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ヒーローの「その後」〜その2

更新日:

前回、「昭和ライダー」主演俳優たちの番組終了後について、
取り上げてみた。

今回は、「ウルトラ」シリーズの主演俳優たちの
「その後」について、書いていきたい。

まず、第1作目「ウルトラマン」のハヤタ隊員を演じた黒部進だ。
彼はその後、時代劇などに多く出演し、
その中で悪役を演じることが多かった。
特に年齢を経てからは、身体にいい感じに肉がつき、
貫禄が増したため、悪代官などの役がピッタリとハマっていた。
自分がTVを見出したころには、
すでに第1期、第2期「ウルトラ」シリーズは終了していたので、
実際に自分が目にしてきた黒部進の姿は、
時代劇での悪役の姿の方が多い。
後に娘である吉本多香美も、
「ウルトラマンティガ」にレギュラー出演したので、
親子でシリーズに出演したことになる。

「ウルトラセブン」でモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣は、
後に「ウルトラマンレオ」の中でも、
MAC隊長モロボシ・ダンとしてレギュラー出演している。
設定上、変身能力を失っているので、
セブンの姿で出演するのは、第1話のみである。
この後は、時代劇やドラマを中心にして活躍した。
カフェテリアを経営しており、たまに調理したりもするようである。

「帰ってきたウルトラマン」で郷秀樹を演じた団次郎は、
一時期、特撮番組を中心に出演していたが、
それ以降はTVドラマを中心にして活躍を続けた。
また舞台にも多く出演している。
元々はモデルであったため、ウルトラ主演俳優の中でも
屈指のプロポーションを誇っていたが、
歳とともに随分と太ってしまった。

「ウルトラマンA」で北斗星司を演じた高峰圭二は、
もともと子役出身であり、北斗星司役を演じたときには
すでにある程度の芸歴を持っていった。
A以降は、現代劇・時代劇問わず活躍していたが、
主役は少なく、脇役としての出演が多かった。
1998年に引退(?)していたが、
近年、ウルトラマンの映画で、再び北斗星司を演じた。

同じく「ウルトラマンA」で南夕子を演じた星光子は、
特撮番組を中心に出演していたが、
結婚を機に、女優業を引退。
現在は舞台を中心に活躍しているということので、
女優業は再開したらしい。

「ウルトラマンタロウ」で東光太郎を演じた篠田三郎は、
あるいはウルトラ主演俳優の中で、
もっとも成功した俳優かも知れない。
「ウルトラマンタロウ」でも見せた、
爽やかで清潔感のあるキャラクターからか、
タロウ以後も数々の映画、ドラマ、舞台で活躍を続けており、
主演の数も多い。
ただ、惜しむらくは後の「ウルトラ」シリーズには
全くゲスト出演していないことだろう。
これは篠田三郎の役者としてのスタンスから来ているらしく、
「タロウ」自体を嫌っているというわけではないようだ。

「ウルトラマンレオ」でおおとりゲンを演じた真夏竜は、
映画、ドラマのみならず舞台やアニメ声優、
ナレーターとしても活躍している。
おおとりゲンは、一本気で不器用そうなキャラクターだったが、
多彩な活躍ぶりを見ていると、存外、器用な人なのかも知れない。
文化庁の「学校への芸術家派遣事業」にも協力しており、
全国の学校で民話語りなどを行なっている。

「ウルトラマン80」で矢的猛を演じた長谷川初範は、
後に「101回目のプロポーズ」に出演、
主人公役の武田鉄矢の、ライバルキャラを演じた。
テレビドラマへの出演を中心に、映画、舞台でも活躍。
ヒーロー番組であるウルトラマンで、
中学校教師という役を演じた彼が、
金八先生のライバル役を演じたというのは、
なんとも因縁を感じさせる話だ。

「ウルトラマンティガ」でダイゴを演じた長野博は、
現在も「V6」の一員として活躍している。
彼の場合、ダイゴ役をやる以前に「V6」として
知名度を上げていたことにより、
ウルトラマン前と、ウルトラマン後での変化が少ない。
他と違って、すでに長野博という名前を認知させてから
ダイゴ役を務めたため、この役のためにイメージが……、
という様なことにはならなかったようだ。

「ウルトラマンダイナ」でアスカ・シンを演じたつるの剛士は、
後にクイズ番組で「おバカタレント」として注目され、
それ以降は、バラエティタレントとしての活躍が目立っている。
また、ラジオパーソナリティなどを務める他、
5児の父として「イクメン」タレントとしても活躍中。

「ウルトラマンガイア」で高山我夢を演じた吉岡毅志は、
映画、ドラマなどに出演している。
ただ、比較的露出は少ないようである。
メビウスの防衛チームの女性隊員と結婚した。

「ウルトラマンコスモス」で春野ムサシを演じた杉浦太陽は、
番組終盤に傷害罪と恐喝罪で逮捕されるという
トラブルに巻き込まれた。
主演俳優が、番組放映中に逮捕されたというのは前代未聞であり、
「ウルトラマンコスモス」は、
最終回まで5話を残して打ち切りとなった。
だが、この逮捕が誤認逮捕であったことが確認され、
本人は釈放、放映されなかった5話分が再編集され、
スペシャル2話分として放映された。
以降はドラマ、バラエティ番組を中心に活躍している。
元モーニング娘。の人気メンバーと結婚している。

「ウルトラマンネクサス」で孤門一輝を演じた川久保拓司は、
ウルトラマンに変身しないという、異色の主人公だったが、
(実際は最終回で1回のみ変身した)
そのせい(?)で、あまり主人公という感じのしない主人公だった。
TVドラマ、舞台を中心に活躍している。

「ウルトラマンマックス」でトウマ・カイトを演じた青山草太は、
TVドラマ、バラエティ番組を中心に活躍している。
映画「デスノート」シリーズにも出演していた。

「ウルトラマンメビウス」でヒビノ・ミライを演じた五十嵐隼士は、
番組終了後、テレビドラマを中心に活躍していたが、
2013年に芸能界を引退した。
一時期、激太りして話題になった。

さて、「ウルトラマン」から「メビウス」までの
主演俳優たちのその後を追ってみたが、どうだっただろうか?
「ライダー」俳優の方には、
すでに2人ほど鬼籍に入っている人がいたが、
「ウルトラ」俳優の方では、全員がまだ存命だ。
シリーズ的には「ライダー」よりも「ウルトラ」の方が古いのだが、
にも関わらず役者が健康なのは、
人間体でのアクションというものが、
あまり要求されないためだろうか?

平成「ライダー」は、新人俳優の登竜門になっていると書いたが、
どうも「ウルトラ」の方では、そんな感じはない。
それだけ「ライダー」シリーズの方が、
バックがしっかりしているということなのだろう。

かつて、ヒーロー番組で主人公を演じた者は、
そのイメージが定着してしまって、その後の役者人生の
大きなマイナスになる、という話を聞いたことがある。
だが、「役者」という世界は、元々一握りしか成功しない
厳しい世界だ。
ヒーローを演じた役者の中には、かつて演じたヒーローのことを
疎ましく考えている者もいるということだが、
その疎ましいヒーローの役でさえ掴めずに、
多くの者が「役者」の世界を去って行っていることを考えれば、
ヒーローになって大きく名前を売れたということは、
「役者」として、計り知れないプラスであることは確かだ。

それをどう捉え、その後の「役者」人生にどう活かしていくかは、
それぞれの「役者」次第だ。

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