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大台ケ原〜その2

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By: merec0

前日、いきなり「大台ケ原に行きたい」といわれ、
急遽計画した「大台ケ原山行計画」だったが、
その計画とは、現地まで車移動4時間、現地で4時間歩き、
さらに4時間かけて車で帰宅するという、
非常に大雑把なものであった上に、友人の希望により、
さらに奈良・大阪の観光が付け加えられることになった。

一抹どころではない不安を抱えつつも、
翌早朝の出発のために、早めに就寝し、明けて翌朝、
午前4時に友人の車で、兵庫県たつの市の我が家を出発した。

夏場で日の出が早いとはいえ、
さすがに午前4時ともなると、辺りはまだ真っ暗である。
ナビの誘導に従って、龍野西インターチェンジより
山陽自動車道に乗り、一路東へ向けてひた走る。
姫路バイパスや阪神高速と違い、
人里離れた山の中に通っている山陽自動車道は、
朝早いこともあり、快適に流れている。
途中、三木SAで朝食を摂り、さらにドリンク、弁当を購入。
このころには辺りも明るくなって来ており、
ここから先は、ヘッドライトを消して走っても大丈夫そうだ。
山陽自動車道から中国自動車道に合流し、
そのまま快調に大阪府に入り、近畿自動車道を通って
大阪の町を南下していく。
途中、モノレールが自動車道に平行するように設置されており、
これと並走する様な形で、南へ南へと進んでいく。
ちょうど東方向には、南北に伸びる山脈が聳えており、
地図の上では、その山脈の向こう側が
「奈良」ということになっている。
町の中に、ちらほらと水田が見られるようになって来た辺りで、
南阪奈道路に乗り換え、東へと向かう。
生駒山地と金剛山地の間辺りを抜けると、
目の前に広い平野が広がっている。
奈良盆地である。
ちょうどここからが「奈良県」ということになる。

奈良県に入ると、すぐに南阪奈道路は終点となり、
後はひたすら一般道を走っていくことになる。
奈良盆地を南北に走る国道169号線を南下し、
吉野川にぶつかった所で、川沿いに東へと進んでいく。
吉野山を越えた辺りで川を渡り、
左右を険峻な山で挟まれた、谷間の道を南下する。
道はやたら曲がりくねっているものの、
ある程度の広さのある2車線道路なので、
車の行き違いに苦労する、なんていうことはない。
谷の下には、変わらず吉野川が流れているのだが、
川の様相はすっかり変わり、渓流的な雰囲気が強くなっている。
一応、道沿いに家が建っているのだが、
裏道がある場所は少なく、
一本の道沿いに家が建っているだけという、
非常にシンプルな構成の集落ばかりである。
道を走っていても、子供の姿などを見かけることはなく、
過疎化の進んでいる地域なのかも知れない。

途中、大きなダムが2つほどあり、それを越えて南下していくと、
ナビが途中で右折を指示してきた。
ちょうどトンネルに入る手前の所で、
突然、道は薄暗い1車線の林道になり、勾配も急になる。
思わず、おかしな道に迷い込んでしまったのかと、
車を停めてナビを再確認してみる。
ナビのマップの縮尺を縮小し、
この細く薄暗い林道の行き着く先を確認する。
恐ろしいことに、この細く薄暗い林道の先に、
「大台ケ原」の文字が表示されている。
少なくとも「大台ケ原」に行くためには、
この細い林道を、延々と20km近く走らないといけないらしい。
かなり細い道で、もし対向車が走ってきた場合、
行き違うのはかなり難しそうである。
所々に行き違うためのスペースがある様なので、
行き違うことが出来ない場合は、
どちらかが「そこ」までバックせざるを得ない。
戦々恐々としながら、林道を進んでいくと、
道際のガードレールに「終点は大台ケ原駐車場です」という
看板が貼付けられていた。

細く、急カーブの連続する林道を、慎重に進んでいく。
幸いなことに、対向車も後続車も1台もなく、
ただ、全く人気のない林道を順調に進むことが出来たが、
他に1台の車の姿も見えないというのは、
それはそれで不安なものである。
ナビによると、この道で間違いないのだが、
ナビの地図によれば、この細く陰気な林道が
「大台ケ原ドライブウェイ」と表示されている。
思わず、これがドライブウェイ?と、突っ込んでしまった。

しかしある程度、細く曲がりくねった区間を過ぎると、
道が2車線になっている箇所が多くなってくる。
高度が上がり、山の峰近くを走るようになると、
さっきまでの薄暗かった雰囲気は一変し、
明るい雰囲気の林道に変わる。
これならば「大台ケ原ドライブウェイ」と名乗っても、
何ら突っ込まれることはないだろう。
だが、高度が上がったためか、途端に道に霧(雲?)が立ちこめる。
霧の濃さには濃淡があり、濃い所では20m先も見えない。
そんな状態ではスピードなど出せるものではない。
ゆるゆるなスピードで、ノロノロとドライブウェイを
登って行ったのだが、
山頂付近になって、ようやく対向車に出会った。
時間はまだ午前8時を回ったばかりである。
この時間に下山を始めるということは、
昨日のうちに「大台ケ原」を満喫し、
そのまま一晩、泊まったのかも知れない。
「大台ケ原」駐車場は、想像していたものよりもずっと広く、
なんと200台もの車を停めることが出来る。
自分たちが、「大台ケ原」駐車場に到着したころには、
すでに何十台もの自家用車が停まっていて、
多くの登山客がリュックを背に、
周遊コースへと出て行く所であった。

だが、ここに来て1つの問題が浮上していた。
ドライブウェイの途中から立ちこめ始めた霧は、いよいよ濃くなり、
駐車場の中ですら、充分に見晴らすことは不可能になっていた。
これでは、どこにコース入り口があるのか、さっぱりわからない。
自分と友人は、広い駐車場をグルリとひと回りして、
案内看板を見つけ、自分が駐車場の
どの辺りにいるのかを確認した。
太陽も雲に覆われているため、方向が全く分からない。
仕様がないので、方位磁石を取り出し、
自分たちが今、どの方向を向いているのかを確認した。
今までどんな山に登っても、
全くといっていいほど、方向を見失うことがなく、
方位磁石を見る必要はなかったのだが、
まさかそれを駐車場で使うことになるとは思わなかった。

ともあれ、なんとか周遊コースの入り口を見つけた我々は、
今だ深く霧の立ちこめる「大台ケ原」へと、足を踏み入れていく。
果たして無事に帰って来ることは出来るのだろうか?

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