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スーパージンライ

更新日:

「ゴッドボンバー」が発売された。

まあ、いきなりこれでは、全く意味の分からない人もいるだろうから、
誰にでもわかるように説明すると、
5月27日、玩具メーカーであるタカラトミーから、
「トランスフォーマー超神マスターフォース」に登場したロボット、
「ゴッドボンバー」の玩具が発売された、ということである。

同社には「トランスフォーマーレジェンズ」という
トランスフォーマーを扱ったシリーズ商品があり、
そのうちのラインナップの1つとしての発売である。
このシリーズには、それぞれの商品に型番がついており、
この「ゴッドボンバー」には、「LG42」とついている。
恐らくは、「トランスフォーマーレジェンズ」シリーズの
42番目のラインナップということだろう。

この「LG42ゴッドボンバー」は、それ単体でも、
ロボットモード、ビークルモード、基地モードへの変形が可能で
充分に遊ぶことが出来るアイテムなのだが、
この「ゴッドボンバー」最大のウリは、
先に同シリーズにて販売されていた「LG35スーパージンライ」と
合体させて「ゴッドジンライ」に出来ることである。
「LG35スーパージンライ」は、
去年の12月28日に発売されており、
これと合体させて「ゴッドジンライ」に
パワーアップさせることの出来る「ゴッドボンバー」のリリースは、
ファンが待ち望んでいたものであった。

さて、今更ながらという気もするが、
ここで「トランスフォーマー超神マスターフォース」と、
それに登場した「ジンライ」というキャラクターについて、
改めて紹介しておこう。

「トランスフォーマー超神マスターフォース」は、
1988年から放映された、
「トランスフォーマー」シリーズの第4作目である。
第1作「トランスフォーマー」と、
第2作「トランスフォーマー2010」が
海外で製作されていたのに対し、
第3作目の「ザ・ヘッドマスターズ」からは国内で製作されたため、
国内製作「トランスフォーマー」では、第2作目ということになる。
前作「ザ・ヘッドマスターズ」が、
強く海外版の影響を受けていたのに対し、
本作では多くのオリジナル要素を盛り込み、
前作までとは、かなり毛色の違う作品に仕上がっている。
第1作〜第3作までは、作品をまたいで
同じキャラクターがレギュラーとして登場することも多かったが、
今作では前作までのレギュラーキャラクターは一切オミットされ、
(一応、存在していることにはなっているし、
 1回限りのゲスト出演などでは、登場もしている)
全く新しいキャラクターのみで、ストーリーが展開していく。

設定の大きな変更点として、
これまではロボット自身に「意思」があり、
それぞれのロボットが、自らの意思で活動していたのだが、
この「超神マスターフォース」では、一部のロボットに限り、
人間のキャラクターが意思の無い「トランステクター」に
「ヘッドオン」や「ゴッドオン」して合体(同化)する
というものがあった。
それまでの「ガンダム」や「マジンガー」などと違い、
操縦という形ではなく、むしろ巨大ロボットに「変身」していると
表現した方がいいような形であった。

「ジンライ」というのは、
この「ゴッドオン」する人間のキャラクターの1人で、
彼が合体した巨大ロボットもまた「ジンライ」と呼ばれた。
正義のロボット軍団・サイバトロンの総司令官であり、
本シリーズの主人公的な立ち位置にいた「ジンライ」だが、
その初登場は、全47話中10話と意外に遅い。
もっとも、オープニング映像では、
本編での「ジンライ」登場前に、すでにその姿が出ており、
そのため、様々な憶測を呼んだキャラクターであった。
どうして、まだ本編にも登場していないキャラクターの
先行映像で、様々な憶測を呼ぶことになったのか?
それは、ひとえに彼の姿が、
「トランスフォーマー」シリーズにおいて
もっとも有名な、初代サイバトロン総司令官、
コンボイ」に瓜二つだったからである。
なんだ、あのオープニングの中にいる「コンボイ」は?
このシリーズにも「コンボイ」が出てくるというのか?
散々、このような憶測を呼んだわけだが、
実際、本編に登場してみれば、なんのことはない、
全く「コンボイ」とは関係のない、新規のキャラクターだったわけだ。
本来であれば、あの伝説の初代総司令官にそっくりなわけだから、
作中において、誰かがそのことに触れても良さそうなものだが、
自分の知っている限り、このことについては全く誰も触れなかった。
ひょっとすると、製作者側も「そこには触れないでほしい」と、
考えていたのかも知れない。

