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ウルトラの血族〜その2

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兄弟といっても、名ばかりの兄弟として知られている
「ウルトラ兄弟」。

今回は、彼らのプロフィールを紐解き、
テレビ放送では見えにくかった、彼らの性格などについて、
考察を進めていこう、というシリーズである。
前回は、初代ウルトラマンからウルトラマンジャックまでについて
検証してみた。
今回はこれに引き続き、「ウルトラマンA」からということになる。

早速、ウルトラマンAのプロフィールを見てみよう。

・年齢 1万5千歳
・職業 宇宙警備隊員、宇宙警備隊支部長
・趣味 作詞
・弱点 地中に潜れない、水中戦
・家族 孤児だったため、ウルトラの父とウルトラの母に育てられた

今回は「弱点」という項目を付け足してみた。
基本的にあの一族は「寒さに弱い」という共通の弱点があるのだが、
こちらの方については、今回、割愛した。
「地中に潜れない」というのは、
果たして弱点になるのかどうかよく分からないのだが、
もし、これを弱点とするのであれば、地球上に棲む動物のほとんどが
この弱点を有しているということになる。
だが、逆に考えれば、これが弱点になるということは、
あの一族にとって「地中に潜れる」というのは普通のことであり、
これができないというのが珍しいということになる。
我々地球人の例にあてはめるとすれば、
「自転車に乗れない」とか
「逆上がりが出来ない」という感覚だろうか?
もう1つの弱点である「水中戦」にしても、
息継ぎを必要とせず、溺れる心配のないウルトラ一族において
水の中が苦手だということは、
つまりは「泳げない」ということかも知れない。
(もっとも、ウルトラの星には海はおろか、水すらも無いそうなので、
 むしろどうして彼らが泳げるのか?という方が、不思議だが……)
この2つの弱点から察するに、Aは運動が苦手なのだろう。
趣味が「作詞」というのも、それを裏付けているといえないか?

だが、このAのプロフィールの中で、特筆すべきなのは、
「孤児」ということだろう。
地球人の場合、両親が事故で亡くなって…、
ということもあるだろうが、
彼らは死んでもすぐに生き返るウルトラ一族だ。
そんな一族の両親が、揃って事故死するというのも考えられない。
そうなると、Aの場合、両親と死別したというよりは、
両親に捨てられたと解釈する方が、より自然だろう。
……。
そう考えれば、ウルトラ一族にも深い闇の部分があるようだ。

だがこれについては、別の考え方も出来る。
その根拠は、ウルトラの父とウルトラの母の、
Aに対する扱いの差である。
Aが地球で戦っていた間、ウルトラの父はAを助けるため、
何度も地球を訪れているが、ウルトラの母は一度もやってきていない。
実子のタロウのときは、緑のおばさんになって
地球に滞在までしていたのと比べると、エラい違いである。
こういう言い方をしては何だが、ウルトラの母はAに対して
かなり冷たい対応をしている。
何故、ウルトラの父とウルトラの母で、
ここまでAの扱いに差がでるのか?

こうは考えられないだろうか。
実はAは、ウルトラの父がウルトラの母以外の女に生ませた子供だと。
Aの母は、A出産時に亡くなってしまい、
Aを育てることが出来なくなってしまった。
そのため、世間的には「孤児を引き取った」ということにして、
実父であるウルトラの父が、Aを引き取って育てたのである。
こうなると面白くないのが、ウルトラの母だ。
よりにもよって、他所の女に生ませた子供を
育てさせられるなんて……、となっても不思議ではない。

そう考えると、Aは兄弟の中でも不遇をかこっており、
その孤独感から「作詞」という、
感傷的な趣味を選んだのかも知れない。

次は「ウルトラマンタロウ」の主人公・タロウだ。

・年齢 1万2千歳
・職業 宇宙警備隊支部長、宇宙警備隊教官
・嫌いなもの まんじゅう、弱いものいじめ
・家族 父……ウルトラの父(ウルトラマンケン)
    母……ウルトラの母(ウルトラウーマンマリー)

