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シソスイーツ

更新日:

友人から、スイーツを食べに行こうと誘われた。

普段は、余り甘いものを食べない友人なので、
意外に思って詳しく聞いてみると、
現在、たつの市の隣の宍粟市にて「シソスイーツ」なるものを作り、
これを販売しているという。
この企画を見に行きたい、ということらしい。

宍粟市(しそうし)で「シソ」。
思わず、ダジャレかよ!と、ツッコミが入りそうだが、
どうやら全国的には難読地名である「宍粟」の市名を、
「シソ」に重ねてアピールしようという企画らしい。
つまり、ダジャレかよ!と、つっこめば、
ダジャレだよ!と、返ってくるわけだ。

こういう企図で、立ち上がった企画なものだから、
かなりいい加減なものであったことは確かだ。
だって、もともと宍粟市と「シソ」には、何の関係もないのだ。
宍粟市の農産物の中に「シソ」があったわけではないので、
まず、この企画のために、「シソ」を栽培する所から
始めなければならなかった。
気の長い話である。

だが、品質というものにこだわらなければ、
「シソ」の栽培というのは、非常に簡単である。
自分も畑の片隅で1株、栽培しているが、
少々、虫に葉を食べられたりはするものの、
株自体は非常に元気で、次々に新しい葉がつき、
9月半ばになろうというこの時期になっても、
ワッサワッサと生い茂っている。
自分がやったことといえば、
春先にホームセンターで苗を1つ買ってきて、
畑の隅にこれを植えただけである。
植えた後、1週間ほどは水をやったりしていたが、
それ以降は全く何も手を付けていない。
肥料もやらないし、農薬もやらない。
にも関わらず、ワッサワッサと生い茂り、
他に育てていたジャガイモ、枝豆、ポップコーンなどと比べても、
格段に元気に育ち、長く食材を提供し続けてくれている。

ただ、やはり「商品」として提供できるだけの品質の
「シソ」を作るためには、ある程度、手をかけなければならない。
先にも書いたように、虫に葉を食べられたりしていては、
家で消費するならともかく、売り物にはならない。
また、適当な量の肥料をやらなければ、
葉が硬くなってしまうこともあり、
これもまた、売り物として考えると、
不適ということになってしまう。

2014年にこの企画が立ち上がり、
「シソ」の栽培が開始されたが、
さすがに初年度では、高い品質の「シソ」を
栽培することは出来なかった。
だが、さすがに農作業に慣れているのか、
翌2015年には充分な品質を持った「シソ」の栽培に成功。
さらに翌年の今年になって、
ようやく商品の発売にこぎ着けたというわけらしい。
宍粟市内の9つの菓子店・道の駅で、
計14種類の、「シソ」を使った「シソスイーツ」が販売された。
「シソ」さえ使ってあれば、
スイーツの種類については和洋問わないらしく、
シソを使ったモンブラン「シソブラン」、
シソを使ったシフォンケーキ「シフォン・デ・シソ」、
「シソビスコッティ」に「シソロールケーキ」、
「シソどら」、「シソ柏餅」、「シソゼリー」などなどと、
実に多岐に渡ったラインナップだ。
全体的に見た感じでは、「シソ」を使ったゼリーがやや多く、
それについで、菓子の生地の中に「シソ」を混ぜ込んだもの、
クリームや餡に「シソ」を混ぜ込んだものが多かった。
写真を見て、「お?」と思ったのが、
「シソ」を使った柏餅、「シソ柏餅」で、
「シソ風味餡」の入ったピンク色の餅を、
柏の葉の代わりに、「シソ」で巻いてある。
柏餅の「柏」要素が綺麗に無くなり、
そこに「シソ」が入り込んでいる。
もうそれ、柏餅やないやん!というツッコミを待っている様な
柏餅なのだが、見た目は完全に桜餅である。
ただ、くすんだ塩漬けの桜葉を使った桜餅よりは、
緑鮮やかな「シソ」を使った「シソ柏餅」の方が、
見た目に美味しそうという、もうワケがわからず、
混乱必至の柏餅である。

これらの「シソスイーツ」のいくつかを、
宍粟市へ出かけていって食べよう、というのが、
今回の友人の提案であった。
この「シソスイーツ」を扱っている店、9店のうち、
6つは山崎町内に集中している。
手軽に、効率よく食べ歩くのであれば、
この6つの店を回ればいいのだが、
今回は、この山崎町内の6つを避けて、
他の3つの店を回ることにした。

1つ目は、道の駅「いちのみや」のすぐ南に隣接している
「野々工房」だ。
駐車場はないが、道の駅「いちのみや」に車を停めて行く。
地元の食材を使った洋菓子を扱っている小さな店で、
ここでは「シソビスコッティ」を購入。
「ビスコッティ」というのは、イタリアの代表的な焼き菓子で、
ナッツ類の入った生地を、硬く焼き上げたものだ。
サクッとした歯ごたえが特徴だ。
本場ではコーヒーやワインと一緒に食べるらしいが、
今回は、そのままサクサクと頂いた。
生地の中に「シソ」を刻んだものが練り込んであるのだが、
しっかりと焼いてあるためか、それほど強い香りはしない。
ちょっと遠い所から、ほんのりと「シソ」の香りがする感じである。
控えめな甘さとナッツの香ばしさが、良い感じだった。

2つ目は、道の駅・「みなみ波賀」で販売されている「シソゼリー」。
カップに入った普通のゼリーではなく、
ウィダーインゼリーの様な、飲むゼリーであった。
透明なビニールパックの中に、
赤紫色の鮮やかなゼリーが入っている。
原材料の中には、着色料の表示がなかった所を見ると、
この赤紫色は、シソ由来の天然物らしい。
結構強いシソの香りと、甘酸っぱさのバランスが良く、
なかなか美味しい。

3つ目は、千種町黒土にある「菓子工房MISAKO」。
千種小学校から、少し南に下がった所に
「シソスイーツ」のノボリが出ていた。
だが、ノボリはあれども店は見えず。
ノボリの傍に、建物の隙間を縫う様な通路があり、
そこを入っていくと、「菓子工房MISAKO」があった。
早速、中に入ってみるが、そこにも商品ケースなどはなく、
店員さんもいない。
しばらく待っていると、隣の建物から店員さんがやってきた。
この人が「ミサコ」さんだろうか?
ここでは「シソロールケーキ」を購入。
1口大に切り分けてあるものと、1本売りがあるらしいが、
今回は1口大のものを2つ購入した。
こちらはビニール袋で個包装してあり、
冷蔵ケースの中にいれてあるものを、持ってきてくれた。
スポンジケーキの生地に「シソ」が練り込んであり、
「ビスコッティ」ほど水分をとばしていないので、
「シソ」の香りが良く残っている。
巻いてあるクリームもピンク色で、
こちらは赤ジソシロップが加えられているらしい。
ここでは他に、「シソモンブラン」と「シソ焼菓子」も購入できる。

これらの「シソスイーツ」は、
8月4日から9月末日まで、取り扱われており、
10月以降は、それぞれの店によって取り扱いが変わるという。
つまり、無くなってしまう「シソスイーツ」もある、ということだ。

もし興味のある人は、9月中に食べに行っておいた方が良いだろう。

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