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イノシシ解体〜その1

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友人から、イノシシを解体しないか?という話が来た。

今までに、シカの解体は数回やったことがあるのだが、
イノシシというのは初めてである。
興味もあるので、OKの返事をしておいた。

このブログで何回も書いている通り、自分はわりと頻繁に山に登っている。
登っているのは、地元の(というか近所の)低山ばかりで、
基本的には他の登山客に会うことも少ないような山ばかりである。
そういう地元の「里山」に登っていると、
わりと野生動物に出くわす機会も多い。
各種の鳥類や、昆虫、ヘビやトカゲのは虫類、
そしてシカやイノシシなどである。
イノシシなど~という書き方をしたが、実は近隣の山に登っていても
実際にイノシシに出くわす場面というのは、驚くほどに少ない。
足跡や、地面が盛大に掘り返されている現場など、
イノシシの存在を感じさせるものを目にすることは多いのだが、
イノシシそのものを目にする機会というのは、まず皆無である。
自分なども、そこそこ長い期間、山に登っているが、
そのうちで、実際にイノシシに出くわしたのは、たったの1回きりである。
わりと小型のイノシシだったのだが、こちらの姿を確認すると、
猛烈な勢いで走り去っていった。
その際は、ドドドドッと大きな足音をたてており、
ああ、やはりイノシシはああいう風に、
地響きをたてて走るものなのだなぁと、感心した思い出がある。
そのときはイノシシが走り去ってくれたから、何の問題も起きなかったが、
仮にこれが自分の方に突っ込んで来ていたら、
ひょっとするとケガをしていたかも知れないと考えると、
なかなかに危ない場面でもあった。

これに比べてみると、登山中にシカに遭遇する機会は多い。
実際に、その姿を目にしたことも、数え切れないほどある。
大方の場合、こちらの存在に気付いたシカは、
そのまま走って逃げ去るのだが、中には神経の図太いのもいて
一定の距離を保ってジッと立ち止まり、こちらを見続けるシカもいた。
足跡や、地面を掘り返した跡などを目にする回数からすると、
イノシシの生息数が、シカに比べて、それほど少ないとは思えない。
にも関わらず、イノシシの姿をほとんど目にすることがないということは、
シカに比べると、かなり警戒心が高いということだろう。
では、何故、警戒心が高いのか?ということになるのだが、
これは恐らく、それだけ人間に狙われているからではないだろうか?
さらに何故、人間に狙われるのか?ということになれば、
これはもちろん、「ウマい」からという、
非常に分かりやすい理由からだろう。
その「ウマい」イノシシを解体する、というのだから、
これはなかなかに魅力的なお誘い、というわけである。

連絡のあった翌日、友人と2人、
イノシシの待っているガレージへと向かう。
今回、イノシシを解体するのは、これまでに数回、
シカを解体した場所と同じである。
話を聞いてみると、有害鳥獣駆除の罠にかかった
イノシシということで、どうも2匹いるらしい。
このうちの1頭を、自分と友人の2人で解体するわけだ。
この友人というのは狩猟免許を持っており、
今回以前にも、今年、イノシシを解体しているという経験者である。
自分の方は狩猟免許もなく、シカの解体経験しかないため、
今回のイノシシ解体は、この友人の主導で進めていくことになる。
友人が先に解体したイノシシも2頭だったのだが、
ひょっとすると今年はイノシシが多いのだろうか?

件のガレージに着くと、ガレージの持ち主である男性が
すでに1頭の解体を始めている
イノシシのサイズはどちらも同程度で、体長1mといった所だろうか?
大イノシシという雰囲気はなく、どちらかといえば若い個体らしい。
友人らの意見では、番(夫婦)ではなく兄弟ではないか?ということだ。
すでに腹が大きく断ち割られ、内蔵はきれいに掻き出されている。
横たわるイノシシの体に触ってみると、すでに冷えきっている。
今回、イノシシ解体の連絡は、前日のうちに入っていたので、
ひょっとすると、昨日のうちに〆て、水に漬けて放熱していたのだろう。
シカの毛皮もごわついていて、随分固いなと思ったものだが、
イノシシの毛皮はそれにも増して固い。
シカを解体する場合は、毎回、天井の梁に吊るして作業するのだが、
イノシシの場合は、台上(といっても軽トラの荷台なのだが……)で
解体していく。
イノシシの手足は短いので、シカと比べてみるとかなりコンパクトだ。
体(胴体)そのものの大きさは、それほど変わりはないのだが、
この手足と首の長さが、両者のスタイルを決定的に変えている。

友人は昼食を摂っていなかったらしく、自分にナイフを渡し、
腹を割かれたイノシシを前に、食事を始める。
どうやら先に始めててくれ、ということらしい。

いきなり下駄を預けられて、少々困惑したが、
基本的に解体の方法は、シカの場合と同じである。
まず、全身の皮を剥いでいって、その後、
手足(前足、後ろ足)と首を切り離す。
その後、背中部分から背ロースを切り取り、足から骨を外していく。
正直、イノシシにも背ロースがあるというのは、初めて知ったのだが、
考えてみれば、どちらも4つ足の生物なので、
体の肉のつき方も似ているのだろう。
何はともあれ、まずは皮を剥いでいかないといけない。

足の中程の辺りで、クルリと足をひと回りするように皮を切る。
切るのだが、やはりシカと違って皮は硬く、
シカの時と同じようには、刃が通ってくれない。
ゴリゴリと、少々、刃をこするようにしながら
どうにか毛皮に切れ目を入れて、そこからイノシシの皮を剥ぎ始める。

いよいよ、イノシシ解体のスタートである。

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