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泡盛〜お詫びと訂正

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前回、「泡盛」の話の最終回をブログに挙げた後、
友人からツッコミを貰った。

友人曰く、
「「泡盛」は、そこら辺のスーパーなどに、普通に置いているぞ」
とのことであった。
確かに前回、「泡盛」の話の総括として、
珍しい酒なのだから、見つけたときには迷わずに飲んでおくように、
みたいなことを書いて、話を締めたのだが、
そこら辺のスーパーに普通に置いてあるということになると、
ちょっと話が違ってくる。

実は、「泡盛」が珍しい酒というのは、
生産量の80%が沖縄県内で消費され、
残り20%が県外で販売されている、という話から
想定したものだった。
あの狭い沖縄県内で作られている地酒のうち、
わずか20%しか県外で販売されていないのなら、
身の回りでは、ほとんど見かけることがないだろう、
と踏んだのである。
ところが友人に言わせれば、この20%が、
うちの近所のスーパーなどでも、普通に並んでいるという。

友人からその話を聞いて、とりあえず、
その話の真偽のほどを確かめてみなくてはならないと思った。
今回のことは、自分勝手な想定で話を進め、
そのウラを取らなかったたために、起こってしまったことである。
友人が「そこら辺のスーパーにも、普通に並んでいる」というからには、
それなりに信用のおける話なのだろうが、
一応、ウラを取らずに先走ってしまった反省も込めて、
うちの近くのスーパーなどの店舗をまわり、
本当にちゃんと「泡盛」が並んでいるのか、確認しなければなるまい。
そう考えた自分は、早速、愛車に乗って町に乗り出していった。

今回、見て回る店舗には、各スーパーはもちろんのこと、
ある程度の量の酒類を販売している、
ドラッグストアやホームセンターも含めた。
そういう所も含めて、どれくらい「泡盛」が流通しているのか、
その本当の所を調べてみたわけである。
だから、実際に回ってみた店の数は13店舗に及んだ。
その13店舗のうち、実に8店舗で
「泡盛」が置いてあることが確認できた。
まあ、あるといっても、大方の店では、
何十種類もある焼酎の片隅に、
申し訳無さそうに1本か2本、置いてあるという店が
ほとんどだったのだが、全国的にも有名な大手スーパーでは、
「泡盛」専用の棚(といっても1段だけだが……)が用意されていたし、
リカーショップとしての色が強い、某スーパーなどでは、
かなりの数の「泡盛」が並べられていた。
少なくとも、沖縄から遠く離れた、たつの市という田舎都市においても、
「泡盛」を入手することは、そう難しいことでは無いようである。
(ちなみに、自分も買いに行きたい、という人のために
 「泡盛」の品揃えの良かった店のイニシャルを挙げると、
 全国的にスーパーを展開しているIグループのMVというスーパーと、
 たつの市役所から北に進んだ所にある、I屋というスーパーである)
実際に、市内のスーパーで「泡盛」を探していると、
友人から沖縄土産としてもらった「泡盛・島唄」も
結構、置いてあり、ちょっと微妙な気分になってしまった、

調べてみた所、2015年の「泡盛」総出荷量は
1万9247キロリットルということになっている。
この内、2879キロリットルが県外への出荷となっているので、
市内のスーパーに並んでいた「泡盛」たちは、
この中に含まれているはずである。
自分の近辺だけ、特に「泡盛」率が高いとも思えないので、
恐らくは沖縄以外の日本全国、たつの市と同じような感じで
「泡盛」が並んでいるのではないだろうか?
確かに、大手スーパーやリカーショップなどでは、
「泡盛」の品揃えが良かったが、逆にそれ以外の店では、
ほんの1〜2種類しか置いていない所がほとんどだったので、
そういう店では、一応、置いておこうというくらいの
スタンスなのかもしれない。
一地方の、ちょっと名前の通った地酒の扱いとしては、
その辺りが妥当な所なのだろう。

ただ、この事実は、ある1つの疑念を生じさせる。
扱いは小さめといえども、沖縄から遠く離れたたつの市という土地で、
ごく普通に手に入れることが出来る「泡盛」。
それは、全国に分配されている2879キロリットルの「泡盛」で
賄われているわけだが、当の地元・沖縄では、本当に、
その5倍以上の量の「泡盛」が消費されているのか?ということだ。
(まあ、消費されているのだが……)
以前に「泡盛」について書いた際、
総生産量の80%を、地元・沖縄で消費している、と書いたが、
少なくとも、ここに挙げたように
2015年度の出荷状況を見る限りでは、
沖縄での「泡盛」の消費は、明らかに80%を大きく上回っている。
一体、沖縄の人間は、どれだけ「泡盛」を飲んでいるというのか?

実はそのことについても、沖縄へ旅行した友人から話を聞いた。
曰く、
「沖縄のスーパーでは、酒売り場でのスペースのかなりの部分を、
 「泡盛」が占めている。
 数mに渡って、「泡盛」だけが陳列されているというのが普通である。
 ちなみにコンビニエンスストアでも、相当量の「泡盛」を扱っていて、
 それと一緒に「水」も多く販売されていた。
 恐らく、あの「水」は「泡盛」を飲むためのものではないか?」
ということであった。
つまり沖縄県民は、酒といえば「泡盛」という、
かつての琉球王国時代と、ほぼ、変わらないほどの勢いで、
「泡盛」を愛飲しているらしい。
実際、お土産として「泡盛」を貰い、飲んでみた身としては、
たしかに飲みやすい(蒸留酒の中では)酒なので、
とりあえず、飲むならコレという気持ちになるのも、
分からなくはない。
都道府県別の「焼酎」消費量では、
沖縄は13.5ℓで、堂々の第3位にランクインしている。
「泡盛」は、分類上、単式蒸留焼酎ということになるだろうから、
この13.5ℓは、すべて「泡盛」で出した数字だと思われる。
(ちなみに「焼酎」消費量第1位は、鹿児島県である。
 26.9ℓと、沖縄にダブルスコアをつけて、堂々の第1位。
 正直、こういう表現をするのはどうかと思うが、
 率直な感想を言わせてもらえれば、頭がオカシイ数字である。
 ただ、さらに言わせてもらうのであれば、
 沖縄はビールの消費量でも55ℓで、
 全国3位にランクインしている)
鹿児島、高知などは、大酒飲みが多いことで知られているが、
次からは、ここに沖縄を加えて良いかもしれない。

ただ、近年では全国的にアルコールの消費量は右肩下がりだ。
もちろん、これは沖縄も例外ではなく、
出荷量のピークであった2004年から2015年まで、
11年連続で減少し続け、トータルでは3割も減少した。
これは若者のアルコール離れなどの影響もあるといわれているが、
(実際、それほど若くない自分も、普段は全く飲まない)
沖縄はこの現状に強い危機感を覚えており、
炭酸割りやカクテルなど、多様な飲み方を提案して、
「泡盛」の消費拡大の方向に持って行きたいらしい。
沖縄はこれまで、アルコール摂取量も多めではあったわけだし、
県民の健康のことを考えるのであれば、
ある程度の消費減少は良いのかもしれないが、
このペースで消費量が下がり続けるということになるのであれば、
「泡盛」文化維持のために、何らかの対策がいるのかもしれない。

さて、長々と書き連ねてきたが、
「泡盛」が珍しいという、前回の自分の認識は間違いで、
存外、我々の生活の側に入り込んできているようだ。
前回の記事をここに訂正し、思い込みで書いてしまったことを
お詫びする次第である。

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