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徳島ラーメン

更新日:

By: ajari

四国八十八ヶ所霊場巡り気分を味わうために、
第1番札所「霊山寺」から、第3番札所「金泉寺」までを
歩いてみて、「金泉寺」についたのが正午であった。
ちょうど昼飯時である。

自分と友人は、県道12号線に出て、
車を停めてある道の駅「第九の里」まで戻ることにした。
県道12号線は幹線道路なので、
それを4kmも歩けば、きっと食べ物屋ぐらい
いくらでもあるだろうと考えたからである。

せっかく、徳島までやってきているのだから、
何かその土地の名物を食べよう、ということになった。
徳島の名物、ということになって、
一番最初に思い浮かんだものが、「徳島ラーメン」だった。
と、いうよりは、それ以外は思い浮かばなかった。
そもそも、徳島名物と考えてみた所で、
浮かんでくるのは「阿波踊り」だとか、
鳴門の「うず潮」などである。
食べ物は浮かんでこない。
調べてみた所、「鳴門鯛」や「阿波牛」、
「阿波尾鶏」や様々な海産物はあるものの、
どれもなかなかお高く、疲れたときの昼飯として
気軽くがっつけるイメージではない。

麺類の名物があれば、気軽に食べることも出来るのだが、
「祖谷そば」は徳島近辺では食べられそうにないし、
揖保の糸の故郷、たつのから来ているのに、
「半田そうめん」を食べようとも思わない。
「御所のたらいうどん」や「鳴ちゅるうどん」といった
うどんの名物もあるにはあるのだが、
四国に来てうどんといえば、やはり「讃岐」のイメージが強い。
そうなってくると、やはり徳島での麺類といえば、
「徳島ラーメン」ということになる。
四国に来て、最初によった道の駅、
「第九の里」の物販コーナーにも、
様々な麺類が販売されていたが、
その中で、もっとも強くアピールされていたのが、
「徳島ラーメン」であった。
土産物の「徳島ラーメン」のパッケージの写真を見た所では、
そのスープは色黒く、中に入っている麺が見えないほど、
濁っている。
ひとことでいえば、ものすごく「濃い」ラーメンに見えた。
塩分濃度も、えらく高そうである。
日差しの強い中を長々と歩いて、疲れ切った身体には、
実にウマそうなラーメンであった。

県道12号線沿いには、ラーメン屋は存在しなかった。
車に戻った自分たちは、早速、カーナビを使い、
近辺のラーメン屋を検索してみた。
結構な数のラーメン屋がリストアップされたのだが、
店の名前だけでは、「徳島ラーメン」を扱っているのかどうかが
分からない。
まあ、ご当地ということもあり、大方のラーメン屋は
「徳島ラーメン」を出しているのだろうが、
実際に行って、店の中に入ってみて、
「徳島ラーメン」ではなかったということになっては、
眼も当てられない。
ページをスクロールして行くと、その中に1つ、
店の名前の前に「徳島ラーメン」と入っている店を見つけた。
地図で確認してみると、現在地から5kmほど南、
藍住町のラーメン屋らしい。
それくらいの距離であれば、車ならあっという間である。
我々はそのままカーナビのガイドに従って、
徳島平野を南下して行った。

そのラーメン屋は、幹線道路沿いにある小さな店であった。
看板には、たしかに「徳島ラーメン」と書いてある。
時間は午後1時になったばかりだったが、
駐車場には車が結構、停まっており、
そこそこお客さんの入っている店の様である。
これなら、味の方も大丈夫だろう。
駐車場に車を入れ、店の中に入ると、
席はほぼ8割方埋まっていたが、ちょうど1つ、
空いているテーブルがあった。
メニューを見てみると、やはり「徳島ラーメン」を
ウリにしている店のようで、
これを中心にしたメニュー構成になっている。
自分も友人も、「徳島ラーメン」の中サイズと、ライスの大、
さらに友人は麺の替え玉も注文していた。
店員は3~4人いるようだが、調理を担当している人も含め、
全てが女性であった。
それもどういうわけか、どの女性もやたら肉付きがいい。
注文して5分、待ちに待った(と、いうほどでもなかったが)
「徳島ラーメン」がやってきた。

道の駅「第九の里」で見た、「徳島ラーメン」の写真にかなり近く、
スープの色はどす黒く、濁っている。
具材も、写真で見たままだったが、
1つ、卵黄だけが入っていなかった。
スープの表面を見ると、結構分厚い油の層ができている。
レンゲを手に取って、スープをひとすくい飲んでみる。
濃い。
これはまあ、見たままである。
しかし、どす黒いまでに黒いスープは、
思ったほど強烈な醤油辛さは無く、ちょうどいい塩加減だ。
豚骨を使ってスープをとっているらしく、
わずかに獣臭さを感じさせる風味になっている。
ちょうど大学時代、九州福岡で
豚骨ラーメンに馴染んだ自分としては、どこか懐かしさすら感じる。
麺はやや細めのストレート麺で、これもどこか
博多ラーメンを思い起こさせるが、麺の硬さはやや柔らかめだ。
上にのっている具は、ネギ、モヤシ、メンマ、
それとブタのバラ肉を煮込んだもので、
濃いスープに良く合っている。
はっきり言って、かなり好みのラーメンである。

もともと「徳島ラーメン」は、
ご飯のおかずとして食べるものらしく、
周りを見ても、ラーメンと一緒にライスを注文している人が多い。
自分たちがライスを注文したのは、間違いではなかったようだ。
濃い味付けのラーメンは、ライスとよくあっていて、
あっという間に、ラーメン、ライス共々に平らげてしまった。

自分たちがラーメンを食べていると、店員の1人が
カウンターに座ってラーメンを食べ始めた。
どうやらこの店では、賄い食にも「ラーメン」を出しているらしい。
女性が食べているのは、自分たちと同じ大きさのラーメンと、
自分たちのものより多く盛られたご飯、
(恐らく、自分でタップリと盛ったのだろう)
さらに2人前はありそうな、餃子であった。
お昼の書き入れ時が終わり、相当にお腹が減っていたのだろう。
その女性は、自分たちに負けないくらい勢い良く、
目の前のラーメン・ライス・餃子を食べ始めた。
恐らく、これが毎日のお昼ご飯なのだろう。
……。
この店の店員の女性たちが、全員、
やたら肉付きのいい理由が、シミジミと理解できた。

現在、日本各地のご当地ラーメンは、
それぞれに大きく人気を延ばし、
ものによっては、広く日本全国に展開しているものもある。
そういう現状にあって、今だ「徳島ラーメン」は、
徳島に行かなければ、食べることの出来ないラーメンだ。

もし、何かの折に徳島に足を運ぶことがあれば、
忘れずに食しておきたい、1杯である。

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