ウルトラの父とウルトラの母の実子である。
血筋的に見れば、エリートといっていいだろう。
地球に滞在していたときも、何かあれば
ウルトラの母が助けにきていた印象があるので、
ひょっとすると重度のマザーコンプレックスかも知れない。
また、ウルトラの母の方も、やたらタロウを贔屓していた。
(先に書いたAとの扱いの差は、露骨すぎるくらいである)
性格自体は明るいタイプで、鬱屈しているようなことは無さそうだ。
嫌いなものが「まんじゅう」と「弱いものいじめ」である。
まるで小学生のアンケートの答えのようだが、
逆に言えば、人格的にまだ幼い所があるのだろうか?
気になるのは、「まんじゅうが嫌い」という点。
よくよく考えてみれば、光の国に饅頭などあるはずもなく、
彼が饅頭を嫌いになったとすれば、
地球に来てからのことになるだろう。
味覚などとは無縁な人生を送ってきたタロウが、
どういう経緯で饅頭を食べ、それを嫌いになったのか、
興味は尽きない。

次は「ウルトラマンレオ」の主人公・レオだ。

・年齢 1万歳
・家族 父……すでに死亡
    母……すでに死亡
    弟……アストラ

レオのプロフォールはかなり少ないのだが、
少なくともその家族構成を見る限りでは、彼の人生もA並みにハードだ。
物語が始まる1ヶ月前に、マグマ星人と双子怪獣によって、
生まれ故郷である獅子座のL77星が破壊され、
その際に両親が死亡、弟のアストラは行方不明になった。
片腕に剣がついているだけのマグマ星人と、
抱き合って回転するだけの双子怪獣が、
どうやって星を1つ壊せたのか非常に気になる所だし、
たった1人と2匹の侵略者など、
L77星の住民が総掛かりで攻撃すれば
簡単に倒せそうな気もするのだが、
どういうわけか、あっさりとL77星は破壊され、
レオとアストラ以外は全滅してしまうハメになった。
ひょっとしたら、惑星を破壊できるだけの
強力な兵器があったのかも知れない。

ともあれ、1人、星を脱出したレオは地球にたどり着き、
そこで地球人・おおとりゲンとしてスポーツコーチの職を得る。
やはり彼も肉体派なのだろう。
重要なのは、このわずか1ヶ月の間にゲンは地球で
恋人を作ったという事実だ。
生まれ故郷を破壊され、両親を殺され、
同じ星の人間が全滅するという悲劇から、
わずか1ヶ月しかたっていないのに、である。
頭の切り替えが早いとか、そういうレベルの話ではない。
ひょっとしたら落ち込んでいるゲン(レオ)を見て、
女性の方が放っておけなかったのかも知れない。
だとすれば、レオはなんとなく
放っておけないタイプということになる。

実際、この「放っておけない」というのは、
「ウルトラマンレオ」のストーリーそのものにも表れていて、
ウルトラセブン、ウルトラマンキングと、
彼の前には、なんとか彼を引き立てようとする人物が
何人も現れた。
さらにレオがピンチになるたびに、
まるで見ていたようなタイミングで弟・アストラが現れ、
彼のピンチを救っていた。
そういう意味では、わりと人に愛されるタイプなのかも知れない。

ちなみに、彼の弟・アストラは
レオの双子の弟ということになっている。
顔そのものはそっくりなのだが、頭部の形が大きく異なっている。
彼は、故郷が破壊された際に、
マグマ星人によって捕らえられたのだが、
ウルトラマンキングによって助けられた。
その際、足に付けられたチェーンは
キングの力でも外すことが出来なかったため、
現在でもついたまま、ということになっている。
考えようによっては、兄よりもハードな人生を
送っているといえるだろう。

さて、次回は「ウルトラマン80」、
ウルトラ兄弟長兄のゾフィーなどについて、考察を進めていく。

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