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真言宗と真言

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先日、春のお彼岸ということで、お坊さんがやってきた。

お経をあげてもらったわけだ。

お経をあげてもらっている間、お坊さんの後ろで、仏壇に向かって

手を合わせているのだが、難しいのがお茶を出すタイミングだ。

ベストなのは、お経をあげ終わった時に、お茶とお茶菓子が準備できていて、

さらにお茶が冷めていないことである。

そうなると、どうしてもお坊さんがお経をあげている途中で席を立ち、

お茶をいれに行かなければならない。

そのタイミングが早すぎると、お茶が冷めてしまうし、

そのタイミングが遅すぎると、お坊さんを無駄に待たせてしまうことになる。

そうなってくると、お経の進行度を理解するというのが、重要なことになる。

それによって席を立つタイミングを計るからだ。

つまり、集中してお経を聞いていなければならない。

子供の頃は、お経を聞いていると眠くなったものだが、

まさか歳をとって、こんなに真剣にお経を聞くことになるとは思わなかった。

で、そのお経を聞いていて、いくつか気づいたことがある。

ひとつは、うちにくるお坊さんのお経ラインナップの中に

「般若心経」があること。

「般若心経」は恐らくは誰でも名前を知っている、お経界のスーパースターだ。

もうひとつは、「般若心経」の後に「のうまくさーまんだー」に代表される

いわゆる「真言」を繰り返して唱えること。

こちらは映画などで、山伏等が唱えているのを聞いたことがあるかもしれない。

そう、うちは「真言宗」だ。

今回はこの真言宗と真言について、書いていく。

真言宗は日本における仏教の宗派のひとつだ。

日本の仏教には、全部で13の宗派がある。

真言宗はその中でも天台宗と並んで歴史があり、

奈良時代末期から平安時代初期に、弘法大師空海によってひらかれた。

密教、曼荼羅などがこの宗派の重要キーワードで、

大日経、金剛頂経が主な教典、大日如来がご本尊となる。

真言宗は、密教である。

密教の「密」とは秘密の「密」だ。

これは空海が唐にいた当時、最先端だった宗派で、

彼によって日本へ持ち帰られた。

同じ時期に唐へ留学していた伝教大師最澄も、日本に持ち帰ろうとしたが、

留学時間の問題もあり、しっかりと持ち帰ることはできなかった。

後にこの密教を巡って、空海と最澄の関係はギスギスとしたものになる。

密教は天台宗にも伝わっており、こちらを「台密」

真言宗の密教は「東密」と呼ばれる。

真言宗の「真言」だが、「真実の言葉」という意味がある。

なんというかそのままだ。

もっとわかりやすく言えば仏にコンタクトするための呪文で、

それぞれの仏にそれぞれの真言がある。

言葉のイメージから、「真言」は「真言宗」の専売特許のように

考えてしまうが、実は他の宗派も普通に「真言」を唱える。

その「真言」をいくつか書き出してみる。

のうまくさーまんだー・ぼだのうばく  (釈迦如来)

おん・ばさら・だとばん        (大日如来)

おん・あびら・うんけん        (大日如来)

おん・べいしら・まんだや・そわか   (毘沙門天)

おん・かかか・びさんまえい・そわか  (地蔵菩薩)

まず、大日如来の真言が2つある。

仏教には曼荼羅という、仏教の世界観を描いた一種の絵図があるのだが

密教の曼荼羅は2系統あり、それぞれ金剛界、胎蔵界という。

そのどちらの曼荼羅にも、中央のいい所に大日如来がドンと鎮座している。

そのため金剛界、胎蔵界それぞれに大日如来の真言があるのだ。

つづいて5つの内、4つが「おん」で始まっている。

これについては意味がある、という説と意味はないとする説がある。

毘沙門天と地蔵菩薩の真言の最後の「そわか」についても同じだ。

意味があるという説では「おん」は「帰命する」、「そわか」は「成就」

という意味としているようだ。

続いて意味はないという説。

それをふまえて地蔵菩薩の真言を和訳してみよう。

おん・かかか・希有なるものよ・そわか

「びさんまえい」が「希有なるものよ」になっただけだ。

「かかか」は「ははは」で笑い声のことだと言う。

それなら「かかか」は「かかか」でいいではないか、ということで

そのままにしておいた。

仮にここで「おん」と「そわか」を上に書いた意味で置き換えてみても、

どうもきちんとした意味のある文にはならない。

意味がないとする説では「おん」も「そわか」も定型句の様なものらしい。

この真言を3回とか、7回とか繰り返して唱えることで、

それぞれに対応している仏に、コンタクトし、働きかけるのだと言う。

昔流行った、UFOをよぶ呪文に似ていると思ったことは秘密だ。

さて、この地蔵菩薩の「真言」を見て、ちょっとしたことに思い当たった。

「かかか」という笑い声の所である。

「真言」の生まれた古代インドでは、「かかか」と笑っていたのだ。

自分は「カーッカッカッカ!」と笑う人物を知っている。

『キン肉マン』に出てくるアシュラマンだ。

いつの間にか魔界のプリンスになってしまったこの超人は、

確か初期のコミックスでは「インド出身」となっていた。

もしや……?とも思ったが、多分ただの偶然だろう。

他の漫画家ならいざ知らず、『キン肉マン』の作者ゆでたまごが、

そこまで凝った設定をするとは考えられない。

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