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サラヤの謎

投稿日:

先日、新宮図書館に行った帰りに、
姫新線・播磨新宮駅北の道を通ると、
懐かしいものを見つけた。
赤いボックス型の弁当屋である。

これは地域限定の話になってしまうのだが、
ある程度年齢のいった人なら、
「サラヤ」という弁当屋を覚えているはずだ。
現在のように、コンビニやほか弁などが出来る以前、
あちこちの幹線道路沿いにあった、弁当屋である。
最初に「赤いボックス型」と書いたが、
確かにその店は「箱」と表現するのが
ぴったり来るような小型店舗で、
屋根はなく、屋根の代わりにドーム状のテントが
張ってあった。
実際、その店舗は箱そのもので、
店を設置する際にも、
ドラックの荷台に店をのせて運んできて、
適当な場所にこれを下ろすだけ、という手軽さだった。
それだけに、気がついたら店ができていて、
同じように、気がついたら店が無くなっていた。

店の正面は、上半分がシャッターになっていて、
これを上げると大きなガラスケースがあり、
その中に弁当などが並べられていた。
ちょうど店の裏側に当たる部分に、ドアがひとつあって、
販売員のおばちゃん(記憶している限り、
販売員はおばちゃんが多かった)は、
そのドアから出入りしていたようだ。
もちろん、小さな箱なので、
中に調理設備などはあるはずもなく、
売り物である弁当は、
店が開店する前にトラックがやってきて、
運び込んでいたようだ。

自分の記憶している限りでは、
龍野市揖西町の龍野塩回送という会社の近くに、
この店があった。
先に書いたように、気がついたら店が出現し、
気がつけば店が無くなっているのが常だったので、
たまに店が無くなっていることもあった。
しかししばらくすると、また同じような場所に
店が出現しているのである。
出たり消えたりする、不思議な弁当屋だった。
面白いことに、毎回同じ場所に出現するのではなく、
数mほどずれて出現することは、ままあった。
それどころか、まれに数百mも離れた場所に出現し、
うちの家のすぐそばに出現したこともあった。
その時は一度だけ、弁当を買いにいき、
家族で食べた記憶がある。
確かとんかつ弁当だったと思う。
現在のコンビニ弁当などに比べると、飾り気はないものの、
素朴でほっとする味だった……と思う。
記憶が曖昧で申し訳ないが、なんせ数十年前の子供のころに
一度だけ食べた味なので、
はっきりと覚えていないのである。
メニューを覚えていたのでさえ、奇跡のようなものなのだ。
まさに、幼き日の郷愁の弁当屋なのである。

この「サラヤ」、
気がつけば、完全に姿を消していた。
昔はこの辺りを車で走れば、
本当にあちこちにあったのだが、
いつの間にか、煙のように消えてなくなってしまった。

その、消えたはずの「サラヤ」があったのである。
ちょうど播磨新宮駅の北、ブンセンという食品会社の
駐車場の一画に、その赤いボックスがおいてあった。
そういえば、「サラヤ」はブンセンの系列の店だと、
昔、聞いたことがあるような気がする。
全滅したはずの「サラヤ」が、
こんな所で生き残っていたのである。
もちろん、ただ店がおいてあるだけでなく、
シャッターは開いていて、ガラスケースの中には
売り物の弁当が並んでいた。
ここの「サラヤ」は、ちゃんと営業していたのである。

この「サラヤ」との再会で、郷愁を覚えた自分は、
「サラヤ」についてネットで調べてみた。
すると、どうしたことだろう?
「サラヤ」というのは、
広島のふりかけメーカー「三島食品」から分社した、
子会社である、と書いてあった。
え?広島?
ひょっとして、全く別の会社なのかと思い、
画像検索をかけてみると、
あの懐かしいボックス型の店舗の写真が出てくる。
あれ?「サラヤ」って、
ブンセンの弁当屋じゃなかったの?と思い、
ブンセンのホームページを確認してみたが、
そこには「サラヤ」について、ひとこともなかった。
会社の歴史を確認しても、
まったく「サラヤ」は出てこない。

ひょっとして自分は幻でも見たのかと思い、
グーグルのストリートビューで確認してみると、
やはり同じ場所に、赤いボックスの弁当屋がある。
だが、これで確認した所、
ボックスのシャッターは下りており、
シャッターには「サラヤ」という屋号ではなく、
トンボの絵が描いてあった。
調べてみると、このトンボはブンセンの子会社の、
米飯などを扱っている会社、
「ニギー食品」のマークのようだ。
と、いうことは、
我々が「サラヤ」だと思っていた弁当屋は、
実は「サラヤ」ではなかったのだろうか?

しかしネットの細かい情報を丹念に集めていくと、
やはり「サラヤ」はブンセンの弁当屋という情報が多い。
さらにあの特徴的な赤い箱状の弁当屋は、
確かに広島の「サラヤ」が使っていたものと同一品っぽい。
ではブンセンと、三島食品に何か繋がりがあるのか?
そう思って両者のホームページなどを調べてみたが、
やはりそこに繋がりを示すものは、何も存在しなかった。
いっそのこと、ブンセンにメールを送り、
この点について質問してみようかと思ったが、
何とブンセンには、会社のメールアドレスが存在しない。

さすがに、これだけ相反する断片しかなくては、
いかんとも推測の立てようもない。
広島・三島食品の「サラヤ」と、
兵庫・ブンセンの「サラヤ」。
この関連性、類似性、裏話などについて、
知っている人がいたら、是非教えてもらいたい所だ。
この2つの「サラヤ」の間には、
どんな関係があるのだろうか?

ちなみに現存している「サラヤ」は、
ブンセンの駐車場にあるこの店だけだ。
もし、懐かしい、
また「サラヤ」の弁当を食べたい、
という人がいれば、播磨新宮駅北口辺りを散策してみよう。
あの赤いボックスの弁当屋を見れば、
気分は何十年も前にタイムスリップするだろう。

あの懐かしい、赤いボックス型の弁当屋は、
ちょっとした観光資源になりうるかもしれない。

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