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はびこる「シソ」

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By: snak

かつてこのブログで、昔、我が家の庭に
シソ」が生えていたことを書いた。

この「シソ」は、全く自生のもので、
いつのまにか勝手に庭先に生えてきて、盛大に育った。
我が家では、この盛大に育った「シソ」から葉っぱを回収し、
様々な料理に用いていたのだが、
この「シソ」は、いつの間にやら、全く生えなくなってしまった。
毎年、最盛期を過ぎると虫がこれにたかり、
葉がボロボロに食べられてしまっていたため、
実際に「シソ」を収穫することが出来るのは、
シソが茂っている期間の半分ほどだったのだが、
なんといっても、タダで大量に「シソ」が使えるということで、
うちの母親も随分とこれを利用していた。

現在では、スーパーの野菜売り場に行けば、
1年中「シソ」を購入することが出来る。
10㎝四方のビニールに入った「シソ」の葉(大葉)が、
5〜10枚ほど入って100〜150円ほどである。
もともと「シソ」の葉は、独特の香りが強いため、
薬味などとして使われることが多く、
それほど大量の単位で販売されることはない。
唯一の例外は、梅干し用の「赤シソ」で、
株単位のものが束ねられるようにして、店先に並んでいる。

1年中、手に入れることの出来る「シソ」だが、
やはり多く使われるのは夏だろう。
その独特の芳香は清涼感があるため、
暑い時期にこれを用いると、食欲を掻き立てることが出来る。
「シソ」の生態からいっても、ちょうどこの時期が旬にあたるので、
品質のよい「シソ」を、安価で購入することが出来る。
とはいえ、「シソ」というのは、基本的に傍流である。
薬味などが主な使われかたで、
「シソ」がメインになる料理というのは、ちょっと思い当たらない。
単品で「シソ」だけを使った料理なんてことになると、
それこそ天ぷらダネとしての「シソ」くらいしかないが、
「シソ(大葉)」の天ぷらは、数ある天ぷらダネの中では
やはり傍流ということになる。

去年、春先に畑や庭先に、いくつかの野菜を植え付けたのだが、
その中の1つに、この「シソ」があった。
特に何株も植えたわけではなく、庭の隅っこの方に
100円ほどで買ってきた苗を一株植えただけである。
とにかく、これは手がかからなかった。
植え付けてから最初の1週間ほどは、
毎日、水をやらなければならなかったが、
それを過ぎてからは、全く何も手を入れることなく、
完全に放置状態であった。
それにも関わらず、この苗はどんどんと育っていき、
気がつけばそこそこ立派な「シソ」になって、たくさんの葉を付けた。
去年の夏場は、この「シソ」と、
家の裏に自生している「ミョウガ」をご飯に混ぜ込み、
夏らしい爽やかな混ぜご飯を食べていた。

そして今年の春。
去年は、春先にジャガイモの他、枝豆やポップコーンなども
一緒に植え付けていたのだが、
今年はジャガイモ1つに絞ることにした。
「シソ」については、全くといっていいほど手がかからなかったので、
今年も1本だけ苗を購入してきて、去年と同じように
庭の隅っこにでも植えようかと考えていたのだが、
ちょうど去年、「シソ」を植え付けた辺りの雑草を引いていると、
そこら辺一帯に、小さな「シソ」の芽が
生えてきていることに気がついた。
どうやら去年植えていた「シソ」が、種をまき散らしていたらしい。
ほんの小さいな、1㎝にも満たないような「シソ」が、
辺り一面を埋め尽くすように生えてきている。
わざわざこれを摘み取ってしまうこともないだろう。
このまま放っておいたら、この小さな芽が、
去年のような「シソ」に育ってくれるかも知れない。
そう考えた自分は、「シソ」以外の雑草は引いたものの、
「シソ」にだけは全く手をつけず、そのままにしておいた。

やがてひと月がたち、ふた月がたつと、
去年、「シソ」を植えていた辺りのみでなく、
結構、離れた場所にも、「シソ」が生え始めた。
どうやら、「シソ」のタネというのは、
かなりの広範囲に飛び散るものらしい。
離れた場所に生えているものは、密集していないためか、
1本1本が比較的大きく育っている。
どちらかといえば、こちらの方が
去年、買ってきた「シソ」に近いようだ。
こうして、庭の一部分を独占するようにして
「シソ」は大きくなっていった。

そして6月の下旬。
庭の一画が、「シソ」畑とでもいっていいような様相を呈してきた。
ただ、去年の買ってきた苗と違い、
サイズ的にはそれほど大きくは育っていない。
葉の大きさも、去年のものや、
スーパーなどで販売されているものに比べると
ひと回りほど小さいようだ。
ただ、去年と違い、株の数が圧倒的に多いので、
その中から、比較的大きく育っている葉だけを収穫することが出来る。
麦飯が炊きあがると、そのまま草履を履いて庭に出て行き、
そこで大きく育っている葉を20枚ほど収穫する。
サイズ的には、一般に販売されている「シソ(大葉)」の
半分ほどのサイズしかないのだが、
それを補ってあまりあるほどの数が、庭に生えてきている。
これを家に持ち帰り、細かく刻み、飯の中に混ぜ込む。
すると、「シソ」の香りの高い、「シソ飯」の出来上がりである。
ジットリと暑さが増してくるこの季節、
「シソ」の香りがプンプンと香る「シソ飯」は、
いやが応にも食欲を掻き立ててくれる。
「シソ」の葉には、カロテン、ビタミンB、カルシウム、食物繊維、
カリウムなどの栄養素を非常に多く含んでおり、
(特にβカロテンは、全野菜中でもトップクラスの含有量を誇る)
さらに特有の香り成分であるペリルアルデヒドが
食欲を刺激するため、食欲の落ちる夏場にはピッタリの食材である。

ちょうど、梅雨が終わるかどうかというこの時期、
「シソ」の成長力は凄まじく、1〜2枚、葉を毟った所で、
2〜3日もすれば、新しい葉が大きく育ってくる。
朝、晩と、20枚ずつ「シソ」の葉を収穫すれば、
あっという間に葉が無くなって、枯れてしまいそうに思えるが、
(実際、去年は大きいサイズであったとはいえ、
 たった一株しか育てていなかったため、
 今年ほどの量は収穫できなかったのである)
株が小さいとはいえ、数が極端に多いので
(小さいものをあわせれば、
 おおよそ数百本から千本ほど、生えている)
このペースで収穫していても、まったく数の減る様子がない。
逆に、葉を毟るペースを遅らせれば、かえって「シソ」が育ち過ぎ、
収拾のつかないことになりそうである。
こうなってくると、毎食ごとに大量の「シソ」を収穫し、
それを消費するのが、義務かノルマのようにさえなってくる。

かつて、我が家の庭には、大量の葉を付ける「シソ」が植わっていた。
これがいつの間にか無くなってしまい、
それ以降、我が家の庭には「シソ」の姿は無かったのだが、
去年、自分が苗を植えることによって、これが復活した。
そして2年目。
今年は、植えもしていない「シソ」が庭に大量発生し、
もう完全に、雑草の一種となってしまっている。
現在は、株が枯れようが、どうなろうが、
構わないというスタンスで、「シソ」を大量消費しているのだが、
それにも関わらず、全くこれが減っている様子が無い。

このまま「シソ」が枯れ、その種を
辺りに撒き散らすようなことがあれば
来年の今ごろは、我が家の庭が
「シソ」の森になってしまっているかも知れない。

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