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117といえば?

更新日:

117という数字を見て、一体何を連想するか?

時報、と答える人が多いだろう。
受話器を取って、117とダイヤルすれば、
おなじみの
ポッ、ポッ、ポッ、ポーン
という音とともに、現在の時刻がアナウンスされる。
昔は、ビデオデッキのような、
正確な時刻を入力する必要のある家電を購入すると、
まず、時報を聞いて時間を入力したものだ。

しかし、我が兵庫県の場合、この117という数字は、
特別な意味を持つ。
と、いうのも1月17日というのは、
あの阪神・淡路大震災の起こった日だからだ。
毎年、1月17日が近づくと、
地元のNHK放送局のニュースなどで、
「117を忘れない」
「117を振り返る」
というフレーズが多用されるようになり、
それに併せた特集などが、組まれるようになる。

1995年、1月17日早朝。
神戸市、淡路島北部を中心とした地域に、
甚大な被害をもたらした、阪神・淡路大震災が起こった。
県内では、どこでも揺れを感じたようだ。
しかし、当時大学生だった自分は、
朝10時過ぎまで、全くこの大災害に気がつかなかった。
大学が九州・福岡にあったため、
福岡市の東区で安アパートを借りており、
そこで学生生活を送っていたからだ。

朝、10時過ぎに起きだしTVをつけると、
どこかの町の空撮が流れていた。
どういうわけか、町のあちこちから黒煙が上がっていた。
寝起きのボーッとした頭で、
あー、どっかの国で戦争でも起こったのかなー?
と考えていたのだが、
画面の端を見ると、そこには
「兵庫県南西部 震度7」
という文字があった。
へ?と間抜けな声が出た。
現在でもはっきりと覚えているのだが、
あの阪神・淡路大震災の当日の朝、
確かにTVには「兵庫県南西部」という文字が、
表示されていたのだ。
ボケていた頭が、いきなり覚めた。

とりあえず、アパートの公衆電話から自宅に連絡する。
しかし回線が混雑していて、
お繋ぎできません、とアナウンスされた。
さすがに「これはヤバい」と、焦り始めた。
2度、3度と電話をかけ直してみるが、
やはり全く繋がらない。
どうするか……と考えているうちに若干頭が冷えた。
龍野の自宅に連絡がつかないのなら、
姫路の親戚に連絡してみよう、と思い至った。
もし、そこに繋がったら、
ある程度、実家の様子もわかるかもしれない。
わからなくても、頼めば様子ぐらいは
見に行ってくれるだろう。
幸いなことに、姫路の親戚に電話が繋がり、
話を聞くと、
「震源は神戸の方らしく、
 姫路ですら被害らしきものは出ていない、
 姫路よりさらに西にある龍野も無事だろう」
と言われた。
それでようやく一息つけたのだが、
震源が神戸、という所が気になった。
神戸にも親戚が住んでいたからだ。

結局、夜になるまで、
実家に連絡がつかなかったのだが、
連絡がついて確認した所、姫路の親戚の言うとおり、
全く被害は出ていないということであった。
やはりそこでも、神戸の親戚の安否の話になったが、
連絡がつかない、ということであった。

後にわかったことだが、神戸の親戚の家は倒壊していた。
かなり被害の大きかった地区に家を借りていて、
さらにその家が、つつけば倒れそうな年代物だったため、
あっという間に倒壊した、ということであった。
地震以前に遊びにいった時、
「地震があったら、いの一番に潰れる」
と、豪語していたが、まさにその通りになった。
ただ、幸いなことに、倒壊した家の下敷きになったものの、
誰も致命傷は負わず、命を失うことはなかった。
さらに救助が早かったため、
地震後に起きた大火災に巻き込まれることもなかった。
この1家4人は、現在も健在である。

この阪神・淡路大震災では、6434人もの犠牲者が出た。
当時としては、戦後最大の大震災であり、
現在でも、東日本大震災に次ぐ、大震災である。
東日本大震災では、18000人以上の
死者・行方不明者が出たが、
その9割以上が地震後に起きた大津波によるもので、
地震そのものによる死者の数では、
阪神・淡路大震災が上回っている。

阪神・淡路大震災では、
一般家屋の倒壊が圧倒的に多かったが、
それ以外に、ビルの倒壊も目立った。
フラワーロードでは、ビルが横倒しとなり、
道を完全に塞いでしまった。
また、ビルが上から押しつぶされるように倒壊する、
パンケーキクラッシュも、多数起こった。
これは、それまで、日本では起こらないと、
されていたため、関係者にショックを与えた。
さらに阪神高速の高架が、地震によって横倒しとなり、
長期間不通となってしまい、物流にも影響を及ぼした。

先日、長野県北部で震度6弱の地震が起こった。
多くの建物が倒壊したが、現在の所、死者は出ていない。
あの阪神・淡路大震災から、20年。
手酷い災害から得た教訓が、生かされているのだろうか。

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