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雑感、考察

なんとか音痴

更新日:

世の中には、様々な音痴がある。

方向音痴。
運動音痴。
味音痴。
機械音痴。

どんなものでも、最後に「音痴」とつけば、
相当に劣っていると見なされる。
しかしそもそも「音痴」というのは、
音楽の才能に対して使われる言葉だ。
それも、上手く歌を歌えない人に対して
使われる言葉である。

自分は今まで何度も「自分に音楽的な才能はない」と、
書いてきた。
もちろん楽譜などさっぱり読めないし、
まともに演奏できる楽器など何もない。
ピアノなどを鳴らされて、
その音階を当ててみろなどといわれても、
正直、当たった記憶もない。
小学校の課題で「作曲をやれ」といわれても出来ず、
音階をくじ引きで決めた程度の才能である。
才能は、全く皆無といっていいだろう。

常識で考えれば、こんな人間が歌を歌ったところで
調子の外れた歌を歌うのが精々で、
ひどい音痴をさらしそうな気がする。
しかし不思議なことに、合唱や、カラオケなどでも、
その点を指摘されたことはない。
歌を歌うのがうまいかといわれれば、
決してそんなことはないのだが、
何故か、わりと器用に
人の歌っているのをマネすることが出来るので、
これで合唱やカラオケは切り抜けてきた。
音痴と、モノマネの才能が同居するのかは知らないが、
どうも自分の場合は、これが同居しているようだ。

自分の音痴は、どうも遺伝のせいらしく、
うちの一族には音痴が多い。
うちの母親の歌う歌は、常に調子が外れていたし、
うちの父親が歌っているところなど、見たことがない。
父親に関しては、その実力のほどはついに
明かされることはなかったので、
実際のところはどうかわからない。
ただ、母親に似ている自分がこの有様で、
父親に似ている兄弟たちは、
わりと普通であることを考えると、
意外と父親の方は、マトモだったのかもしれない。

自覚している自分の「音痴」は、
本家本元、「音楽」に対してだけである。
「方向」に関しては、
人よりもよほど優れた感覚を持っていると自負しているし、
「機械」に関しても、
それなりに扱うことは出来る。
「運動」に関しても、
体力はないものの、逆上がりだろうが水泳だろうが、
わりと器用にこなしてしまう。

ただ、「味」に関してだけは、
母親に強烈な「味音痴」のレッテルを貼られた。
他からは、そういう評価は受けていないので、
多分、実際には「味音痴」ではないと思うのだが、
確かに「料理の腕」という点では、
兄弟の中では一番劣っていた。
それを自覚しているので、
なるべく手の込んだ料理は作らず、
調理はシンプルになるように心がけている。
シンプルなものを、シンプルに作れば、
それほどおかしな料理になることはない。

ただ、自分のいう「音痴」と、
世間一般でいわれる「音痴」とは、
微妙にそのニュアンスが違っているかもしれない。
国語辞典で「音痴」という単語を引くと、

音痴……1・音の感覚が鈍く、歌を正しく歌えないこと
      また、その人
    2・音楽鑑賞力のない人
    3・感覚の鈍いこと
      またその人
      「方向~」

となっている。

1については、まずまず当てはまっている。
音の感覚については鈍いと自覚しているが、
どういうわけか歌については、
器用にマネすることは出来る。

2については、よくわからない。
イベントなどで音楽演奏があれば、普通に聞いているし、
能楽の鑑賞会などがあれば、いそいそと出かけていくが、
本当にわかって聞いているのかと言われれば、
正直、よくわからないと答えるしかない。

3は、音に限ったことではないので、
今回は無視していいだろう。

実感としては、ほぼ8割方音痴であると自覚している。
そのため、自分から積極的に、
音楽に関わっていこうということはなく、
あくまでもその姿勢は受動的だ。
これは、この先も変わることはないだろう。

幸いなのは自分自身、「音痴」であることに対して
全くといっていいほど、劣等感を感じていないことだ。
どうも自分のまわりを見ると、
「音痴」というのは、
相当な劣等感を生む要因なのだが、
不思議に、うちの一族は「音痴」に劣等感を持たない。
母親は平気で、調子はずれの歌を歌っていたし、
自分も、かなり適当な態度で
音楽の授業をやり過ごしてきた。
そんな適当な自分に、
真面目に音楽を仕込もうという、
人間がいなかったためだ。

今、考えてみれば、
これは相当に幸運なことであった。
きっと、真面目に音楽を仕込まれていれば、
もうどうしようもないほどに、
音楽が嫌いになっていただろう。

そう考えると、自分を放ったらかしにしてくれた
音楽教師たちにも、感謝の念を感じる次第である。

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