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アレルギー

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By: whity

そろそろ、天気予報などでも
「花粉」の情報について、流すような季節になった。

自分が花粉症を発症したのが、いつごろのことだったかは、
はっきりとしていない。
自分のことなのに、随分いい加減なように聞こえるだろうが、
実際の所、かなり長い期間、
自分はそれをタダの鼻風邪だと思い込んでいたのである。
これを「花粉症」だと認識したのは、
相当に症状が酷くなった年のことである。
何か喋るごとに「ゴホゴホ」と咳き込むような状況だった。
そこまでの状況になれば、さすがにそれが
ただの鼻風邪ではないと、考えるようになる。
時期的に、TVのスイッチを入れて天気予報を見れば、
どこの番組であっても「花粉情報」を流している時期である。
ハタと、自分の鼻風邪が「花粉症」であると自覚した。
自覚はしたのだが、だからといって何かしたわけでもない。
一応、世間では「花粉症」対策の薬や、グッズが販売されていたが、
まだまだ「花粉症」に関しては、根源的に治療できる薬は無く、
仕事柄、顔を覆うようなマスクを着用することも出来なかった。
結局、特に何も対策をするようなこともなく、
飛散している「花粉」が少なくなるのを、待つだけであった。
酷く咳き込むようなことがあっても、
それをあまり苦痛として感じない
意外に図太い神経が、良い方向に作用しているらしい。

この「花粉症」というのは、一種のアレルギーである。
植物の花粉が、鼻や目の粘膜に触れることにより引き起こされ、
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、などが起こる。
「アレルギー」というのは、特定の抗原に対して、
免疫反応が過剰に起こることをいう。
「花粉症」の場合、抗原となっているのが「花粉」であり、
それによって引き起こされる過剰な免疫反応というのが、
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、ということになる。

この「アレルギー」が、食べ物に対して起こると、
「食物アレルギー」ということになる。
ある特定の食べ物を、身体に良くないもの、
つまり「抗原」と認識して、過剰な免疫反応が起こる。
どうして、本来、人体に無害であるはずの「食べ物」を、
身体に良くない「異物」として、認識してしまうのだろうか?

その原因としては、免疫反応を調整する仕組みに問題がある場合や、
消化・吸収機能が未熟なため、
食べ物を異物と認識してしまう場合がある。
特に後者に関しては、まだしっかりと身体の発達していない
子供のころに起こることが多い。
即時型食物アレルギーで、食後60分以内に症状が現れ、
病院を受診した患者の全国調査では、
0歳児がもっとも多く、全体の33%を占めている。
これに1歳までの子供を含めると50.7%となり、
受診例の半数以上を占めることになる。
年齢が上がって行くごとに、患者の数は少なくなっていくのだが、
4歳以下の乳幼児が、患者全体の70%ほどを占めている辺り、
いかに子供が「食物アレルギー」にかかりやすいのかが、わかる。
(ちなみに20歳以上の「食物アレルギー」患者は、
 患者全体の10%ほどである)

ただ、年齢が上がるにつれ、
患者数が少なくなっているのを見ても分かるように、
成長とともに、身体の消化・吸収機能が発達してくると、
それまで「アレルギー」を起こしていた原因食物にたいして、
耐性がつき始める。
要は、食べても「アレルギー」を起こさなくなるのだ。
子供に多い、卵・乳・小麦などに対する「アレルギー」は、
小学校入学前に、ほぼ8割型、
反応を起こさなくなるように「耐性化」してしまう。
ただ、同じように「アレルギー」を引き起こす食物でも、
ピーナッツ、魚介類、果実類、そば、種子類などは、
「耐性化」しにくい性質を持っている。
さらに幼児期後半以降(成人も含む)に発症した
「食物アレルギー」に関しては、治りにくいとされている。
恐らくは、消化器官の未熟故に起こった「アレルギー」ではなく、
免疫機能を調整する仕組みに問題があって
発症しているタイプの「アレルギー」なのかもしれない。
「食物アレルギー」に関しては、根源的な治療法というものが、
まだしっかりと成立しておらず、
原因となる食物を、症状が出ないほど少量ずつ食べることによって、
これを「耐性化」させていくという方法をとるのが、一般的なようだ。
いわば、薄めた「毒」を飲んで、徐々に身体を慣らしていくという、
どこぞのマンガの殺し屋のようなことをやるわけであるが、
当然、この方法には、常に「毒」にやられる危険がついて回る。
もし、子供が「食物アレルギー」であったとして、
「食べ続ければ治る」なんていうアホな考えで素人療法を行なえば、
子供の命に関わる事態を引き起こしかねない。
子供の「アレルギー」が見つかった場合、
すぐに専門医の診療を受け、その指示に従って
治療を行なうようにしよう。

この「食物アレルギー」を引き起こすことのある食べ物というのは、
かなりの数にのぼる。
先述した、卵、乳、小麦の「アレルギー」が圧倒的に多く、
この3品目だけで、アレルギー患者全体の70%ほどになっている。
もちろん、子供がかかりやすいのも、この3品目である。
どれも、現代日本では基本的な食品ばかりなので、
これらを除去した食生活、ということになると、
食べられる物が、かなり制限されてしまう。
この3品目に、そば、落花生、えび、かにを加えた7品目は、
「特定原材料」と定められており、
加工食品等にこれらの原材料を使用している場合、
そのことを必ず表示しないといけない義務がある。

さらにこの7品目に準ずるものとして、
20品目が定められているが、こちらの方は、
原材料の使用表示が推奨されているだけで、
義務化されているわけではない。
ここで、ちょっとそれらの食品を挙げてみよう。
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、
クルミ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、豚肉、松茸、桃、
山芋、りんご、ゼラチン、バナナ、ごま、カシューナッツの20品だ。
あわびや松茸などの高級食材であれば、
通常の食生活をしているだけでは、遭遇することも少ないだろうが、
それ以外の食品については、わりと日常的な物ばかりだ。
特に牛肉、豚肉、鶏肉といった一般的な肉類が全て含まれていたり、
日本人の食生活には欠かせない大豆やごま、
目立たないながらも、様々な加工食品に使われているゼラチンなどは、
我々が日常的に口にしている食品ばかりである。

さらにこれら27品目からは外れているものの、
米、とうもろこし、トマト、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、
ほうれんそう、ニンニク、アジ、イワシ、マグロなども、
稀に「アレルギー」の抗原となることがある。
日本で「米」が食べられない、ということになると、
一般的な食生活を送ることは無理だろう。

世界的にも、ごく稀な例として、
「水」に対する「水アレルギー」がある。
ここまでくると、一体どうやって生きていくのかが心配になってくるが、
実際には、これは「水」を抗原とする「アレルギー」ではなく、
「水」の物理的な刺激によって引き起こされる蕁麻疹である。
本人の涙、汗、唾液にも反応するらしく、
これらが肌に触れても、皮膚疾患が起こる。
かなり緊迫した生活を強いられそうだが、
その緊張から冷や汗を流しても、アレルギーが起こる。
現在の医療技術では治療することが出来ないため、
こればかりは罹らないことを祈るのみである。

さて、ここまで様々なアレルギーについてみてきたが、
季節はそろそろ、我がアレルギー「花粉症」の時期である。
せめて今年は、症状が軽いことを祈るしかない。

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