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四国八十八ヶ所霊場巡り〜その2

更新日:

ミョーな道の駅「第九の里」を後にした自分たちは、
そのまま県道12号線まで南下し、
12号線を東に向かって歩いていった。

橋を1つ渡ってしばらく歩くと、
第1番札所「霊山寺」が見えてくる。
八十八霊場の最初の1つだから、
もっと派手に賑わっているのかと思ったが、
周辺は意外に落ち着いている。
こういっては何だが、
たつのとそう変わらないくらいの田舎ぶりだ。

門前には、「お遍路」用品と地元土産を売っている店があり、
「霊山寺」の中に入る前に、ちょっと中をのぞいてみる。
店の中には、巡礼用の白衣をはじめ、金剛杖、袈裟、納経帳、
数珠など、きれいに並べられて展示されている。
展示されているのは「お遍路」用品だけでなく、
仏画を描いた掛け軸や、
「南無大師遍昭金剛」とバックプリントされたTシャツといった、
観光客相手のグッズもある。

白衣は、上下セットで揃っているものと、
上だけのものの、2つがある。
と、いうのも「お遍路さん」の中には、
古来からの流儀に従って、歩いて行なっている人の他にも、
電車などの公共機関を利用して行なう人、
自家用車を使って各札所を回る人、
自転車を使って各札所を回る人など、
様々なパターンが存在している。
そういった乗り物を利用している人の場合などは、
普段着の上に、白衣の上だけを羽織り、そこに輪袈裟と呼ばれる
袈裟をつけて、巡礼している人もいるのである。
さらにいえば、札所で納経する場合のみ、そのような格好をし、
移動の際は、全くの普段着と言う人も、かなり見受けられた。
(この後、友人と2人で、第3札所まで歩いて回ったのだが、
 途中、道を聞いてきたおじさんは、電気自動車に自転車を積んで、
 車で巡礼をしていた。
 そのおじさんの格好は、全くの普段着であった)

先に書いたように、袈裟はお坊さんが着ているような 
大きなものではなく、駅伝の襷を大きくしたような「輪袈裟」である。
紫色をしたそれを、首にかけることによって、
袈裟を身につけている、と言うことになるらしい。

「お遍路さん」の相棒である金剛杖は、
実際に手に取ってみると、かなりの軽さである。
断面は丸くなく、四角形をしていて、
先端に行くほど細くなっている。
杖のアタマの部分に、布をかぶせたものと、裸のままのものと、
2種類の金剛杖が販売されている。
杖の側面には、経文やら梵字やらが書き込まれており、
独特の雰囲気を醸し出している。

納経帳は、札所に納経した際に、
札所の「印」を押してもらう帳面である。
和綴じになっており、表紙の部分はきれいな布で装丁されている。

この他、納経帳などを入れておく、布製の肩掛け鞄や
円錐型の編み笠も用意されており、
鞄には「同行二人」と書かれている。
これは、1人で巡礼しているときでも、
いつも傍には弘法大師がいて、守ってくれているという意味らしい。
それぞれ、値段に善し悪しはあるものの、
普通に揃えるのであれば、1万円くらいはかかるようである。
もちろん、純粋な観光客である自分たちは、
これらを購入する事なく、そのまま店を抜けて、
「霊山寺」の門をくぐり、境内の中に入っていく。

門をくぐった先には、手水場と大きな池があり、
錦鯉がたくさん泳いでいる。
どの鯉もいいエサをタップリと食べているのか、
まるまると太っていて、鱗の発色もいい。
そのまま奥に進んでいくと、本堂と思わしき建物があり、
それに併設されるようにして、お守りなどの販売所や、
「お遍路」用品の販売所がある。
本堂の奥には、講話を聞くための聴講所があり、
その手前に賽銭箱が置かれている。
天井からは夥しい数の灯籠が吊るされており、
暗い本堂の中を照らしている。
その本堂の中のあちこちに、読経をしている「お遍路さん」がいる。
全身、ビシッと決めた本格的な「お遍路さん」は少なく、
そのほとんどは、普段着の上に白衣を羽織り、
輪袈裟をかけただけのスタイルだ。
彼らは一様に、教典を開き、そこに書かれている文言を
詠唱している。
実は、自分もお寺さんから貰った、
勤行用の簡易経典を持ってきていたのだが、
さすがにそれを取り出して、読経する気にはならなかった。
お賽銭を入れて、手短に手を合わせると、
そのままさっさと「霊山寺」を後にした。

この第1番札所「霊山寺」は、県道12号線沿いに建っており、
この県道12号線を西へと歩いていくと、
1kmほど先に、第2番札所の「極楽寺」がある。
門をくぐり境内に入ると、ここにも「お遍路」用品の販売所がある。
さすがにここに来る人は、もう全部道具は揃っているはずなので、
一体どんな人が、ここで「お遍路」用品を買うのか不思議だったが、
1番札所で何か買い忘れをした場合、その買い忘れを、
ここで購入するのかも知れない。
いずれにしても、えらい「隙間」を狙った商売である。
この「極楽寺」は、山裾に作られており、
寺の敷地は平坦ではない。
本堂は、少し山を登った所に建てられており、
お参りするためには、石段を上っていかなければならない。
石段を上った所には、本堂があり、
そこに御本尊が祀られているようだ。
さらにそこからサイドに進んでいくと、また別棟が建てられており、
何か別のものが祀られている。
ちょうど自分たちがここへやってきたときには、
外国人の一団が観光に来ており、
その前で、何人かの「お遍路さん」が、一心に読経していた。
白衣を羽織って、一心に読経する巡礼者たちの姿は、
異国人の眼には、どのように映ったのだろうか?

さて、第1番札所「霊山寺」から、第2番札所「極楽寺」までは、
県道12号線にそって歩けばすぐだったが、
ここから第3番札所である「金泉寺」までは、
人家の間を縫うように、巡礼路が設定されている。
そこを歩けば、阿波地方の人々の暮らしに触れることが出来る。

次回は、ここから第3番札所を目指す。

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