょうど殺人事件の4倍の確率である。
ただ近年、火災の原因の1位は「放火」ということになっているので、
ひょっとしたら火災で亡くなった人の中にも、
殺人事件といえるケースもあるのかもしれない。
年間にすると1153人が亡くなっている。

10万人中1.5人が亡くなっているのが結核だ。
抗生物質の登場などにより、結核で亡くなる人の数は激減したが、
それでも年間にして1441人ほどが、結核で亡くなっている。

そして10万人中3.1人と、結核の倍以上の人間が亡くなっているのが
交通事故である。
去年、友人の母親も交通事故で亡くなったが、
年間にすると2979人が、交通事故で命を落としている。

これよりさらに多い10万人中5人が、うつ病で自殺している。
毎年、交通事故で亡くなる人よりも倍近い人数が、
うつ病を患って、自ら命を絶っているのだ。
この辺りは、日本の社会に潜む問題の根深さを感じさせる。
年間にするとおおよそ4805人が、うつ病で自殺していることになる。

ここからさらにグッと増えて、10万人中9.9人の命を奪っているのが
くも膜下出血である。
こちらは遺伝的な要素の他に、喫煙、高血圧、アルコール多飲などでも
そのリスクが上がってくるため、生活習慣による影響も大きそうだ。
年間にすると9513人が、これで亡くなっている。

さらに10万人中26.8人の命を奪っているのが膵臓がんだ。
こちらは早期発見が困難な上に、進行が早く、治療は極めて困難だ。
年間にすると25754人が、これで命を落としている。

これからさらに増えて、10万人中33.7人が亡くなるのが
急性心筋梗塞だ。
この辺りになると、身近で耳にすることも
多くなっているのではないだろうか?
年間にすると32385人が、急性心筋梗塞によって亡くなっている。

そして10万人中59.8人が亡くなるのが肺がんだ。
近年では、煙草を吸う人も減ってきているのだが、
それでもこれだけの人数が、肺がんにて命を落としている。
そういう風に考えると、タバコの害というのは甚大なものである。
(もちろん、煙草を吸う人が全て肺がんで亡くなるわけでもないし、
 煙草を吸わない人も、肺がんでなくなることもあるのだが……)
年間にすると57467人が、肺がんで亡くなっている。

どうだろうか?
こうして並べてみれば、実に色々な死因があり、
それぞれが驚くほど低確率であったり、高確率であったりしている。
自分の好きな山での遭難死が、殺人事件にあって
殺されるくらいの確率であったり、
煙草のもたらす健康被害の大きさなどが、
否応も無くデータから読み取れる。
この辺りが、データというものを読み解く、1つの醍醐味だろう。

上記の『日本で1日に〜』という本には、
この手のデータが分かりやすく紹介されているため、
どのように上手くまとめられた文章を読むよりも、
現実の日本の姿を実感することが出来る。

興味のある人は、書店や図書館などで探してみよう。

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