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柿騒動

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今年は、我が家のが大豊作である。

特に近年ないほどの大豊作で、その点については嬉しい限りなのだが、
その反面、嬉しくない事態が発生した。

最初にことが起こったのは数ヶ月前。
ちょうど、台風がやって来た時のことだ。
夕方、風が強くなり始め、家の周りの飛ばされそうなものを片付けて、
家の中でホッと一息ついた所に、メキメキッという音が聞こえてきた。
家の表の方からだ。
何があったのかとベランダに出て、家の表を見てみると、
そこに立っている柿の木の形が、まるで変わってしまっている。
すぐさま外に出て、柿の木を確認してみると、
太い枝が、まっぷたつに裂けるように折れてしまっている。
折れた枝は、完全に幹からは別れておらず、
折れた状態でぶら下がっている格好だ。
すぐにノコギリで切り離してしまいたかったのだが、
すでに風はそこそこ強くなってきているし、
陽も落ちかけて足下もおぼつかない。
とても今から、そのような作業の出来る状態ではない。
仕様がなしに、その晩はそのままの状態で柿の木を放置し、
台風の通過を待つことになった。

翌朝、台風が過ぎ去った後、脚立とノコギリを持ち出して、
折れていた枝を切り離した。
折れた部分は巨大で重たく、とてもそのままの状態では持ち運べない。
結局はノコギリで、さらに細かく分断して、これを取り除いた。
それにしても、その枝の重さは異常なほどだったのだが、
それはひとえに、その枝が大量につけていた「実」のせいであった。
まだまだ青く、固い実であったが、まさに鈴なりといっていいほどに
実っており、その枝はすでに大きく折れ曲がっている状態だったのだ。
そこへ台風の強風がやって来て、今回の事態となった。

この一件によって、相当な数の柿の実がダメになったのだが、
実のところ、それについては全く心配していなかった。
残っている柿の木の枝には、その数倍の数の「実」が
ぶら下がっていたからである。

その後、幾たびかの台風を経ても、柿の木は折れることなく10月を迎え、
ようやくオレンジ色に色づき始めた。
だが、時を経てさらに大きさを増した「実」は、その重量を増し、
柿の木の全ての枝が、大きく垂れ下がった。
まるで柳の木のようだ。
このまま放置しては、柿の木にもいいわけがない。
まだ「実」は十分に赤くなっていなかったが、
とりあえず色づきの良さそうな「実」を10個程度選んで、
この皮を剥いてヒモに取り付け、ベランダに吊るした。
試しに干し柿にしてみたのである。

ぶら下がっている柿の「実」の色は白い。
まだ、どこかに赤くなっていない部分のある「実」を収穫したのだから、
それも無理もない話だ。
はたして、これが無事にちゃんとした干し柿になってくれるのか?と、
心配しながら経過を観察していたのだが、
2~3日後には水分が抜けて、徐々に赤味を増し始めた。
熟れの良かった「実」などは、もうすっかり赤くなっていて、
さわってみると、フヨフヨとした柔らかさになっている。
今までの経験からしてみると、この柔らかさになった干し柿は
すでに「渋」が抜けているはずなのだが、今回のものはどうか?
恐る恐る、その柿をヒモから外し、かぶりついてみた。
甘い。
心配していた「渋」は、全く感じない。
色合いは、透明感のあるきれいなオレンジ色で、
ちょうどジャムのような、クリームのような感じである。
正直言って、一番自分好みの状態だ。
ともかく、少々緑色の部分が残っている「実」だろうと、
皮を剥いて干しておけば、ちゃんとした干し柿になることがわかった。
それが分かれば、とりあえず「実」をドンドン収穫して、
片っ端から吊るしていくだけである。
そうやって、木への負担を減らしていけば、
今後、枝が折れるような事態になることもないだろう。

と、思っていた矢先に、再び、柿の木の枝が折れた。

この折れた枝にも、とんでもない数の柿の「実」がついていた。
折れた枝についている「実」は、早急に処理しないと
傷んで食べることが出来なくなる。
しかし、それだけに集中して、他の枝の「実」を放っておいたら
また枝が折れるような事態になりかねない。
柿の「実」の数はあまりに膨大で、一人暮らしの自分が消費し切るには
全く無理のある量である。
窮した自分は、友人たちに状況を説明して、
柿の「実」が要らないかと尋ねてみた。
結果、1人の友人がこれに声を挙げてくれ、柿の「実」を穫りにきた。

まずは折れた枝から取りかかる。
脚立に上った自分が、ノコギリを使い、折れた枝を小さくバラしていく。
(大きいまま切り落としても、とても受け止めれる重さではないからだ)
切り取った枝を、下で待っている友人に渡し、
友人は持ってきたブルーシートの上にこれを並べる。
ブルーシートの上は、たちまち柿の木の枝(実が鈴なり)で山が出来た。
ひと通りの枝を切り落とすと、今度は友人が高枝切りバサミを使い
脚立の届かない場所に実っている柿の実をもいでいく。
自分は、ブルーシートの上の枝から柿の「実」のみを
剪定バサミを使って切り離していく。

この作業は2日にわたって行われ、家の裏の柿の木の「実」も含めて
恐らく7~800個近い柿の「実」を収穫した。
自分もさらに5、60個の「実」を収穫し、これを干し柿にした。
そのおかげで、裏の柿の木はほぼ丸裸の状態になり、
表の柿の木も、手の届かない場所については丸裸となった。
少なくとも、丸裸になった部分については、
今後、折れることを心配したりしなくても良くなったわけだ。
もちろんまだ、手の届く範囲には
100~200個ほどの柿が実っているわけだが。

はっきりいうと、この残っている分だけでも、
一人暮らしの自分には手に余る量だ。
どうにか出来ても、恐らく50~100個程度で、
残りはまた、友人に引き取ってもらうことになる。

問題はこの50~100個の柿の「実」たち。
もちろん大半は、保存の効く干し柿に加工することになるのだが、
全て干し柿にしてしまうのも、ちょっと芸がない。
なんとか「干す」以外の方法で「渋」を抜くことに挑戦してみたい。

そんなわけで、次回は柿の「実」の「渋」を抜く方法について、
色々と調べながら書いていく。

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