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雑感、考察

公民館落成式

投稿日:

よく家の古さなどを言い表す際に、

「地震が来たら、一番最初につぶれる」

なんていう風にいうことがある。
大方の場合は、笑い話で済むのだが、
自分の身近に1つ、これが現実に起こった例がある。

うちにはいくつか親戚があり、そのうちの1つが神戸に住んでいる。
かつて古い店舗兼住宅を借りて、煎餅屋をやっていたのだが、
その建物の古さは筋金入りで、親戚は常々
「地震が来たら、一番最初につぶれる」
と、笑い話にしていたのだが、1995年に起こった阪神淡路大震災で
本当にペシャンコになってしまった。
親戚一家全員が潰れた家の中に取り残されたものの、
幸いにして素早く救助されたため、死者が出る様なことは無かった。
そういうことがあって以来、
「地震が来たら、一番最初につぶれる」
というのは、ちょっと笑えないジョークになってしまった。

去年か一昨年ぐらいのことだったと思う。
自治会の集まりに出席していた際に、久しぶりにそのフレーズを聞いた。
うちの地区の公民館の古さを表すために、
そのような表現が使われたのである。
うちの地区の公民館の古さもまた、筋金入りといってよく、
いつ建てられたのかということに関しては、自分も全く知らない。
何せ自分が物心ついたころにはそこにあり、
すでにその当時から「古い建物」であったという辺り、
その古さが伺えよう。
ちょうど神社の片隅に立てられていたのだが、
ひとたび中に入れば、そこはもう昭和40年代といわれても
否定することが出来ないくらい、古びた内装であった。
これを新しく建て直そうという話は、
それこそ自分が子供だったころからあったらしいのだが、
結局、毎回、カネがないという理由で流れていたらしい。

それが今になって、急に公民館新築の話が出た。
(まあ、ずっと住んでいる者にとっては、
 それほど急というワケでもないのだが……)
どうも県か市の方から助成金をもらえるかも知れない話があり、
これを千載一遇のチャンスと見た自治会長が、
公民館の新築を決定したらしい。
わりと急に話を決めたこともあり、性急すぎないかという声もあったが、
それで大きく揉めなかったのは、やはり公民館の余りの古さが原因だろう。
多分、うちの自治体に住んでいる人間のほとんど全てが、
公民館の古さに、ある種の危機感を持っていたのだと思う。
さらにもう1つ、ここ最近、うちの自治体は急激な住宅地化が進み
その住民の数が一気に膨れ上がった。
そのため、新公民館建設のために住民に負担してもらう
ひと家庭辺りの金額が若干下がったことも、その理由かも知れない。

結局、新公民館の建設は決定事項となり、
やがて公民館の建設が始まった。
そしてその新公民館がついに完成するに至り、
先日、この新公民館の落成式が、大々的に執り行われたのである。

もちろん、落成式を執り行うことについては
あらかじめ大々的に宣伝しており、前日には案内放送まで流れていた。
さらに同じく前日には、地区内の家庭にそれぞれ餅と粗品が配られた。

そしていざ当日。
うどんやフランクフルト、焼きそばに餅にたこ焼き、
各種ジュース類にビールまで、大々的に無料で振る舞われており、
いかにこの新公民館建設が、自治会の悲願であったかがわかる。
新公民館の中では、地区外から招かれた各種団体が、
音楽演奏や踊りなどを披露し、ちょっとしたお祭り騒ぎである。

とはいえ、自分自身はその落成式にそれほど興味があったわけでもなく、
別に見に行かなくてもいいかな?と考えていたのだが、
その後、知り合いがこの落成式の式典に招かれて、
踊りを踊るというので、一応、そこだけでも
見ておこうということになった。

落成式自体は午前9時ごろから始まるのだが、
新公民館内で、各種の出し物が始まるのは10時ごろかららしい。
そのため、10時少し前に会場へ出向いていったのだが、
新公民館の横には、いくつもテントが立てられ、
その下では各種の振る舞い料理が配られている。
さらに臼が2つ用意され、そこで杵を振るい餅が搗かれ、
搗きたての餅が参加者に配られていた。
知り合いの出番までにはしばらく時間があったため、
うどんやたこ焼きなど、適当に食べながら出番を待った。
出し物が行なわれるホールにはサッシがついており、
そこが開け放たれているために、館内でのイベントの進行状況が分かる。
うどんにたこ焼き、フランクフルトに餅を腹に収め、
もう満腹というころになって、知り合いの出番が来た。

急いで玄関に回り、スリッパに履き替えてホールに向かう。
……。
こういう風に書くと、かなり広い、大型の施設のように聞こえるが、
実際には旧公民館と、それほど大きさは変わらない。
きれいな下足入れの中に靴を入れて、入り口から突き当たった扉を開くと、
そこがホールになっていて、パイプ椅子が並べられている。
以降、地区の集会が行われる様なときは、ここに机と椅子が並べられて、
会議室代わりになるのだろう。
後ろの扉付近で、知り合いの出演している出し物を見終わった後は、
そのまま扉から退出して、建物の外に出た。

こうして実際に中に入ってみて気がついたが、
建物の中には、玄関、下足場を含めて、段差というものが
ほとんど存在していない。
車椅子の人でも利用しやすいように、
建物全体がバリアフリーな構造になっているのだ。
新しい公民館の横には、かなり広い土地もあるため、
これから地区の行事などは、ここを中心にして
執り行われることになるのだろう。

そう考えれば、この新公民館の完成は、うちの地区にとって
1つの区切りということも出来そうである。

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