ともかく、10話にして初めて登場した主人公・ジンライは、
サイバトロン軍で最初の「ゴッドマスター」だった。
かつての「コンボイ」と同じく、
赤いトレーラーキャブがトランスフォームして、
「コンボイ」そっくりのロボットへと変わる。
ここまで、デストロンの「ゴッドマスター」によって
苦戦を強いられていたサイバトロンは、ジンライの加入によって
初めてデストロン「ゴッドマスター」と互角に戦える力を
手に入れたわけである。
ジンライの登場により、ようやく互角以上の戦いが
出来るようになったサイバトロン。
デストロンは、強敵ジンライを倒すべく、
合体巨大ロボ・キングポセイドンを差し向ける。
圧倒的な体格差により、苦戦を強いられるジンライ。
そのとき、それまで何の役に立つのか、よく分かっていなかった
トレーラーのコンテナ部分が変形、ジンライと合体を果たし、
キングポセイドンと互角の体躯を持つ、
スーパージンライへと変わったのであった。

このスーパージンライの登場によって、
サイバトロンとデストロンのパワーバランスは、
一気にサイバトロン側に傾く。
なんといっても、それまでに登場していた
「ゴッドマスター」の中でも、スーパージンライのパワーと体格は
圧倒的であった。
さらにジンライに続いて、3人の「ゴッドマスター」が
サイバトロンに加入。
もう、こうなってくると盤石の体勢である。
質・量ともにサイバトロン「ゴッドマスター」は
デストロンのそれを上回り、
このまま勝ちに持ち込めるかとなった所で、
デストロンの大幹部「ゴッドマスター」オーバーロードが登場、
スーパージンライを完膚なきまでに叩き潰すのである。
オーバーロードは、2人の「ゴッドマスター」が
1台の巨大ロボットにゴッドオンしており、
体格もスーパージンライと同じ、パワーはそれ以上であった。

最強戦力・スーパージンライを破られたサイバトロンは、
スーパージンライの強化計画に取りかかる。
それが、スーパージンライと合体することにより、
ゴッドジンライへとパワーアップさせる
強化ロボ・ゴットボンバーを建造する「ボンバー計画」であった。

と、長くなってしまったが、これが「超神マスターフォース」での
スーパージンライとゴットボンバーの役回りである。
群像劇的な要素の強かった「トランスフォーマー」シリーズにおいて、
初めて、主人公という役割を強く意識されたキャラクターであり、
後のシリーズにも、大きな影響を及ぼしている。

さて、このシリーズの中で、トレーラーキャブのジンライは、
コンテナと強化合体を果たし、スーパージンライとなる。
これは当時の自分にとって、かなりの驚きだった。
ジンライのモデルであるコンボイも、同じトレーラーキャブに変形し、
同じようにコンテナ車を引っ張っていたのだが、
コンボイの場合、ロボット形態に変形すると
コンテナ車の部分はどこかへ消えてしまっており、
全く、何の意味もないパーツだったからである。
このコンテナ車に、ジンライの強化合体パーツという
役割を持たせることにより、ジンライのトレーラートラック形態には、
全くムダなパーツが無くなった。
それが、非常に理にかなった、美しい変形に思えたのである。
そういう思いがあったためか、スーパージンライの強化型である
ゴッドジンライは、全然、好きにはなれなかった。
正直、全くかっこいいとは思わなかった。
スーパージンライのシンプルなまとまり方の
美しさを台無しにしていると思ったのである。

今回の「ゴッドボンバー」発売によって、
旧来からの「トランンスフォーマー」ファン達は、
夢でもあった、スーパージンライからゴッドジンライへの
パワーアップを果たせるようになった。
今回発売された「トランスフォーマーレジェンズ」シリーズは、
どれも、昔、放送されていた、アニメロボットのスタイルを
強く意識して作られており、当時発売された玩具に比べると、
かなり洗練されたプロポーションを持っているのが特徴だ。
発売されている「スーパージンライ」「ゴッドボンバー」とも、
昔のアニメ作品そのままのスタイルで、
その出来上がりは、ちょっと「子供の玩具」というレベルを
超えている。
もちろん、発売されている商品のラインナップからしても、
20年以上昔に、アニメを見ていた世代を狙っているのは明らかで、
価格も「それ」を意識した値段設定になっている。

正直な話、ちょっと欲しいアイテムではあるのだが、
先に書いたように、個人的に「ゴッドボンバー」との合体に
あまり魅力を感じない点、
さらに、「スーパージンライ」にしても、かつての玩具にあった
「ジンライ」→「スーパージンライ」というパワーアップ合体が
完全にオミットされている点が、大きく魅力を損ねているため、
購入については、見送りを決めた。

いずれ、それをキチンと再現した
「スーパージンライ」が発売されたら……、とも思うのだが、
そういった商品の発売には、
また20年以上の時間がかかるのだろうか?

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