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紅葉とカエデとモミジと 紅葉狩り

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By: t-mizo


季節は晩秋となり、山々が色づいてきた。
この季節になると、天気予報では
「紅葉前線」などという言葉も聞かれるようになる。

自分の住んでいる播磨地方でも、紅葉は進み、
山は枯葉色に変わってきている。
そんな中、植林された杉や檜、
あるいは竹などが緑色のまま、山の彩りとなっている。

この季節になると、各所で紅葉祭りが催される。
祭り、といっても特に何かをするわけでもなく、
ただ赤や黄色に染まった紅葉を、見て歩くだけである。
たつの市内には、有名な紅葉スポットが2つある。
龍野町の紅葉谷と、新宮町の東山公園だ。

紅葉谷は龍野の観光スポットのひとつ、
聚遠亭のすぐ側にある。
的場山と鶏籠山の間の、谷筋に植えられたカエデが、
晩秋になると、だんだんと色づいていく。
この季節には、禁猟区である的場山近くに集まってくるのか、
シカの群れの姿を、よく目にする。
まさに
「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の
   声聞く時ぞ 秋は悲しき」
の世界である。
……いや、奥山というほど、山奥でもないのだが。  

東山公園は、国民宿舎志んぐ荘の東側に広がる
山肌に作られた散策路である。
ここも谷川筋に沿うようにして、カエデが植えられている。
ここでは毎年、「紅葉祭り」が行なわれ、
この時期には紅葉がライトアップされ、出店が立ち並ぶ。
公園内にも臨時の茶席が設けられ、
甘酒などを販売している。
夜になると肌寒いこの季節、
ホットな甘酒をすすりながらの紅葉見物は、
大正解と言わざるを得ない。

どちらもこの季節、紅葉見物の客でごった返す。
まさに春の桜、秋の紅葉である。

一般的に我々が見ている紅葉は、カエデと呼ばれる。
カエデというのは、カエデ科カエデ属の木の総称である。
北半球の温帯に、広く分布しており、
日本では、東北以南の山野に自生している。
人の手による栽培も行なわれており、
園芸種としても、数多くの種類が存在する。
そんな日本のカエデの中で、もっともメジャーなものが
イロハモミジである。
イロハモミジは、別名イロハカエデとも呼ばれる
カエデ科カエデ属の落葉高木で、
日本でもっとも良く見られる、カエデ属である。
本州以南、標高1000mまでの低山で、見ることが出来る。

カエデの名前の由来は、「カエルの手」に由来しており、
その名の通り、カエルの手に似た形状を持つものが多い。
ただ、メグスリノキやヒトツバカエデなどのように、
同じカエデ属であっても、掌型の葉を持たないものもある。

有名なカエデのひとつに、サトウカエデがある。
これは樹液が甘く、そこから「砂糖」という名前がついた。
このサトウカエデの樹液を煮詰めたものが、
メープルシロップである。
カナダを代表する樹木であり、カナダの国旗や、
同国の通貨である、メイプルリーフ金貨にも
デザインされている。
日本にも明治時代に移植されたが、
これから樹液を採集することは少なく、
もっぱら街路樹として植えられていることが多い。

実は、樹液が甘く、煮詰めてシロップを作れるのは、
サトウカエデだけではない。
日本に自生しているヤマモミジ、イタヤカエデ、
メグスリノキなどの樹液を煮詰めても、シロップが作れる。
これらの樹液は粘りがなく、
ほとんど水と変わらない。
これを40分の1になるまで煮詰めることによって、
ようやく我々の知っている、メープルシロップになる。
ホットケーキなどに、
気軽にかけているメープルシロップだが、
値段はピンキリである。
調べてみた所、1番高価なもので1ℓ20000円だった。
逆にもっとも安価なもので1ℓ2800円だった。
価格差の幅が、恐ろしいほどに広い。
ただどちらにしても、高価な液体には違いない。

ここで、混同してしまいがちなカエデとモミジについて、
書いておこう。
カエデというのは、カエデ科の木の総称である。
もちろん、細かくいえばそれぞれの種に、
「~カエデ」と名前がついている例は多くあるが、
それら全てをまとめて「カエデ」と呼ぶ。
一方のモミジだが、
これは漢字で書くと「紅葉」となるように、
主な落葉広葉樹の葉が、落葉の前に色が変わることを指す。
本来的にはどんな変色もモミジと呼べるが、
「紅葉」という漢字でもわかるように、
一般的には赤変する葉のみを、
「モミジ」と呼ぶことが多い。
また、日本でもっとも一般的なカエデの名前が、
「イロハモミジ」なので、
この木を指して「モミジ」と呼ぶこともある。

「紅葉狩り」という言葉があるが、
これは他の「~狩り」とは違って、何かを捕まえたり、
採集したりすることはない。
基本的に、紅葉している木の葉を眺めるだけである。
間違っても、木の枝を折って、
持って帰ったりしないようにしよう。
落ちている落ち葉の中から、
きれいなものを何枚か持ち帰るだけなら、
それほどうるさくいう所もないと思うが、
注意書きがあるようなら、
それに書いてあることに従おう。

桜、紅葉、建造物と、最近では
何でもライトアップするのが流行っている。
たしかに暗闇の中にくっきりと浮かび上がる紅葉は、
太陽の下で眺めるのとは、また違った美しさがある。

ただ季節は晩秋。
日が暮れるのも早く、日が暮れれば
あっという間に冷え込んでくる。
くれぐれも風邪などひかないように、
夜の見物には、暖かい格好で出かけていこう。

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