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雑感、考察

「イボガワ」リバー

更新日:

先日、ニュースサイトで地域ニュースを見ていたら、
こんな見出しが目に入った。

『道路標識「イチリバー」は英訳間違い
 国土地理院が駄目出し』

ちょっと記事の内容を書き出してみよう。

兵庫県姫路市砥堀の国道312号線から
播但連絡道路「砥堀」ランプに向かうと、
緑色の標識が目に飛び込んでくる。
「ICHI RIVER」(イチリバー)。
2級河川「市川」の英語表記だが、何か変だ。
国土交通省国土地理院が定めた英語表記基準や、
全国の事例を可能な限り調べると、やはり変だとわかった。

さて、ここで自分も首をひねることになった。
日本の地名の英語表記には詳しくないのだが、
「市川」を「ICHI RIVER」と英語表記して、何か変なのだろうか?
中学・高校と英語を習ってきたが、正直、成績はあまり良くなく、
「市川」を「ICHI RIVER」としても、違和感を感じない。
いや、もっと正直に言えば、そこに違和感を感じるだけの英語力が無いのだ。
ひょっとすると「川」のみを「RIVER」としている所が問題で、
「市」の方についても「ICHI」ではなく、英語に直せということだろうか?
そうなると「市川」は「CITY RIVER」ということになるが……。

もちろん、この記事が言っているのはそういうことではない。
この記事が、一体、どういう意味で書かれているのか?ということを知るには、
もう1つの「市川」の英語表記を見てみる必要がある。

同じ「市川」の英語表記であっても、
姫路バイパス市川ランプ手前にある標識には
「Ichikawa Riv.」と書かれている。

これを見て、首をひねる人も多いはずだ。
これ、直訳すれば「市川川」ということになるのではないか?
先の「ICHI RIVER」と比べると、こっちの表記の方に
違和感を感じる人の方が多いのではないか?
しかし、国土地理院の基準で言えば、
正しいのは「Ichikawa Riv.」の方だと言う。

国土地理院が「市川」を「Ichikawa Riv.」と表記する根拠はこうだ。

・川の名前を取った地名などがある場合、
 「カワ」「ガワ」を残して、「リバー」を付け足す

今回の「市川」の場合、市川流域に市川町という地名が存在しているため、
「ICHI RIVER」とはならず「Ichikawa Riv.」になるというわけだ。
では、もし仮に市川町という地名が存在していなかったら
「Ichikawa Riv.」ではなく「ICHI RIVER」になるのか?といえば、
やはりそういうことはなく、「Ichikawa Riv.」のままだという。
実は「カワ」「ガワ」を残す根拠というのは、
先に挙げた「地名がある」だけではない。
もう1つ、

・川を除くと漢字が一字、かつ読みが2文字以内の短い河川名は
 「カワ」「ガワ」を残す

という法則があるのだ。
「市川」の場合は、こちらの方の法則にも引っかかっているため、
仮に市川町という地名が存在しなかったとしても
やはり「Ichikawa Riv.」という表記になるというわけだ。

兵庫県内で言えば、
「加古川」は「加古川市」があるため「Kakogawa Riv.」に、
「猪名川」は「猪名川町」があるため「Inagawa Riv.」になるというわけだ。
我がたつの市を流れる「揖保川」についても
同様に「揖保川町」が存在しているため、
山陽自動車道に設置されている河川名標識には
「Ibogawa Riv.」と書かれている。
逆の例を挙げれば、赤穂市などを流れている「千種川」という川があるが、
同じ山陽自動車道の河川名標識では、これは「Chikusa Riv.」となっている。
川の上流域には「千種町」という地名はあるものの、
「千種川町」ではなく、「川」が地名に含まれていないため、
「カワ」「ガワ」が英語表記から省かれているのだ。
さらに言えば、「千種川」は漢字で2文字ということになるので、
もう1つの方の法則にも抵触していない。

ただ、1つ断っておかなければならないのは、
これはあくまでも国土地理院の法則に基づいた英語表記であり、
正式な意味での英語表記なのか?ということになれば、
ここにも1つ疑問符がつく。
この記事の中では、「Ichikawa Riv.」の表記を外国人に見てもらい、
それをどう思うか?という点についても調べていたのだが、
それによると「市川川」となる「Ichikawa Riv.」は
本当の意味からはやはりおかしい、とのこと。
つまり英語的に正しいのは、やはり「ICHI RIVER」の方だということになる。
この国土地理院の英語表記法則には強制力が無いため、
各地の看板などでは、それぞれによって表記は違ってきている。
あくまでもこれらは、「国土地理院」の表記に従うのであれば、
という条件での話ということになる。

さて、この英語表記を扱っている記事では、
「川」の表記だけでなく、「山」「海」の表記についても触れられていた。
「山」は単純に「Mt.」(マウント)に置き換えるのだが、
「氷ノ山」のように「直前が『ノ』などの助字」、
「読みが標準的な『やま』『さん』『ざん』でない」場合、
例外として「マウント ヒョウノセン」という表記になるという。
同じく「播磨灘」は「ハリマナダシー」、「瀬戸内海」は
「セトナイカイシー」となり、「『灘』や『内海』の場合は
『海』に直訳しない」という法則があるらしい。
この辺りは、まさに「Ichikawa Riv.」と同じ法則になる。

全くもって複雑怪奇な国土地理院の表記法則だが、
これらに対しての事前知識を持っていた場合、
ちょっとした話のタネにはなるだろう。

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