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台風の夜に

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先日、台風24号が日本を縦断した。

日本の南海上を東から西へと移動し、その勢力を強めた後、
沖縄の辺りでクルリと進行方向を変えて日本を縦断していったわけだが
今年日本にやって来た他の台風たちと比べてみると、
比較的、その被害は軽微であったようである。

兵庫県たつの市にある我が家では、土曜日辺りから天気は崩れ始め、
日曜日の午後から夜半にかけて、雨と風が強くなった。
日曜日の午後には、市内各地に「避難所」が設けられ、
こちらへの避難を呼びかける放送が流されたが、
こういった「避難所」の開設と、そこへの案内放送は
今年、すでに何度も行なわれており、緊張感も薄れている。
雨と風が強くなり始めてからの「避難所」の開設、
案内放送であったため、一体、どれだけの人間が「避難所」へ避難したのか
ハッキリしたことは分からないが、
どうもタイミングが遅かった気がしないでもない。
すでに風と雨が強くなっている中、
「早めの避難を〜」と放送で呼びかけている姿は、
いささか滑稽ですらあった。
ここら辺りのタイミングについては、まだまだ、改善の必要がありそうだ。

今年、日本にやって来た台風は、
それぞれに様々な大被害を及ぼしたわけであるが、
我がたつの市に限って言えば、幸いにして、それらの大被害を免れている。
(揖保川が氾濫寸前にまで増水したり、
 うちの地区でも、山でごく小規模の土砂崩れが起きたりしたが、
 人的な被害ということでは、全く何も起こっていない)
我が家のことについて言えば、庭に植えてある柿の木が強風に煽られて
ボッキリと折れてしまったのが最大の被害で、
風と雨の強い台風の際に、時折起こる雨漏りについても
今年は全く起こらずじまいであった。
今回の台風24号は、それらの台風と比べてみても
風・雨ともにいささか迫力不足の感はあり、
正直、自分も「これなら大丈夫だな」と油断をしていた所もあった。

昼過ぎくらいから、風と雨が強くなり始めた。
インターネットの気象情報を見ると、
ぼちぼち台風の強風域にかかりだすか?というころである。
ただ、今回の台風では、風の強さ・雨の激しさともに波があり、
つい先ほどまで激しく風が吹いていたかと思えば、
パッタリと風が止んで静かになったり、
凄まじい勢いで雨が降ってきたかと思えば、
これがパッタリと収まって、降っているのかどうか分からないほどの
小雨になったりした。
これでは、やや風が強いだけの「普通の雨の日」である。
そんな状態のまま、やがて日暮れどきを迎えた。
気象情報を信じるのであれば、ちょうどこの辺りの時間帯から
たつの市は暴風域にかかり始めるころである。
台風進路図で、赤く表示されている中心部分だ。
ただ、台風の進路図を見ている限りでは、
今回の台風24号は、たつの市のはるか南方を東に進んでおり、
赤い暴風域がかかるといっても、その端の方が短時間かかるだけの様だ。
18時ごろから20時ごろにかけては、風は一段と激しくなったが、
雨の方については、強くなったり弱くなったりの繰り返しである。
心配していた雨漏りも起こっていない。

20時を過ぎたころからは、雨は一層弱くなり、
21時ごろにはほとんど雨は降っておらず、風についてもピークを越え、
後は弱くなっていくだけだろうと思われた。

ことが起こったのは、ちょうどそのタイミングである。

一息ついて、コーヒーでも入れようかと思っていると、
家のどこからか「ガシャン」という、何かの割れる音がした。
我が家には、構造上、どうしても風が吹き込んでくる箇所がある。
もちろん、台風によって雨風が吹き込んできたとしても
それはほんの少しの量にしかならないし、
台風が来る前には、そこの部分から物をどけて、
ちょっとやそっと雨風が吹き込んだくらいでは、問題ない程度に
事前の準備を済ませてあった。
どうも音がしたのは、そちらの方向である。
あちゃー、ひょっとして何か片付け忘れていたかな?と思い、
そこの部分に駆けつけたが、特に何かの割れた様子はない。
不思議に思って、家の中を点検してみると、
家の裏に面した大きなアルミサッシのガラスが割れて飛び散っている。
雨はほとんど止んでいるため、風だけがそこから吹き込んでいる。

灯りをつけて、サッシの外を覗いてみると
何やら白い板が、サッシの前に転がっている。
状況から考えると、どうやらこれがぶつかってサッシが割れたらしい。
すぐに裏口から外に出てみると、すっかり雨は止んでいて
傘をさす必要がない。
ただ、風の方はそこそこ吹いている状況だったのだが、
ふと手に持った懐中電灯を裏の畑に向けると、
何やら見覚えのない巨大な白い物体が鎮座している。
よくよく見てみると、どうやら金属製の箱型の物置の様だ。
裏の畑には、2つほど物置が設置してあるのだが、
それらは定位置に変わらず建っており、台風前と変わりがない。
その白い物置だけが、どこからかやって来たようである。
その証拠に、その白い物置はまっすぐ立っておらず、
畑の農業資材に倒れかかるような格好で、斜めになっているからだ。
恐らくは、台風の影響で物置が飛ばされ、ここまでやって来たのだろう。
辺りには、物置に使われていた扉や棚が飛び散っている。
割れたサッシの外に落ちていたのも、その物置の一部だったようで、
中に取り付けられていた棚板の1枚の様である。
強風で物置が飛ばされてきた際に、扉や棚板が飛び散り、
そのうちの1枚が、我が家のサッシのガラスを直撃したのだと思われる。

さて、割れたサッシの謎は解けたが、サッシには穴が開いたままである。
これはどうにかして塞いでおかなくてはならない。
幸い、割れたアルミサッシには金属製の雨戸も設置してあったので、
こちらの方を閉めて、サッシの穴を塞ぐ様にした。
幸いだったのは、台風のほとんど過ぎ去った後にこれが起こったため、
穴から雨風が吹き込んできたり、さらに物置が吹き飛ばされたりなどという
追加の被害が起きなかったことだ。
それにしても、最初から雨戸を閉めておけば
物置の棚がぶつかったくらいではガラスも割れなかったかも?と考えると、
つくづく、自分の油断と手抜かりを感じずにはいられない。
やはり、今までに物が飛んできたことなどないから、なんて考えずに
雨戸はしっかり閉めておくべきであった。

幸いにして、物置の所持者からガラス代も出していただき、
早々にサッシの修理は終了した。
それにしても、大したことのない台風だと油断していたが、
大きな物置を何十mも飛ばす(?)とは、やはり台風は恐ろしい。
(恐らくは、突発的な強風だったのだと思うが……)

今年の台風中、(我が家的に)最大の被害を出して、
改めて油断大敵ということを思い知った次第である。

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