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大根後始末〜その2

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前回、急遽、内田康夫死去の報に触れて、
内田康夫、没」という記事を書いたのだが、
今回は、その前に書いていた「大根後始末」の続き、ということになる。

3月に入り、そろそろジャガイモ植え付けの時期も迫ってきたため、
畑に植わったままになっている大根を処理することにした。
今年の大根栽培は、もろもろの事情によって不調に終わり、
今現在、我が家の畑には40本近い数の大根が、
植わったままになっている。
前回、これを全て引き抜き、その引き抜いた大根から
「葉」の部分だけを切り取って細かく刻み、
塩揉みをして水分を絞ったものを、ベランダで天日に干した。
1日半ほど天日にさらしたことで、大根の葉に残っていた水分は蒸発し、
大根の葉は、当初の10分の1以下の容量まで縮小させることが出来た。
この乾燥させた大根の葉は、そのままご飯の中に混ぜ込むことで、
「菜飯」にすることが出来る。
いわば、「菜飯のもと」である。
実際にご飯の中に混ぜ込んで試してみた所、
見事な「菜飯」が出来上がったので、こちらの試みは
大成功といっていいだろう。

問題は、残った40本近くの大根の方である。
厳密に言えば、その40本の中には、土の中で傷んでしまっているものや
小さすぎて、まともな食用になりそうにないものも含まれているため、
実際にどうにかしなければならない大根の数は、
30本程度だろうか?
これをどうするか?というのが、「葉」以上の問題となる。
何せ、こちらは「葉」の部分よりも、ずっとボリュームがある。

実は、今回と同じ問題は、去年の春先にも起こっていた。
もっとも、去年の大根は豊作の上、成長具合も良かったので、
春先に畑に植わっていたのは15本程度で、
それらはいつまでも収穫されることがなかっただけに、
どれも不格好に変形していたり、ひどく小さなものばかりだった。
去年も、ジャガイモを植え付けるために
それらの大根をまとめて収穫したのだが、
「葉」の部分については、全く利用する事なく処分してしまい、
わずかに残った不揃いな大根部分のみを、加工するだけにとどまった。
そして、その残った大根を使って作ったのが、
「切り干し大根」と「沢庵漬け」である。

「切り干し大根」とは、皮を剥いて細切りにした大根を天日で干し、
乾燥させたものだ。
主にサイズは良いが、形が不格好なものを選んだ。
大きさが不揃いでは、漬け物を作るのには向いてなさそうであるし、
細切りにしてしまうのであれば、形が不揃いであることも問題にならない。
せっせと大根を包丁で細切りにして、ベランダにブルーシートを広げ、
天日でこれを乾かした。
昼間にベランダで乾燥させて、夜は家の中に回収するということを
1週間ほど繰り返しているうちに、大根の水分はすっかり無くなって、
そこそこの量の「切り干し大根」が出来上がった。
自分が子供のころ、婆さんが同じように、採れすぎた大根を
「切り干し大根」に加工していたが、それとほぼ同じ仕上がりであった。
これらは煮物にしたり、みそ汁の具材にしたりと、
色々と使い勝手があった。

問題は「沢庵漬け」の方である。
こちらは「梅干し」と並んで、日本でもっとも有名な漬け物の1つなので、
わざわざ説明する必要もないかもしれないが、
簡単に説明をしておくと、大根を糠と塩で漬け込んだものである。
多くの場合、漬け込む前に大根を天日で干して、
手で折り曲げられるくらいの柔らかさに、水分を抜いておくのが普通だ。
これを糠と塩を混ぜたもので漬け込む。
この漬け込みの際、昆布や唐辛子、柿の皮などが
風味付けのために、一緒に漬け込まれることもある。
昨年、とりあえず形の不格好なものを「切り干し大根」に加工した後、
手元には非常にサイズの小さな大根が数本、残された。
この小さな大根についても、捨ててしまうのはもったいなかったため、
これらの皮を剥いた状態で天日に干し、
ある程度水分が抜けた所で、小さな陶器製の漬け物器を使って
糠と塩で漬け込んだ。
参考にしたレシピによれば、その状態で1週間ほどすれば
大根から水が出てくる、とあったのだが、
1週間待っても、2週間待っても、一向に水が出て来ない。
いや、厳密に言えば、わずかに大根から水が沁み出てきて、
漬け込みに使った糠を少しだけ湿らせているのだが、
それ以上の水が出てくることはなく、そうこうしているうちに
糠にカビが生え始めて、これを廃棄せざるを得なくなってしまった。
完全な大失敗である。

失敗の原因について、色々と考えてみたのだが、
やはり成長不良の小さな大根を、
レシピに載っていただけの時間(1週間)、乾燥させたため、
大根の中に含まれている水分が、飛びすぎてしまったのが悪かったらしい。
ネットで調べてみると、沢庵漬けをつけていた糠に
カビが生えたという話もいくつか見つかったのだが、
匂いがおかしくなってない限りは、
それほど深刻にならなくてもいいようだ。
まあ、よくよく思い返してみれば、
昔、婆さんが「沢庵漬け」を作っていたときも
漬け物樽の中にカビが生えていた様な記憶があるので、
それほど大きな問題ではないのかもしれない。
やはり問題は、水が出て来なかったことである。
今年、この「沢庵漬け」に再チャレンジする上で、
もっとも注意しておくべき点は、大根の天日干しを行なう際に
水分を飛ばし過ぎないようにすることだ。
今年の大根は、去年のもの(クズ大根)に比べるとサイズも良く、
より多くの水分を含んでいるはずであるが、
うっかりこれを干しすぎてしまうと、
昨年の大失敗の二の舞ということにもなりかねない。

現在、大根を干し始めておおよそ1週間。
水分の抜けた大根は、次第に柔らかくなり始めている。
ただ、ここまでの1週間のうち、まるまる3日近くは雨が降ったため、
その分だけ大根の乾燥は進んでおらず、
後、1〜2日ほど天日で干してから、漬け込み作業に移る予定でいる。

今年は昨年に比べ、漬け込む大根の量がかなり多くなったため、
物置の中から、大きなプラスチック製の漬け物樽を引っ張りだしてきた。
これは昔、婆さんが漬け物を漬けていたものだ。

果たして昔、婆さんが漬けていたように、
うまく「沢庵漬け」を成功させることが出来るだろうか?

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