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屋根裏のヌシ

更新日:

これからの季節、TVや雑誌では
「恐怖」特集というのが、盛んになってくる。

もちろん、ここでいう「恐怖」というのは、
一般的に「心霊現象」といわれるものがメインである。
いくら「怖い」といっても、山の中でクマに遭遇した話や、
おっかない上司に叱られた話や、
我が国の将来の話なんかは出てこない。
概ね、恨みを残して死んだ女が、血まみれ姿で出てきたとか、
神社の鳥居に小便をした子供が、
狐憑きになったなんていう話がほとんどだ。
この手の話は、元々、非現実的な現象を取り上げているため、
「怖い」ということになったとしても、どこか他人事で、
作り話ということで、頭を切り替えることが出来る。
山でクマに遭遇した話で「怖い」思いをすれば、
その後、山に行き辛くなりそうだし、
おっかない上司に叱られた話など、
大方の人は、自分の場合に照らし合わせて、イヤな思いをする。
我が国の将来の話など、いちいちマジメに取り合っていては、
不安で夜も眠れなくなるかも知れない。

さて、今回、自分がする話も、この「怖い」話である。
自分には霊感というものがないのか、
今までに一度も心霊体験というものをしたことがないので、
もちろん、そういう話にはなりようもない。
そういう意味では、山の中でクマに遭遇した、というのと、
同じような話であるといえる。
人によっては、全然「怖く」ない、という人もいるかも知れないが、
そういう場合はご容赦いただきたい。

ちょっと前に、我が家の屋根裏に侵入するイタチを
捕まえるまでを記した、「イタチ捕獲作戦」という記事を書いた。
このときは、猟師の友人に手配してもらった捕獲罠を使い、
イタチを2匹ほど捕獲して、これを山奥に放逐した。
その後、2週間近く、新たなイタチの侵入がないことを確認し、
簡易的ではあるものの、イタチの侵入口を塞いで、
「イタチ捕獲作戦」は完了した。
以降は、イタチが天井裏を駆け回ることもなく、
心安らかな日々を送っていた。

だが、その平穏な日々は、いきなり終わりを告げた。

数日前、自室の天井裏からゴソゴソという、
明らかに何者かが動いている音が聞こえてきたのである。
自分はすぐさま、塞いだイタチの侵入口を確認して回った。
だが、確認してみた所、自分が塞いだ侵入口は、
どこも破られた形跡がない。
ということは、どこか他の場所から侵入してきたということになる。
我が家には、前回塞いだ侵入口の他に、
イタチや小動物が侵入してきそうな箇所が、いくつかある。
ただ、それらは侵入しにくい場所にあることや、
塞ぐのが難しい場所でもあったため、
全く手を付けることなく、以前のままの状態で放置してあった。
ひょっとしたら、そこから家の中に侵入してきたのだろうか?

とりあえず、家の中に侵入してきた何者か?を追い出すため、
自分は、自室の天井板をハタキで叩いてみた。
それに呼応するようにして、天井裏で物音がする。
風などによる、自然音ではない。
何か生物が侵入しているのは間違いない。

ただ、この時点でいくつかおかしな点があった。

1つは、自室の天井裏に出た、ということである。
自室は家の2階にある。
つまり今回、何者かが侵入したのは、
2階の天井裏である、ということだ。
今までイタチが侵入していたのは、全て1階の天井裏で、
2階の天井裏まで登ってきたことは、1度もなかったのである。

もう1つは、天井裏を駆け回っていない、という点である。
以前、イタチが侵入した際には、かなりの足音をたてて
天井裏を広く駆け回っていた。
自分はその度に、天井裏に上がって
イタチに向かって小石を投げつけたり、
天井板をハタキで叩いて、逃げ回るイタチを追いかけ回し、
天井裏から出て行くまでイタチを休ませなかったりしたのだが、
今回侵入してきた何者かは、天井板を叩いても、
同じ場所に留まり続けている。
イタチだとすれば、相当に図々しいイタチだ。

イタチでないとすれば何か?
自分はこれをネズミだと判断した。
仮にネズミが子供を産んだ、とすれば、生まれたばかりのネズミは、
そうそう走り回ることも出来ず、同じ場所に居続けるだろう。
親ネズミも、そうそう子供の側を離れることはないはずだ。

天井裏を駆け回っている動物を確認するのは難しいが、
同じ場所に留まっているのなら、確認するのは容易い。
自分は早速、灯りを手に天井裏に上がった。
自室の天井裏には、断熱材が敷き詰められており、
まるで一面に布団を敷いているようである。
1階の天井裏とは違い、2階の天井裏はそれなりに高さがあり、
太い梁が何本も張り巡らされているので、
それを伝うようにして自由に動き回ることが出来る。
自室の真ん中辺りには、ネズミがやったのか、
断熱材の破片が山のように積み上げられている箇所があった。
だが、今回、音がしているのはそれよりさらに奥である。
自分はさらに梁を伝って、奥へと進んでいった。
部屋の南西角の辺りから、相変わらす物音がしている。
敷き詰められた断熱材の下に、その何者かは居るようだ。
ちょうど近くに断熱材の切れ目があり、
そこから断熱材をめくり上げることが出来そうであった。
自分は、ライトを口でくわえ、
空いた手で断熱材をめくり上げてみた。

正直、このときほど恐怖を感じたことはない。

そこには、1匹の巨大なヘビがいた。
まっすぐな状態ではなかったため、
はっきりとした長さは分からないのだが、
確実に1m50㎝はあっただろう。
身体も太く、ピンポン球ほどの太さはあっただろうか?
くわえていたライトを落とさなかったのは、本当に幸運だった。
自分はすぐさま断熱材を放し、猿のようなスピードで梁を伝い、
天井下に出た。
すぐさまピッチリと、隙間のないように天井板を閉めて、
天井裏を封印した。
2階の各部屋を見て回り、
ヘビの出てきそうな箇所のないことを確認して、
やっと一息つくことが出来た。

すぐさま、ネットでヘビについて調べてみると、
あれほどの大きさになるものは、アオダイショウしかなさそうだ。
さらに詳しく調べてみると、家屋の天井裏や、
床下に住み着くことがあるらしい。
ひょっとしたら自分が見たのは、
そういった類いのものかも知れない。
ただ、イタチのように
臭い糞尿を撒き散らすということは無いようで、
むしろネズミなどを食べてくれる益獣とみることもあるようだ。
なるほど、よくよく思い返してみれば、
ここ数年来は、家の中でネズミが出てきたことがない。
さらにいえば、ヘビが住み着いている家には
金運が巡ってくるという話もある。

正直、自分は何が嫌いといって、ヘビほど嫌いなものがない。
そんな自分にとって、家にヘビが住み着いているというのは、
重大事件といっていい。
だが、イタチのときのように、
これをどうにかしようという気も起きない。
なぜなら、そういう気持ちすら起きないレベルで、
自分はヘビが苦手だからだ。

ネズミもろくに住まない家になっているわけだから、
うちにはヘビのエサになるものはほとんどいないはずである。
無理にこれに関わるよりは、恐らくは放っておいても
エサを探してどこかへと出て行くはずである。
はっきりいって「触らぬ神に祟りなし」である。

でも、せっかくだから、
試しに宝くじを買ってみても、いいかもしれない。

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