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「こち亀」連載終了

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以前、「DEAR BOYS」というマンガの最終回について、
記事にしたことがある。

これは月刊マガジンで26年間に渡って連載されていた、
高校バスケットボールを題材にしたマンガで、
2015年の12月をもって、
その長きに渡る連載にピリオドを打った。
作中での1年間を、26年かけて執筆したために、
わずか4ヶ月(作中時間)程の間に、
ポケベル→PHS→携帯電話(初期型)→携帯電話(折りたたみ式)
→スマートフォンという脅威の電子機器革命が
成し遂げられたりしたのだが、
主人公・哀川和彦と瑞穂高校は、インターハイを無事に制覇して、
ストーリーは大団円を迎えた。

この際、ヤフートップのニューススペースでも、
「DEAR BOYS」連載終了が、ニュースとして取り上げられていた。
26年間連載されていたということで、
ヤフートップのニュースにもなったのだろうが、
この「DEAR BOYS」というマンガは、
一般的に言えば、それほどメジャーなマンガというわけではない。
同じようにバスケットボールを扱ったマンガとしては、
「スラムダンク」などがよく知られているが、
これに比べると、まだまだマイナー感があった。
(もちろん、これを読み続けている自分の様な
 根強いファンはいたわけで、
 だからこそ26年間の長きに渡って、
 連載を続けられたわけだが……)
一応、アニメ化もされているのだが、
こちらの方も、これといって注目されることもなく
終わってしまった。
しかし、そんなマイナーなマンガであってさえ、
26年の長期連載の終了ということになれば、
ニュースとして取り上げられるのだなぁと、
シミジミと感動したものであった。

その「DEAR BOYS」の連載終了を
ニュースとして取り上げていた、ヤフートップのニューススペースで、
またもや、あるマンガの連載終了がニュースとして取り上げられた。
現在、週刊少年ジャンプで連載されている
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、
通称「こち亀」が、40年に渡る長期連載を終え、
最終回を迎えるというのである。
正直、これはかなりの驚きであった。

自分が週刊少年ジャンプを購読していたのは、
中学生ごろから大学生くらいの間である。
当時、週刊少年ジャンプはまさに黄金期といってもいい時代で、
現在でもよく知られている有名マンガが、
何本も連載されているという時代だった。
自分が週刊少年ジャンプを読んでいた10年間、
最初、黄金期を誇っていたジャンプは次第に凋落を始めた。
人気のあったマンガは、ひとつ、またひとつと減っていき、
自分が購読をやめる前あたりには、
黄金期を支えた人気マンガ家の作品は、ほとんど残っていなかった。
しかし、そんな凋落激しい週刊少年ジャンプにあって、
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、
ずっと連載を続けていた、たったひとつの作品であった。
(ただ、自分が購読をやめる直前には、
 「こち亀」自体、以前とはかなり作風が変わってきており、
 自分もあまり、読まなくなっていたのだが……)

今、考えてみれば、自分が週刊少年ジャンプを読まなくなってから
20年もの時間が経ったということだ。
その20年の間、「こち亀」は
変わらずジャンプに連載されていたわけである。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、その連載を始めたのは、
1976年(昭和51年)のことである。
かろうじて自分は生まれていたが、
自分の兄弟たちはまだ生まれていない。
葛飾区の亀有公園という実在の場所にある架空の派出所、
「公園前派出所」を舞台として、
警察官である主人公・両津勘吉の活躍が描かれる。
警察官が主人公だから、普通は犯罪捜査がメインの
ストーリーになりそうな所だが、そういうことはほとんど無く、
そのストーリーのほとんどは警察業務とは関係のないテーマを
扱ったものであった。
同じ週刊少年ジャンプに連載されていたマンガでも、
大ブームを巻き起こした「ドラゴンボール」や「スラムダンク」、
「北斗の拳」ほどの熱狂的なブームは起こらなかったが、
これらの人気作たちの勃興・衰退を横目に見ながら、
ただひたすら、マイペースで連載を続けてきた。
そして、いつしか「こち亀」は、
週刊少年ジャンプの「顔」としての地位を、手に入れていたのである。

40年に渡る週刊連載というのは、
もちろん、世界を見渡してみても、並ぶもののない大記録だ。
この記録の恐ろしい所は、
40年間の週刊連載において、ただの1度も休載していない所だ。
ギネスブックにも、「少年誌最長連載記録」として掲載されており、
2013年には連載1800回を記録している。
週刊少年ジャンプは、1年間で50〜52冊ほど発行されるので、
1度の休載もないことを考えれば、
2016年の現在では、すでに連載回数は
1900回を越えているはずである。
単行本は現在、199巻まで発売されており、
最終回となる9月17日分で、ちょうど200巻になるという。
作者・秋本治によれば、
「キリのいい、おめでたい所で終わりたい」ということなので、
この期を逃せば、300巻まで連載しないといけないことになる。
(ちなみに、連載回数は最終回で1960回となる。
 連載回数のキリを良くするか、単行本の巻数のキリを良くするか、
 難しい所だが、作者は前者を選んだようだ)
40年で200巻ということは、300巻になるのには後20年。
現在、秋本治は63歳なので、
300巻が出るときには、83歳ということになる。
さすがにこの歳では、週刊連載はきびしいだろう。
(ただ、なんとなく、それ(300巻)も出来るんじゃないか?
 と、思えてしまう所が、この作者の凄い所だ)

この「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で、
プロの漫画家デビューを果たした秋本治。
そのまま、デビュー作の連載を続け、40年間やってきたために、
彼には「こち亀」以外の連載作品というのは、
たった1作品しかなく(読み切りや短編は意外に多い)、
そちらは単行本も5巻出ているだけである。
(もっとも、40年間週刊連載を続けながら、
 不定期連載とはいえ、もう1本連載を持っていたのだから、
 それだけでも充分に凄いことではあるのだが)

ひょっとしたら、「こち亀」連載終了後、
間髪入れずに新連載開始、なんていうのも考えられない話ではない。

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